tennis【short】
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「やぁ、やぁ、宍戸くん!良いところへ来てくれた!」
教室に入った瞬間、なまえに満面の笑みで迎えられた。
きっとロクでもない話に違いないのに不覚にもドキリと胸が高鳴る。
それを隠すようになんだよ、と素っ気ない態度で返せば特に気にした様子もなく続ける。
「えへ、宿題みーせて!」
「はぁ?またかよ。おまえたまには自分でやってこいよな」
そう言いながらもすでに出す準備をしてる俺は甘いぜ。激甘。
「ごめんってー!にしてもやっぱり宍戸は優しいよね」
アホ、そんなのなまえにだけだっつの。
わかってねーよ、おまえは。
「あたし宍戸と友達でほんとよかった~」
宿題を写しながら、きっと本人は何気なくもらした言葉、"友達"。
…本当にわかってない。
今度はズキリと胸が痛んだ。
あー、俺激ダサ。
「おい、なまえ!全部写すなよ。少しは自分でやれ」
「はいはい、わかってるってママ」
「誰がママだ!」
ったく、しょーがねぇやつ。
こういう所も含めて好きなんて俺も物好きだと思うぜ。
「ほんと宍戸はこんなにいいヤツなのになんで彼女の1人や2人できないのかなぁ」
ふとなまえが独り言のように突然そんなことを言い出した。
こんなのよくあることだ。
だから俺は時々試されてるんじゃないかと思う。
「2人もできてたまるかアホ」
なんて、本当はそんなの淡い期待だってことを知っている。
「ははっ、宍戸らしいね」
いつも期待しては望んだ結果とはことごとく逆で。
「じゃあさ、どんな子がタイプ?料理とか上手ですっごいかわいい子いるんだけど、紹介しよっか?」
いつものお礼に、なんて無邪気に笑うなまえはやっぱり何もわかっちゃいないし。
「いらね」
なぁ、本当にわかんねぇのか?
おまえに激甘なのも、彼女作んないのもぜんぶぜんぶ理由は。
「おまえが好きだから」
ああもう、このあとのことなんて知ったことか!
恋せよ青少年
(走れ、それこそ青春だ)