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"なまえが過激派の攘夷志士の奴らに暴行を受けて帰って来た"
その知らせを聞いたとき、頭が真っ白になった。
何も考えられなくて、情けないことにただ手や足…いや、身体がガタガタと震えた。
「総悟!!!!」
そう俺を怒鳴りつけるように呼ぶ土方さんの声で、やっと我に返る。
「ショックなのは分かるが…」
「分かる?何が分かるってんだっ!
なまえはっ、俺の…お、れの…っ」
土方さんに当たったってしょうがない。それこそ、分かってるのに。
「総悟…。なまえちゃんのことは俺たちも妹のように可愛いがっていたんだ。おまえの痛さの比じゃないかもしらんが、トシの気持ちも分かってやってくれ」
苦しげな表情で近藤さんがそう言う。
「……分かって、まさァ…でもっ、」
それ以上は何も言えずに泣き崩れた俺の背中を近藤さんが優しくさすってくれた。
しばらく経って、俺も落ち着き、なまえの部屋に行った。
まだなまえは眠っていて、目のあたりは腫れていて泣いた痕が痛々しく、布団を捲れば身体にはまだ生々しい傷の痕が至る所にあった。
「…っ、すまねェ、なまえ…」
また出そうになった涙を堪えるためにギリッと奥歯を強く噛む。
犯されている間、彼女は泣きながら必死に俺の名前を呼んだのだろうか?
助けて、と。
「…ん、総悟…?」
「なまえっ!」
「あたしどうして……っ!?あ"あ"あ"…、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
起きたばかり特有のボーっとした様子から一変し、次々と涙を流しながらまるで狂った人形のように謝り続けるなまえ。
なんで…?なんで!?なんで!!!
「なんでアンタが謝るんでィ!!!!!」
強く強く抱きしめ、そう叫ぶ。
「アンタが謝る必要もっ、罪悪感を感じることだって…ないのにっ……」
俺の瞳からさっき堪えた涙が頬を伝って零れ落ちる。
「そんなことないっ!だってあたしは総悟以外の人に…っ!」
また思い出してしまったのか、一段と増す涙の量。
「こんな体汚い!汚いのっ!」
言葉と共に体を押し返されるが、ここで離せば二度と俺の元になまえが戻って来ないような気がして、より強く抱き締める。
「絶対離さねェ!アンタは誰にも汚されてなんかいねェや。今も昔も変わらずキレイなままでィ」
「う、そ…うそ!うそつき!汚れてるって…総悟だって本当はそう思ってるんでしょ!!??」
「思ってねェ!………だって、アンタは……なまえは俺のことまだ好きでいてくれてるだろィ?」
俺にそんな自信は少しだってなかった。
そりゃ、そうだろ?
アンタは俺の所為で傷ついたも同然なのに助けることができなかった。
俺は情けねぇヤローだ。
それでも…
「~っすきよ!愛してるに決まってる!…だからこそ…もう、総悟に愛してもらえる自信なんてっ…どこにもない…!」
ほら、アンタはキレイな涙を流してくれるから。
信じたいと思った。
何より愛しているアンタがこんな俺でもまだ愛してくれていると。
「何言ってんだィ。アンタがそんな状態になってまでまだ俺を愛してくれてんなら、こんなに嬉しいこたァねーよ」
こんな…アンタを満足に護ることも出来やしなかった俺を。
なんて、情けねェんだ…。
俺ァ自分が腹立たしくて仕方ねェ。
「…本当にすまねェ……愛してる、なまえ…」
だけど、アンタが俺を愛してくれている限り…いや、俺がアンタを愛してる限り傍でアンタを護らせて欲しい。
今度こそは絶対何があろうと誰からも傷つけさせやしねェから。
いつまでも俺の愛しい人。