六番隊も八番隊も隊長が上級貴族だから大きな違いを感じなかったが、
さくらにとって当たり前の事が十一番隊では
武礼が訪れるまで日常ではなかったと知ってから数日後。
「……ひぃ…ん…」
「な、何なんだ?」
「怖っ…かったぁー」
八番隊隊舎前をウロウロする更木に、平隊士は涙ぐんで隊舎を出入りする羽目となっていた。
ウロウロと言っても暫くすると座り込んだりぼーっと突っ立っていたりもする。
時計の長針が一周しても居座っていたかと思うと、ちらりと詰所を覗いただけで姿を消すこともあった。
それが二日も続いたのである。
京楽も更木が気にかかるが、自分が訊いて本意を語ってくれるとは思えない。
翌日もふらりと現れたので話しかける機会を伺うのと同時に何か事前に探れないかと、二時間ほど詰所前に居た更木が立ち去る後をつけた。
どこの隊にも寄らずに更木は十一番隊に戻ったが、此処で引き返しては誰かに己の行動を怪しまれるかと十三番隊まで足を向ける。
そうして軽く浮竹と話をして八番隊まで戻ってくると、また更木が居るではないか。
しかも今度は女性隊士と話をしている最中である。
まさか七緒ちゃんが苦言を呈しているのでは…と、更木の背中で声の主の姿が見えないまま遠巻きに近づいていくと、相手は
さくらであった。
「あ、隊長。おかえりなさいませ」
さくらが更木から京楽へと視線を移し、軽く会釈する。
この状態で素通りするのも変だと更木に歩み寄ると、「邪魔してるぜ」と更木にしては好意的な言葉を口にした。
これは……!
勘のいい京楽が、更木のお目当てが
さくらであることを見抜けないはずがなかった。
「更木隊長。こんな所で立ち話もなんだから、八番隊(ナカ)で話したらどうだい?」
「…別に、話なんてねーな…」
だったらどうして三日もウチの前をウロチョロしてたんだい?というツッコミは心の中だけにして、それじゃあ
さくらちゃんと一緒に隊舎に戻るよと告げると無言で睨まれた。
11
無自覚か…。
更木は初めての感情がわからないのだろう。
なるべくそっとしておこうと、
さくらに目配せをして隊舎に入ろうとした時だ。
「…なあ、またヤろうぜ」
さくらが背を向けた途端、更木は
さくらの腕を掴んでそう言った。
「ええ。来月に」
何をヤったかは知らないが、次の約束も
さくらと取り交わし済みのようである。
「………」
それでも手を離さないところを見ると更木は
さくらとの約束の日が待ちきれず、ウロウロしていたのだろう。
「更木隊長?」
己の感情に疎い更木に、男の感情に疎い
さくらが首を傾
(かし)げる。
どうしたものかと京楽も二人を眺めるしかできなかったが、漸く更木が手を離し背を向けて去って行った。
取り残された
さくらの頭上に?マークが幾つか見える。
「
さくらちゃん…。更木隊長と何かヤったの?」
京楽が言うと途端に下ネタっぽく聞こえるが、そこは触れないでおこう。
「―――あ、はい。弟が更木隊長と手合わせをしていただいておりまして。そのお手伝いを先日……」
「ええっ!?」
さくらは手合わせと言うが、それが更木の言う殺し合いなのは護廷十三隊中に知れ渡っている。これはじっくり事実確認をしないと、と
さくらを隊首室に連れて行った。
「それならいいけど…」
一通り話を聞けば更木の刃を受けるのは弟だけで、
さくらは遠くから弟の防御一辺倒。更木も手を出さないと知って京楽は胸をなでおろす。
ただあの様子ではその殺し合いが楽しすぎて、更木が来月までじっとしていられないだろうねと
さくらに教えた。
「それでですか。うーん…私も
武礼も嬉しいですが、なかなか都合がつかなくて…」
それにしても一年以上付き合っている弟は勿論、隊長格でさえあの荒くれた霊圧を受け流すのは厄介なのに、
さくらが動じないのは驚きだ。
朽木との斬術指導で更木の霊圧にも耐えられるだけになっていた
さくらはそれを誰にも話してはいないのだから、京楽が静かに驚くのも無理はなかった。
12
