ストップ、松囃子!
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10 〇〇しないと出られない部屋
「ここは……」
気がつくと、私は白基調のシンプルな内装の部屋の中にいた。
部屋の調度は、テーブル、ベッド、サイドチェスト。それからブラウン管のテレビ。
窓はなく、ドアが一つだけ。そしてそのドアの上に、でかでかと目立つように書きつけられているのは……
「『セクロスしないと出られない部屋』だって!! ナマエねーさん!!」
「ソウダネー……」
ああ、神様仏様赤塚先生。
私はなぜ斯様な部屋に、彼と閉じ込められたのでしょうか。
なぜに……十四松くんと!!
「…………鍵、しまってる」
ドアノブをガチャガチャしてみるけど、開く気配は微塵も感じられない。
マジで出られないんだ……うわぁ……。
「……ねーさん」
「…………なに?」
「する? しちゃう?」
「い、いや……あの……」
「ごめん。ぼくね、もう我慢できないや」
「ひぇっ!? あ、あの……十四松くん!?!?」
「あっはは、一緒にセクロスセクロス!」
五男、強引に私の手を取り、部屋のある場所まで引っ張っていく。
テーブル……はガン無視。
ベッド……!! もガン無視。え?
最終的に座らされたのは、テレビの前。
そして十四松くんは、テレビボードにあった白と赤の配色が印象的な、往年の名ゲーム機……ファミリーコンピューターを取り出し。
それからその辺に置かれていたゲームのカセットを……端子部分ふーふーして、いざ! がしゃんこ!
そう、ゲームのタイトルは……『セクロス』!!
1986年発売の、名作シューティングゲームである!
「うわぁ、セクロスだぁ」
「そうそう、セクロスセクロス!」
十四松くんはわくわくした顔で私の隣に座ると、コントローラーを手に取った。
「んじゃねーさん! 一面クリアするごとに交代で!」
セクロスって……そうか……こっちの……セクロス……
遠い目でひとしきり納得した後、私の胸に広がるのは安堵の気持ちでした。よかったー! あっちのセクロスじゃなくてほんとよかったー!
あ……いやでも。セクロスをいやらしい方の意味で捉えてたのは、ちょっと恥ずかしいかもしれない……
と、ともかく! 私は羞恥心を誤魔化すように、つとめて明るく口を開いた。
「よーし、それじゃあいっちょ救いますか!」
「ペトラ人!」
そんなこんなで。
『セクロスしないと出られない部屋』を、ごく健全に攻略する私と十四松くんなのでした。あー焦った。
数時間後。なんとか二人がかりで全クリした直後、ドアからガチャリと鍵の開く音がしたので。
「ねーさん、どう?」
「わ、開いた! 出られるよ十四松くん!」
「やったー! セクロス! 間違えた、サンクス!」
我々はやっと、この狂った趣向の部屋から脱出することができたのです。本当になんだったんだろうこの部屋。
と、扉から外へ出てきたところで。
「あ! ナマエちゃーん!」
「マイハニー! アンドじゅうしま〜つ!」
「無事かー!?」
私たち二人は部屋を出るなり、狼狽した様子の松野家その他五人のニート達に取り囲まれたのでした。
「なんかさ! 十四松とナマエちゃんが、いま流行りの『〇〇しないと出られない部屋』っていうのに閉じ込められたって聞いたからさ!」
「ボクら扉の前でずっと待ってたんだよ!」
「心配したんだぜ、ナマエ、そしてブラザー……!」
「みんな……」
そうかそうか……心配して待っててくれてたんだ。ていうかよくこの場所を突き止められたよね。結局ここどこだ?
とにかく普段はアレな彼らだけど、こうやって心配して駆けつけてくれるのは……正直嬉しい。ありがとう、ありがとうニート達。
けれども。
「で、結局何やったら部屋から出られたんだ?」
おそ松くんからの疑問に、間髪入れずに答えたのは十四松くん。
やり切った感満載の笑顔で、頬を紅潮させながら放つその一言はもちろん……
「セクロス!!!!!!」
そして始まる阿鼻叫喚。
「セクロス!?」
「どういうこと!?」
「えっ、それって……そういうこと!?」
「おれ達より先に大人の階段登っちゃったのかよ十四松……!」
「オーマイリルじゅうしま〜つ!! ナマエ〜〜〜〜!!」
「嘘だ〜〜! 嘘だ十四松兄さ〜〜ん!」
ソウダヨネ、ゲームの方だとは思わないもんね……はぁ。
その後、誤解を解くのに五時間かかった。ちくしょう。
「ここは……」
気がつくと、私は白基調のシンプルな内装の部屋の中にいた。
部屋の調度は、テーブル、ベッド、サイドチェスト。それからブラウン管のテレビ。
窓はなく、ドアが一つだけ。そしてそのドアの上に、でかでかと目立つように書きつけられているのは……
「『セクロスしないと出られない部屋』だって!! ナマエねーさん!!」
「ソウダネー……」
ああ、神様仏様赤塚先生。
私はなぜ斯様な部屋に、彼と閉じ込められたのでしょうか。
なぜに……十四松くんと!!
