マイマヨネーズを取りに行くと、冷蔵庫の前に怪し気な背中を見つけた。

近くまで行けば、それはなまえで、手には俺のマヨネーズ…？


｢なまえ、なに俺のマヨネーズ見て笑ってんだ？｣


｢そりゃあもちろん、この辛子入りのマヨネーズを食べたときの土方さんを想像して…って、え？｣


｢ふざけんなゴルァァア!!!!｣


｢あれ～土方さんどうしたんです？｣


｢今までの会話をなかったことにすんな！｣


｢チッ…バレたか｣


｢バレないと思ってたのかよ…。無理やりすぎんだろ｣


｢あ～あ。土方さんへの嫌がらせも失敗に終わるしうまくいかないなぁ｣


｢本人目の前にしてよく言えたな！どんだけ俺に恨みあんだよ！｣


｢恨みなんてやだなー、土方さん。ただのお茶目でしょ？｣


｢お茶目でマヨネーズに辛子は入れねーよ｣


｢そうですか？これからは気をつけまーす。じゃ、そういうことで｣


身を翻し歩き出そうとするなまえの肩をガシッと掴む。


｢そういうことってどういうことだ！さも完璧に逃げ切れたような顔しやがって。逃がさねーぞ｣


油断も隙もねーな、と思いながら、尚も歩き続けようとするなまえの後をついて歩く。


｢ちょ、ついて来ないで下さい。いい加減あたしのことは諦めてくださいよ｣


｢なんか俺がストーカーしてるみたいな言い方やめてくんない!?｣


｢違ったんですか!?｣


｢違うわァァア!!!つーか、なんで本気で驚いてんの？え、もしかしてずっとそうだと思ってた？｣


｢そうです｣


｢そうですって、おまえ…｣


｢土方さんはあたしのこと好きなんだと思ってました｣



｢は？｣


なまえの発言に思わずマヌケな声が出る。

え、あれ、そーゆー話だったか？



｢それなのに違ったんですね｣


悲しそうな顔に俺の疑問は打ち消される。


｢いや、さっきのはそういう意味で言ったんじゃねぇから！｣


｢…じゃあ、どういう意味だったんですか？｣


｢それはさ、だから…その…｣


｢やっぱりあたしのこと嫌いなんですねっ｣


｢っちげーよ！なまえのこと好きだから…あ｣


｢…やっと言ってくれましたね｣


今までの態度が嘘のようにニヤリと意地悪に笑う。



｢おま！…わざとかよ｣


思わずため息を吐いた俺とは裏腹になまえは嬉しそうに笑っていた。
それがあまりに嬉しそうだったから、まぁいいか、なんて思ってしまって。


あー…俺って甘ぇな。






















(外に聞こえるまでデケー声で告白なんて恥ずかしい人ですねィ)
(総悟聞いて…！)
(俺だけじゃありやせんぜ)
(は？)
(ちょうど全国生放送のテレビが取材に来てたんでさァ)
(えぇぇえ!!??)