その翌日は一角と弓親が八番隊を訪れた。
「
天宝院。ちょっといいか?」
今まで更木は
武礼を月に一度ぐらいの頻度で誘っていたが、これからは週に二~三度はやりたいのだと聞かされた。
京楽に教えられていなければそこまで時間を作るのは難しいと即答できなかったであろうが、一角達もそれを承知で現れたようである。
殺し合いは無理でも、更木と話をしたり会って欲しいと頼まれた。
「まぁ…それぐらいなら……」
仕事終わりに会うぐらいならできると返事をすると、早速会いたいとお声がかかった。
しかし定時上がりとはいえ、夕食後に会うとなると日も短い冬場では真っ暗だ。
あまり初めて人を招くに相応しい時間帯とは言えないが、それほどまでに更木が交流を望んでくれるのは平隊士には光栄である。
「寒くねえか?」
風呂にも入り、髪を下した更木が二人を出迎える。
招かれた隊首室には暖を入れてくれてあるし座布団も防寒の為であろう。
「酒の肴はこんなモンでいいか?」
更木は普段肴を口にしないが、
武礼に酒は勧められないので口寂しくないように多い目に用意してある。酒も冷めないよう、一本ずつ出してくれる気の配りようだ。
「お注ぎします」
「お前にそんな事させる為に呼んでんじゃねえよ」
さくらが酌を申し出ると、更木は拒んだ。
殿方にお酌をするのは女の務めというより、ごく当たり前の事として育ってきた
さくらには強い拒絶に感じる。
意気消沈している
さくらに、
武礼は小声で「…多分、更木隊長は手酌でいいんだよ」と囁いた。
「……」
手酌の方がいいなんて、想像さえできない
さくらは更木を観察する。
その視線を誤解したのだろう。
「おい姉貴。…その髪、似合ってるじゃねーか」
「ありがとうございます」
更木にこの髪形は好評なようだ。
13
「姉貴。霊圧が無ぇってのは…どんな感じだ?」
くいっと猪口の中の酒を一飲みすると、ただの魂魄になった気分など誰もが知りたくとも話題にできないのに更木はサラリと問うてくる。
「無気力、無力…絶望さえ感じず、現状に流されて……今すぐにでも霊子になってしまいそうでした」
そんななか、皆で帰隊するという目標が支えてくれた。副隊長と一緒でなければ、心は保てなかっただろう。
「そうか……。なら、霊圧(チカラ)を持て余して退屈してる方がマシだな…」
苦笑した更木は再び酒に口をつけた。
「更木隊長はどうして弟のお相手をしてくださるのですか?」
「ああ?」
「だって、ご自身より弱い相手ではつまらないのでしょう?」
「――姉貴だってのに、わかんねえのかよ?」
「わかりません」
「そうか……」
ゆるりと更木の手が伸びてくる。
「それは、お前も強えからだな」
「?」
更木は
さくらの顎を掴んだ。
「お前も弟も、俺に怯
(ひる)まねーだろ」
こうして触れても…と言いたかったのだろうが、男に顎を持たれるなど初めての
さくらには驚きの方が強かった。
「弟(ソイツ)は斬られても負けてもぶん投げられても吹っ飛ばされても、何度でも立ち上がる。立ち向かってくる。あれは負けたくないとか強くなりてーとかじゃねえ。戦うのが、面白ぇからじゃねーのか?」
「「…………」」
「でもって。戦うのが面白ぇ奴は、強ぇからそう思うんだ。弱けりゃ上手く逃げる方法でも考えるんじゃねーか?」
更木は暫く
さくらの手触りを楽しむと、再び酒を手にした。
14
「ま、お前らが俺の言葉を信じられねーのは仕方ねえな。けどお前らが側にいると、それだけでワクワクするんだ。心が沸き立つ」
メチャクチャな霊圧で鬼のような形相。普段は髪も逆立てて攻撃的なのに、子供みたいに笑って言う。
「貴族…上級貴族なんて、弱ぇクセに俺を見下した目で見る奴しかいねーってのによ…」
その呟きは、
さくら達は違うと言いたかったのだろう。
「貴族も、更木隊長と元は変わりませんよ?」
「……本気で言ってんのか?」
手の中の猪口を一瞬止め、真顔で
さくらに問うた。
