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「キャプテン」
本を読み終わり、そろそろ寝ようと布団にもぐったとき。小さいが、確実におれを呼ぶ声。
「…なまえ、また眠れねェのか」
「うん」
静かにドアを開けて入って来たなまえは枕を抱きしめ、まるで小さなガキのようだ。
仕方ねェな、と無言でベッドの半分を譲ってやると、パァっと効果音がつきそうなくらいの笑顔でかけよって来る。
「キャプテン、ありがとう」
「あァ、いいから寝ろ」
なまえはほぼ毎日こうやって眠れずにおれの部屋へ来る。
夢見が悪く、おれがいると落ち着いて眠れるそうだ。
誓って言うが、手を出したことは1度もない。
なまえの中で、おれはそういう対象ではないと理解している。
落ち着いて眠れるって言ってんのが何よりの証拠だ。
だが、最近のこいつは完全に安心しきって、おれを抱き枕の代わりとばかりに抱きついてくる。
「なまえ、抱きつくな」
痛くない程度に頭を抑えて牽制するも、ブーブーと文句をたれて離れる様子はない。
そもそもタンクトップとショーパンなんていう下着みてェな格好で平然と男に抱きついてくるのも信じらんねェ。
他の男にもこうなのかって嫉妬もするし、好きな女のこんな姿を見ているだけってのもいつまで我慢できるか…。
思わず出そうなため息を飲み込む。
「意気地無し」
「ああ?」
「あほ!ばか!おたんちん!偏食!クマ野郎!」
「いい加減にしろ。バラバラにされてェか」
何か気に障ったらしいなまえの突然の罵倒。
まァ、よくあることだ。
ちょっと脅しをかけてやると、ぴたりと罵倒が止まり、おれは寝るため目を閉じた。
でも、おれの眠りはまたしてもなまえの声で妨げられる。
「キャプテン、すき」
こいつは本当に男をわかっちゃいない。
考えなしのバカ野郎だ。
耳まで真っ赤にして震えて抱きついておれのことを好きだとか抜かしやがる。
それなら、こっちだってもう我慢なんてしてやるか。
「なまえ、もう止めろっつてもとまんねェぞ」
今までの分、自業自得ってことで思い知れ。
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