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「ねぇ、聞いてる?」
目の前で一生懸命話すなまえちゃんがかわいくて緩んだ顔で眺めてると、不機嫌な声に我に返る。
「もちろん聞いてるさ。料理したいって話だろ?ああ、も〜怒った顔もかわいいな〜〜」
惜しげもなくハートを飛ばすおれに対し、彼女はりんごのように真っ赤に染め上げた顔を隠すように手で頬を抑えていた。
「っ、そういうの、恥ずかしいからやめてってばサンジくん……」
そんな照れた顔も仕草もまたかわいい、呼吸をするように出かけた本心を仕方なく飲み込む。
今、言われたばかりだ。これで嫌われでもしたら困る。でも、いっそ言われ慣れてしまえば、……いや、それだとなまえちゃんの照れた可愛らしい表情が見れなくなっちまうのか。
うーん、クソ悩ましいな。
咳払いが聞こえ、そちらを向けば、もうすっかりいつも通りのなまえちゃんが少し呆れたように見ていた。
「あー、なまえちゃんは何か作りたいものはある?」
「サンジくんは何が好き?」
「おれ?おれはなんでも好きだよ。んー、じゃあ、煮込みハンバーグはどう?」
「ハンバーグ!おいしそう!」
嬉しそうに顔を輝かせるなまえちゃん。
やっぱりレディは笑顔が1番だ。
「あ、でも…それ私の好きなものだよね」
「自分の好きなもの作ったほうがいいだろ。それに煮込むから生焼けも防げるし、初めてでもおすすめだよ」
シュンとしたなまえちゃんに補足したら、またにっこり笑ってくれたから、おれも一安心。
コロコロ変わる表情がかわいくて、頬の筋肉も弛む。
加えて、エプロン姿まで披露されてしまえば破壊力抜群で。ロビンちゃんに選んでもらったとくるりと回って見せてくれた、真っ白で裾に控えめなフリルがあしらわれたシンプルながらにかわいいなまえちゃんにピッタリなエプロンだ。
まさしく天使だ、また口からポロリと漏れてしまいそうになるのを顔を引き締めることで我慢する。
「そういや、なんで急に料理したくなったの?」
「あー、えっと…ナミに女の子なんだからお料理くらいできないとって…あと、」
「あと?」
不自然に途切れたのを不思議に思い、続きを促せば、キョロキョロと視線をさ迷わせて落ち着かない様子で。
あまり言いたくないことだったのかもしれない。
それなら話を変えようと口を開いたおれと、ちょうど同時くらいになまえちゃんが勢いよく話し出す。
「好きな人に作りたいの!」
ズドンッと鉛玉を撃たれたような強い衝撃だった。
こんなにいつもなまえちゃんを見つめているのに、好きな人がいるなんて気づかなかった。
クルーの中の誰か?それとも、なまえちゃんの故郷の…?
頬を染める姿はかわいくて堪らないのに、自分へ向けられたものじゃないと思うだけで、悔しくてモヤモヤと汚い感情が心の底から沸き上がる。
羨ましい。なまえちゃんにこんな顔をさせられることが。
「その好きな人なんだけど、」
そして、そのワードにおれの頭で警鐘が鳴る。
その先は聞きたくない。
聞いてしまえば、おれはこの後どんな顔をしてなまえちゃんに料理を教えればいい?
おれの恋敵のために作る料理を。
だけど、紳士としてレディの話を遮るなんて不粋マネはできないし、ましてや自分の好きな子の話は本来ならなんでも聞きたい。でも、これだけはまだ心の準備ができない。
ほぼ無意識で、おれの手はなまえちゃんの顎をすくい上げると、未だ可愛らしく動く小さな口を自分のそれで塞いでいた。
一瞬で、とんでもねェバカをやらかしたと血の気が引く。いくら聞きたくないとは言ってもキスすることはない。しかも、同意もなく。
恐る恐るなまえちゃんを見ると、俯いていて顔はよく見えないが、耳や首どころか全身染まってるんじゃないかってくらい真っ赤だった。
到底それがショックを受けているように見えなくて、淡い期待に心臓が高鳴る。
おかげで言い訳でしかない謝罪もすっぽりと抜け落ちてしまった。
「もしかして今の嫌じゃなかったりする…?」
俯いたまま顔は見せてもらえないが、こくりと小さく頷くのが見えてより心臓がどくんっと跳ねる。
「順番逆になっちまったけど、もし許されるなら、おれ、なまえちゃんのこと特別大事にしたいって思ってるんだけど、どうかな」
勢いよく上がったなまえちゃんの顔はやっぱり真っ赤に染まっていて熱をはらみ潤んだ瞳と相まって、想像以上にかわいくて、やっぱり我慢できずにキスしてしまうのだった。
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