普通の日記
テランスに妹がいるif 〜妹は悪役令嬢!?〜
2024/10/16 05:17「きみとの婚約はこの場をもって破棄させてもらう!!」
な……なんですってぇぇぇえええ!!!!
拝啓、聖竜の御寵愛を受けるお兄様。わたくしの寵愛は今この場をもって弾け飛びましたわ。
「爆散ですわ爆散ですわ爆散ですわぁぁ〜〜〜!!!!どうしてですの!?わたくしが何をしたというの!?うわぁぁぁん聞いてくださいませディオン様、わたくしが悪いのですかこれは!わたくしの申し上げたことの何が間違っていたというの!?どうしてなのよわたくしはただれっきとした淑女として慎みを持ちなさいとふしだらな交友関係をやめなさいと他のレディと婚姻関係にある殿方には気安く触れてはならないと教えて差し上げただけですのよ〜〜〜ぉおお!!聞いていらっしゃいましてっ!?」
「あ、ああ……」
ディオンが両手を上げて助けてくれと目で訴えている。
本当に、誰に似たんだか自分の妹は非常に賑やかで饒舌で少しばかり気が強くて思った事をそのまま我慢できずに口に出してしまう傾向にある。ああ、この口と手が考えるより先に出てしまうのは母そっくりなのか。そしてロマンですわと夢見る乙女そのままに社交界で素敵な殿方──将来の旦那様にされたいことリスト等とつらつらと妄想を語る。甘酸っぱい空想の数々に、あれは父に似たのだろうなとディオンに言うと、「いやあれはお前もそうだぞ」といささか納得しきれない事を言われてしまった。
「わたくしは淑女としてあの小娘に常識を教えて差し上げただけですのにっ」
さめざめと妹がディオンに縋り付いて泣き喚く。おい、だからディオンは俺の。
そう口を開こうとして、こちらを一瞥もしない妹が「だってお兄様」と動きを制するように鋭く──しかしめちゃくちゃな鼻声で──ずぴ、と鼻を鳴らして淑女とはなんぞやと呆れた自分に向かってキリッと言った。
「ディオン様はわたくしの義兄になりますもの」
お義兄様には甘えてよくってよ!
と、言い切った妹に何も返せなかった俺に、ディオンはやや頬を赤らめて「おい」と言った。
な……なんですってぇぇぇえええ!!!!
拝啓、聖竜の御寵愛を受けるお兄様。わたくしの寵愛は今この場をもって弾け飛びましたわ。
「爆散ですわ爆散ですわ爆散ですわぁぁ〜〜〜!!!!どうしてですの!?わたくしが何をしたというの!?うわぁぁぁん聞いてくださいませディオン様、わたくしが悪いのですかこれは!わたくしの申し上げたことの何が間違っていたというの!?どうしてなのよわたくしはただれっきとした淑女として慎みを持ちなさいとふしだらな交友関係をやめなさいと他のレディと婚姻関係にある殿方には気安く触れてはならないと教えて差し上げただけですのよ〜〜〜ぉおお!!聞いていらっしゃいましてっ!?」
「あ、ああ……」
ディオンが両手を上げて助けてくれと目で訴えている。
本当に、誰に似たんだか自分の妹は非常に賑やかで饒舌で少しばかり気が強くて思った事をそのまま我慢できずに口に出してしまう傾向にある。ああ、この口と手が考えるより先に出てしまうのは母そっくりなのか。そしてロマンですわと夢見る乙女そのままに社交界で素敵な殿方──将来の旦那様にされたいことリスト等とつらつらと妄想を語る。甘酸っぱい空想の数々に、あれは父に似たのだろうなとディオンに言うと、「いやあれはお前もそうだぞ」といささか納得しきれない事を言われてしまった。
「わたくしは淑女としてあの小娘に常識を教えて差し上げただけですのにっ」
さめざめと妹がディオンに縋り付いて泣き喚く。おい、だからディオンは俺の。
そう口を開こうとして、こちらを一瞥もしない妹が「だってお兄様」と動きを制するように鋭く──しかしめちゃくちゃな鼻声で──ずぴ、と鼻を鳴らして淑女とはなんぞやと呆れた自分に向かってキリッと言った。
「ディオン様はわたくしの義兄になりますもの」
お義兄様には甘えてよくってよ!
と、言い切った妹に何も返せなかった俺に、ディオンはやや頬を赤らめて「おい」と言った。