~第二章~
それは…
「あ、ああああぁぁ…」
私の痛みから始まった。
「ああ―――」
「ああ――…」
「あぁ―…」
「―
さくらっ!!」
お父様が、初めて私の部屋にかけつけた。
禁を破って
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「おぅおぅおぅ…」
痛みはジンジンと増し、驚きがようやく恐怖に変わったころ、
お父様は私の前に現れた。
「…
さくら―――」
お父様は
私の
穴の開いた手を見て
私と同じく泣いてくれた
急ぎお母様が神経を繋ぎ合わせてくれたけれど
痛みと恐怖は
まだ
私を支配していた
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こわい 痛い
痛い こわい
私を一番助けてくれたのは
お父様のぬくもり
「
さくら!」
「
さくら!」
何度も。おじい様に怒鳴られても怒鳴り返して
「
さくら」
「
さくら」
何度も。
自分が消えてしまいたいほどの
悲しみを 痛みを
和らげてくれた
何度も私の名を呼んで
………でも、あまりの痛さに
私は気を失ったそうだ。
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目が覚めたときには手に包帯を巻かれ、寝かされていた。
私の手に穴が開くほど噛み付いたスズメは、
以来姿を見ることはなかった。
そうして
あれほど私を手放さなかった
卯月おじい様が
私を
卯月家から
籠から出した。
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それでも
天宝院家には戻れなかった。
おじい様が譲歩したのは、
卯月家と
天宝院家の中間に居を構え、
氷雨と
アヤメを連れて移り住むこと。
外出させないこと。
そしてお父様と二人っきりにさせないこと。
私は
卯月家という籠から枝垂桃の宮という名の籠に移された。
けれどそこには
武礼がいた。
お母様も。
そしてお父様もいた。
「
さくら」
「
さくら」
「
さくら姉」
私を名前で呼んでくれる 家族が いた。
初めて 私は
認めてもらえたようで
さくらと呼ばれることが
うれしかった。
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卯月家でも少し習っていた舞を本格的に習うようになって
「
さくらよ…」
舞のお師匠様がお父様の弟だと教えられた。
こっそりと、卯月おじい様に気付かれぬよう
お母様が手配してくれていたのだと、教えられた。
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************************************************郛外区 風⋆花⋆雪⋆月