ag
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いた!またこんなところでサボって…」
私の目的の人物は公園のベンチで足を投げ出しアイスをなめていておよそ仕事をしてるとは思えない、いや事実してないわけなんだけど、そんな姿を私に見られても慌てもせず素知らぬ顔だった。
まぁ、その人物、沖田さんにとって誰に見られてもなんてことないんだろう。数日前に土方さんの前で堂々と寝ていたのを思い出してそう思う。
「毎度毎度ご苦労なこって」
「もー、そう思うなら真面目に仕事してくださいよ」
女中の仕事じゃないのに、とついでに付け加えておく。
私は買い出しがてら真選組隊士の人に頼まれて捜しに来ているだけだ。毎回好き好んで捜してるわけじゃない。
とは言え、この沖田総悟という人物のことは気になっている。
18歳という若さで真選組の一番隊隊長、剣の腕は隊随一と聞いてるけど、少なくとも8割はサボっているところしか見ていない。その上、上司はやたら暗殺しようとするし、バズーカを打って建物を半壊したところも見たことがある。それから…
「アンタ、なんか失礼なこと思ってやせんか」
突然、心を読まれたかのように図星をつかれて愛想笑いでごまかす。すると、沖田さんは不機嫌そうに視線を外し、なぜか食べ終わったアイスの棒を私に押しつけてくる。
「ちょっと自分で捨てて、わっ」
抗議の声をあげたけど、目の前に立ちはだかるように立った沖田さんの背中にぶつかって最後まで発することはできなかった。
ピリッと変わった空気に息をのむ。辺りを見回せば、いつの間にか刀を持つ粗暴な風貌の人たちに囲まれていた。数にして数十人はいそうだ。
「真選組の沖田総悟だな?その首、貰い受ける!」
攘夷浪士だろうその人たちは、言うが先か、一斉に斬りかかってくる。1人に対してこんな大人数だなんてどう考えても勝てるわけない。
「やれるもんならやってみなァ」
挑発的な沖田さんの声を聞きながら、来るであろう衝撃に備えて反射的に目をつぶった。
思っていた衝撃はいつまで経っても来なくて、恐る恐る目を開ければ、先ほどまで私たちを囲んでいた攘夷浪士は全員地に伏せていた。
「ケガしてないですかィ?」
ぱちぱちと瞬きする私は未だに状況が理解できずに曖昧に返事をする。
まさか今の一瞬で、あの人数を…しかも1人で?
そんな私の様子が気にかかったのか、腕を掴んで顔を覗き込む沖田さんにビクリと反応してしまい、バツの悪そうな顔と共に掴んだ腕はすぐに離される。
「一応、病院で診てもらいなせェ。パトカーで送らせまさァ」
「沖田さんこそ、」
「あんなザコ相手にかすり傷ひとつありやせん。…それと、無理して俺に話かけなくてもいいんですぜ」
怖かったんだろ、と繋ぐ沖田さんにハテナが飛ぶ。
「怖かった、ですけど。でも、沖田さんが助けてくれましたもんね?というか、沖田さん本当にすごく強いんですね!あんなにいたのに一瞬で。話には聞いてましたけど想像超えててびっくりしました!」
矢継ぎ早に褒める私に今度は沖田さんがぱちぱちと瞬きをする。めったに見ないその顔にちょっと可愛いななんて思った。
でも、なんか怒られそうだからそれは内緒にしておこう。
