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「神威、一緒にこれ見よ!」
そう言って見せてきたのはDVD。パッケージには暗い雰囲気で怯えた顔の人や血色の悪い人が載っている。
「なにそれ」
「ホラー映画!いま地球で人気なんだって!」
「ふーん。なまえ怖いの苦手じゃなかった?」
「そうなんだけど〜。見たくなるのが人のサガっていうか?だからこそ一緒に見ようとしてるっていうか、ね?」
「はいはい、怖いもの見たさってことね」
その言葉を了承と取ってか、いそいそとDVDを見る準備を始める。
嫌なもん見て何が楽しいのか俺にはわからないけど、まぁなまえが楽しそうだからいいか。
そうして俺がただ眺めている間にも、テーブルにはポップコーンやらコーラなんかが置かれて、しっかり照明まで落とされて準備万端という感じだ。
「神威ここどうぞ!」
ここ、と指定された場所はソファに座ったなまえの隣。当然の配置と言えばそうだけど、
「えー、俺ここがいい」
むりやりソファの背もたれとなまえの背の間をこじ開けると、そこへ座った。
「見づらくない?」
「よーく見えるよ」
なまえが。というのは伏せておく。
「それにここならユーレイから全方位守ってあげられるよ」
そんな俺の冗談にくすくす笑って抱きしめられるんだから、簡単でかわいい。
まるで下心には気づかないんだろう。そこが良いところでもあるね。
▶▷▶
「ッ、やだやだやだ!来ちゃいや…!」
身体を強張らせ、目の前で映画を満喫するなまえに微笑ましさすら感じる。こんな子供だましによくそんな入り込めるもんだと頬杖をつきながら眺める。
「ね、ねぇ、神威?後ろいるの神威だよね…?」
突然そんなことを言い出すから、なに言ってんのかな、と思ってからはたと思い出す。確かこの映画の話は親しい人がいつの間にか取り憑かれてそれが連鎖していくとかそんな話だった。
怖いのか俺のほうを見れないでいるなまえに悪戯心が湧く。
「さあ、どう思う?」
笑いをこらえて、映画になぞらえたセリフで返せば、案の定顔を青くして絶句するなまえ。
一向に気付く気配もなく固まったままのなまえの首へ軽く噛みついてやる。
「ひゃあっ!って神威!?」
「あ、ばれた?」
驚いて振り向くなまえに笑って言えば、抗議の目を向けられる。
「取り憑かれてないってわかったでしょ」
そういうことじゃない!と振り上げられた腕を余裕で受け止めて、くるりとなまえと位置を交換する。
「じゃあ、ユーレイ消えるおまじないでもする?」
よっぽど怖かったのか、おまじないという言葉に嬉しそうな顔をするなまえは本当に簡単だ。
にっこり笑ってなまえにまたがる体勢で顔を近づける。
「ちょっとちょっと!何しようとしてるの!?」
「えろいこと」
「なんで!?」
「よくこういうことしてるとユーレイって消えてない?」
「逆じゃない!?むしろ寄って来てるような……」
「そ?まぁ、いいじゃん。寄って来たらぶっ殺すから」
「そんなゴキブリホイホイみたいな、んッ、」
なまえがまだ何か言ってた気もするけど、構わず満足するまで口づける。
ほら、そしたらもう俺しか見えてないから問題ないよね?
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