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時刻は午後8時。
定時はとっくの昔に過ぎている。
上司から「きみは子どももいないし、時間あるだろ」とかなんとか言われて雑務処理。
まぁ、確かに子どもどころか旦那も彼氏もいないんですけど。
「ん?まだいたのか」
ひょっこりとドアから顔を覗かせたのは同期のサボ。仕事ができる上に、優しくて、顔面偏差値も高い、もちろん女性社員からはモテモテである。
私は企画を一緒に進めることも多くて、それなりに親密なほうだと思う。
お疲れ、と挨拶をすると、私の手元を見てサボはわずかに顔をしかめる。
「なまえ、おまえまたそんな急ぎでもねェ仕事1人で引き受けて…」
「あー、まぁ、帰ってもヒマだし」
へらりと笑えば、その眉間のシワは一層深くなる。
あ、返答ミスったな。
そういう問題じゃないと顔に書いてある優しい同期に苦笑する。
「あと、どれだ?」
サボは当たり前のように手伝おうとシャツの袖をまくる。
「大丈夫、大丈夫!本当にもうすぐ終わるから!」
「2人でしたほうがもっと早く終わるだろ」
「でも、」
「いいから。終わってないのどれだ?」
サボだって多くの仕事をこなしての今だと思う。申し訳なくて自然と口から出た謝罪はサボに遮られる。少し怒りを込めた眼差しで。
「おれが言われてェ言葉は違うぞ」
「…ありがとう、ございます」
「よし」
満足そうに笑うサボに胸がぎゅうっと苦しくなる。
そして、早々と向かいの自分の席に座るサボを見ながら、優しいのは罪だな、なんて思う。
こうやって何人、いや何十人の人を虜にしてきたのか。
「せめてお礼させてよ」
「礼はさっき言葉で貰ったろ。それにおれがやりたくてやってるだけだ」
本当に心までイケメンだ。
それでも未だ不満気な私を察したのか、考える素振を見せ、すぐにひとつの提案をされる。
「じゃあ、今度の休みにおれとデートしてくれ」
デートって、男女で出かけるアレ?
なんで私と?
呆ける私を余所に、当の本人は子どもみたいな無邪気な顔で笑っている。
「それって、どういう…」
「ん?要はおれが優しくするのはなまえにだけで、虜にしたいと思ってるのもなまえだけってことだ」
「あ、え、うそ…もしかしてさっきの口に出して…というか、え!?」
「まァ、いつまでも勘違いされたままじゃ困ると思ってたとこだ。そろそろ本気でいかせてもらうんで、よろしく」
PC越しに目と目が合って、獲物を狙うようなその目に、どくんと心臓が脈打った。
あれ、そんな目、知らないな…?