「虚に対し戦う意思を持つ者が尸魂界に現れ、魂魄を護る為に瀞霊廷を築き上げました。次第に人間と同じく生を生み出し瀞霊廷内で魂が循環するようになった―――と、言われています」
「…俺にはそれが、“元は変わらねー”とは繋がらねえ」
「…郛外区、流魂街の民が瀞霊廷を築き人間と同じ営みを始めたという意味です。霊圧がある更木隊長なら、子を作り次の世代に繋いでいける。更木隊長は新たなる貴族の始祖なのです」
「んな簡単になれんのかよ?貴族によ」
「勿論二十数代も続いてきた四大貴族ほどの歴史にはそう簡単に追いつけません。ですが、誰でも始祖から歴史は始まっているのです」
「ハッ、面白れぇ女だ」
止まっていた盃をくいっと飲み干した。それから燗徳利を覗くと酒が残ってなかったので「おい」と隊首室の外の者に追加を頼む。
「姉貴。いや、
さくら。俺は無知で無学だ。ここまで力だけでのし上がったし、それを変えるつもりもねー。それでも…貴族になれんのか?」
「護廷十三隊隊長格は上級貴族と同等の地位です。後は瀞霊廷維持の為に貢献――多くの場合は金品の投資をしていただく事になります」
現に大前田家はそうして貴族に成り上がった。
15
「…なんだ。貴族ってのは金を払うのかよ?」
「そうです。また資産に応じて屋敷に雇用する人数も決められております」
「屋敷…家買って他人も雇う必要、あんのか」
「はい。貴族は民を養う義務があります」
「…………」
今まで貴族は偉そうにふんぞり返っていればいいだけだと思っていたが、そうではないらしい。
「面倒くせーんだな、貴族ってのはよ」
少しだけ、四大貴族が一の当主である朽木白哉がつまらなさそうに見える理由がわかった。
貴族に憧れもない。羨ましいとも思っていない。なのに何故か朽木が気にかかるのは、気に食わないからだと思っていたのだが……。
さくらの説明で初めて、ご立派なお貴族様にも枷や義務があると知った。
そんな事に礼を言う更木ではなかったが「夜更かしは肌によくないよ」とさらりと髪を手で流しながら現れた弓親によって会話はそこで途切れた。
「邪魔すんな…と言いたいところだが、もうこんな時間か…。遅くまで付き合わせて悪かったな。
弓親、八番隊まで送れ」
「いえ、そんな…」
「お前が居ると戦いは楽しいし酒も旨ぇ。また、来いよ?」
来てくれなくなったら困るという口調だ。
鋭い眼光に似合わずかわいいなぁと口元を綻ばせて
さくらは綺麗な返事をした。
それから二人して畳に両手をついて更木に礼を述べ静かに立ち上がる。
「
武礼」
隊首室を一歩出た途端に声を掛けられ、二人共振り返る。
「いい姉貴だ」
「はい」
それが別れの言葉であるかのように、更木は二人を見送った。
16
十番隊を過ぎ九番隊付近まで来ると、弓親が後ろの二人に聞こえるように呟いた。
「そもそも弟が一緒なのに、僕が送る必要ある?」
「はい、私も思ったのですが…」
「冗談だよ。更木隊長が精一杯紳士ぶってるんだから、僕も協力しないとね」
「紳士…」
武礼と二人、闇の中で顔を見合わせる。
「あの隊長が女性と長時間話せるなんて、奇跡だよ」
「……そんなに、女性は苦手なのですか?」
「苦手っていうか。戦いから程遠いっていうか、正反対というか…対局にあるのが女性だと思ってるんだよね」
まぁ、僕としては美しく戦ってくれるなら文句はないんだけどという弓親の独り言が終わると
武礼が口を開いた。
「更木隊長は…男性は破壊を好み、女性は守り育てるのを好むっていう意識ですか?」
「そうそう。僕みたいに美意識が高いだけで毛嫌いされちゃう」
確かに流魂街出身の十一番隊席官という点を除いても、弓親は美意識が高い方であろう。
「君は生還する為に髪切っちゃったよね。辛くなかった?」
「はい」
「僕なら美しいものが減るのは堪えられないよ」
「綾瀬川五席に私の髪が美しいと仰っていただけて光栄です。ですが、短くしただけですから」
僅かな灯りでしか
さくらの微笑は確かめられないが、それが本心からの言葉だと弓親には伝わったのだろう。