「…………鍵、しまってる」
ドアノブをガチャガチャしてみるけど、開く気配は微塵も感じられない。
マジで出られないんだ……うわぁ……。
「……ねーさん」
「…………なに?」
「する? しちゃう?」
「い、いや……あの……」
「ごめん。ぼくね、もう我慢できないや」
「ひぇっ!? あ、あの……十四松くん!?!?」
「あっはは、一緒にセクロスセクロス!」
五男、強引に私の手を取り、部屋のある場所まで引っ張っていく。
テーブル……はガン無視。
ベッド……!! もガン無視。え?
最終的に座らされたのは、テレビの前。
そして十四松くんは、テレビボードにあった白と赤の配色が印象的な、往年の名ゲーム機……ファミリーコンピューターを取り出し。
それからその辺に置かれていたゲームのカセットを……端子部分ふーふーして、いざ! がしゃんこ!
そう、ゲームのタイトルは……『セクロス』!!
1986年発売の、名作シューティングゲームである!
「うわぁ、セクロスだぁ」
「そうそう、セクロスセクロス!」
十四松くんはわくわくした顔で私の隣に座ると、コントローラーを手に取った。
「んじゃねーさん! 一面クリアするごとに交代で!」
セクロスって……そうか……こっちの……セクロス……
遠い目でひとしきり納得した後、私の胸に広がるのは安堵の気持ちでした。よかったー! あっちのセクロスじゃなくてほんとよかったー!
あ……いやでも。セクロスをいやらしい方の意味で捉えてたのは、ちょっと恥ずかしいかもしれない……
と、ともかく! 私は羞恥心を誤魔化すように、つとめて明るく口を開いた。
「よーし、それじゃあいっちょ救いますか!」
「ペトラ人!」
そんなこんなで。
『セクロスしないと出られない部屋』を、ごく健全に攻略する私と十四松くんなのでした。あー焦った。
数時間後。なんとか二人がかりで全クリした直後、ドアからガチャリと鍵の開く音がしたので。
「ねーさん、どう?」
「わ、開いた! 出られるよ十四松くん!」
「やったー! セクロス! 間違えた、サンクス!」
我々はやっと、この狂った趣向の部屋から脱出することができたのです。本当になんだったんだろうこの部屋。
と、扉から外へ出てきたところで。
「あ! ナマエちゃーん!」
「マイハニー! アンドじゅうしま〜つ!」
「無事かー!?」
私たち二人は部屋を出るなり、狼狽した様子の松野家その他五人のニート達に取り囲まれたのでした。
「なんかさ! 十四松とナマエちゃんが、いま流行りの『〇〇しないと出られない部屋』っていうのに閉じ込められたって聞いたからさ!」
「ボクら扉の前でずっと待ってたんだよ!」
「心配したんだぜ、ナマエ、そしてブラザー……!」
「みんな……」
そうかそうか……心配して待っててくれてたんだ。ていうかよくこの場所を突き止められたよね。結局ここどこだ?
とにかく普段はアレな彼らだけど、こうやって心配して駆けつけてくれるのは……正直嬉しい。ありがとう、ありがとうニート達。
けれども。
「で、結局何やったら部屋から出られたんだ?」
おそ松くんからの疑問に、間髪入れずに答えたのは十四松くん。
やり切った感満載の笑顔で、頬を紅潮させながら放つその一言はもちろん……
「セクロス!!!!!!」
そして始まる阿鼻叫喚。
「セクロス!?」
「どういうこと!?」
「えっ、それって……そういうこと!?」
「おれ達より先に大人の階段登っちゃったのかよ十四松……!」
「オーマイリルじゅうしま〜つ!! ナマエ〜〜〜〜!!」
「嘘だ〜〜! 嘘だ十四松兄さ〜〜ん!」
ソウダヨネ、ゲームの方だとは思わないもんね……はぁ。
その後、誤解を解くのに五時間かかった。ちくしょう。