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「すき」
キッチンで洗いものをしているおれの背中越しに、なまえちゃんがぽつりと洩らす。
思わず洗っている皿を落とそうになったが、すんでのところでキャッチしてほっとする。
「これ」
これ、と指さすのは、先ほどなまえちゃんのために作ったキャラメルマキアート。
なるほど。
おれに対してかもと期待してしまった。
「それは良かった」
本当に。勘違いして突っ走らなくて良かったっていう二重の意味で。
少しの気恥しさを笑って誤魔化すと、なまえちゃんからも笑顔が返ってくる。
「実は隠し味にみかんを入れてるんだ。サッパリしてるだろ?」
「うん、美味しい。もしかしてナミのみかん?」
「そうだよ。よくわかったね」
そう言ったら、へへっと得意げに笑うなまえちゃんはかわいい。
「すき」
かわいらしい唇でまたそう言われる。
単体で言われると、やっぱりドキッとする。
そして、おれに向けてだったら最高なのに、とまたしても思う。
まぁ、おれの作ったものに対して言ってくれるのももちろん嬉しいけど。
「そんなに気に入ってくれて光栄です、レディ。お代わりをお作りしましょうか?」
「違う」
「え?」
「サンジが、すき」
隙だらけの手から、先ほど落ち損ねた皿の代わりに布巾がぽとりとシンクに落ちる。
自分の願望が幻聴となって聞こえたのかもしれない。あまりにも都合が良い言葉にとても信じられなくて、馬鹿みたいに質問をする。
「ええっと…それは誰が?」
「わたしが」
「誰を?」
「サンジを」
やっぱり信じられない。
おれは夢でも見てるのか…?
「わたし、サンジが好き。さすがに恥ずかしいから何度も言わせないで欲しいんですが…」
顔を真っ赤にしてそう言うなまえちゃんは見たことないくらいかわいくて、ぎゅううっと胸が締めつけられた。
やっぱり夢みたいだ。
だって、こんなことあるか?
天使のようにかわいいなまえちゃんがおれを好きだって?
そんなクソ幸せなことあっていいのか。
いや、例えこれが夢だとしても関係ねェ。
おれはおれの素直な気持ちのままに行動するだけだ。
「なまえちゃん、おれもきみが好きだ」