「…ふぅん…。戦いでの傷は男の勲章。君には髪を切ったのも、そういう感じかな。美しいね」
「当然の事と受け止めておりますが、お褒めの言葉は嬉しゅうございます」
「…僕も初めて、強さと美しさが両立するって素直に認められたよ」
ちらりと流し目を送る弓親に、
さくらは褒められた喜びを素直に表した。
17
こうして八番隊に平和が戻った。
戻ったとは言っても何かにつけて十一番隊に来て欲しくて
さくらにつまらぬ用事を頼みこんで来るようになったが、どの道誰かが書類の受け渡し等をせねばならないのだから仕事が円滑に進められるようになったと喜ぶべきであろう。
寧ろ最近は十二番隊から
さくらを指名しての用件が減った為、
さくらが特別忙しくなることもなかった。
それから十日程経ち、定例隊首会の日。
心なしか、更木がいつもより真剣に山本の話を聞いているように京楽には見受けられた。
更木がつまらねーだの退屈だの言わないだけでも大きな変化だ。
閉会すると涅はいつもの如く「私は実験に忙しいと言うのに。一々一番隊に集合して会議を開くのは時代遅れだヨ」と愚痴ると足早に姿を消した。
今日はほぼ隊順に退室しているから更木のツンツン頭を遠くに眺めながら、京楽も八番隊隊舎に戻る。
浮竹はもうすぐ誕生日である日番谷にプレゼントは何がいいかと訊ねるが何も要らねーと言う日番谷の返事を全く聞いていないところまでは会話も聞こえたが、もう二人の声も聞こえないほど離れてしまった。
どうせ聞こえても、浮竹の独断と偏見による大きなプレゼントを20日に日番谷が受け取らなければならない事実は変わらない。
四番隊を過ぎる頃には狛村も東仙も視界から消えていた。
五番隊隊舎に入る手前で藍染が軽く手を上げて別れの挨拶をしたのを肩越しに見た京楽は、編み笠にちょいと手を掛けて挨拶を返すと前に向き直った。
六番隊まで来たが朽木はわざわざ挨拶などしないタイプなので、京楽もそのまま八番隊へ帰るつもりであったが……。
「あ、隊長。おかえりなさいませ」
さくらは京楽に対し言ったのだが、朽木は勿論更木までもが反応した。
さくらは
武礼のところに遊びに行くところだ。
それも遅番の弟が出仕して、阿散井にそろそろ茶を頼まれる頃合いを見計らって来たのだろう。
18
「なんだ、
さくら。休みなら十一番隊(オレ)んトコに来い」
「ぁ、更木隊長」
隊首会お疲れさまでしたと背後から声をかけてきた更木に挨拶をし、今日は隊内非番で弟は遅番なんですと
さくらが返事をする。
「ああ?此処が六番隊か?」
更木がキョロキョロと周囲を見渡すので、
さくらは冗談でも言っているのだろうと笑って相手をする。
実は朽木が周囲に結界を張らせている為、更木は六番隊にも近寄れないのだ。
しかし
さくらは勿論、京楽も更木もそんな事とは露とも知らない。
まさか更木除けが
さくらとの会話の種になるとは思いもしなかった朽木は苦虫を噛み潰す思いだが、表情には出さなかった。
「
さくら。本日も遊びに参ったか」
代わりに、私と
さくらの親密な仲を邪魔するなという意味を込めて話しかけた。
「朽木隊長。お邪魔させていただきます」
それに対し、
さくらが両手を揃えて深々とお辞儀をする。
その瞬間、京楽には更木と朽木の視線に火花が散ったのが確かに見えた。
さくらと更木の縁は遠まわしに自分が繋いでしまったようなもの。
さくら、
さくらと馴れ馴れしい更木に朽木が苛立つ本当の理由は知らずとも、
武礼との関係を自慢し合い始め、衝突しかねない状況になった。
追い打ちをかけたのは、更木の「今は
さくらがもっと俺を楽しませてくれてるぜ」という科白である。
朽木が今、斬魄刀を所持していなくて良かった。それでも一発触発。もう誰にも止められない――――と緊張の走った瞬間。
「…っくしゅん!」
さくらが小さめのくしゃみをした。
「なんだ、風邪か?」
さくらに視線を向けた更木の霊圧が、フッと和らいだ。
「
さくらちゃん。通路は寒いから冷えちゃったんだね」
京楽が歩み寄りながら女物の着物をするりと肩から落とし、
さくらに羽織らせた。
と同時に、朽木が銀白風花紗を
さくらの衿元に巻く。
「ほぁぁぁ、隊長方の大切な―――」
「構わぬ」「いいから、いいから」
上級貴族の女性に対する振る舞いに、更木は敵わなかった。
19
「はは。それで修羅場にならずに済んだのか」
「…全然笑い事じゃあないよ、浮竹ェ」
四日前の出来事を、八番隊隊舎を訪れた浮竹は隊首室に着くまでに聞き終えて笑った。
「更木隊長を扱えるなんて、たいした子だな。
さくらは」
「全く。しかも本人が無自覚なのが怖いよ」
京楽が袖に手を入れて、天井を仰ぐ。
「お。噂をすれば影だぞ」
浮竹が中庭を挟んだその先に視線をやったので京楽もそちらを見ると、
さくらと
武礼が軒先で日向ぼっこをしている。
しかも……。
「…何、してるの?」
さくら達のいる反対側に周り、通路に座っている二人に問うた。
「あ、隊長。
武礼と、日向ぼっこです」
「口を開けて?」
「こうするとおひさまのぬくもりが沁みて温かい気がするんです」
今度は
武礼が京楽の問いに答えた。
「へえ…。そいじゃあ僕もやってみようかな」
さくらの隣を京楽は陣取り、胡坐をかく。
偶然触れた京楽の膝がお日様より温かくてドキドキしているのを悟られないよう、
さくらはちょっと俯いた。
20
口の中に陽射しを入れるなど、京楽も初めてだ。
「あー。なんだか体に良さそう?浮竹もやってみなよ」
さくら達の前に突っ立っている浮竹にも促すが、見れば
さくらより俯いて小刻みに震えている。
「浮竹?」
「浮竹隊長?」
「浮竹隊長、具合がお悪いのですか?」
さくらの問いに浮竹は首を左右に振ったが、顔は上げなかった。
「―――あ。ああ、アレね。って言うか、この二人ね」
コクリと頷くところを見ると、京楽の言うアレ。つまりは自分達が原因のようだ。
しかし、一体何が…?と
さくらが
武礼と顔を見合わせる。
「か…っ、かわいいじゃないかあああああ!」
堪えきれずにに浮竹が、頬を紅潮させてはしゃぐ。
更には京楽が止めようとしたが一歩遅く、がばあっと両手で
武礼諸共抱えられ頬擦りされる。
浮竹隊長は小さくて可愛いくて、それが二つ揃っていると殊更愛着を示すとは聞いていた。
しかしまさか、自分達がその対象に見られようとは……。
さくらが
武礼と同じ髪型にして暫く経っていたが、浮竹が二人揃って目の当たりにしたのは今日が初めてだったのだ。
「浮竹ェ…。そろそろ
さくらちゃん、放してくんないかな?」
弟はいいから
さくらちゃんだけはと言いたげに、京楽がよこしなさいと手を広げる。
「嗚呼、食べてしまいたいほどに可愛いな!」
こんなことで喜ぶ浮竹隊長のほうが可愛いですと言いたかったが、二人共暫く浮竹の腕から逃れる事は叶わなかった。
デンファレの花言葉:「わがままな美人」「お似合いのふたり」「魅惑」「有能」
************************************************更新が遅くなり申し訳ございません。日番谷隊長どころか浮竹隊長のお誕生日も過ぎちゃいました。
言い訳はありません。単に忙しくて書く時間がありませんでしたぁ!←開き直り?
今回は危険な任務もなく穏やかに終わる――はずが、ちょっと任務より危険な状況でした。主に隊長が(笑)。
「魅惑」と「有能」は
さくら様のことだとして。「お似合いのふたり」って?お似合いというよりお揃いのふたりだけど弟クンとってことでいいかと採用しました。
「わがままな美人」は…美人と言えば朽木隊長だよねーと思っていたのですが、最後に浮竹隊長に持ってかれた感があります。
もう少しやりたい事があったのですが、今は手が回らずこれで公開します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
2020.12.30
百花繚乱 風⋆花⋆雪⋆月