護廷十三隊の規律を明文化したものは
存在しないに等しい。
並居る死神達を一括りにできるものではないし、各隊ごとに隊長の意向が反映されるを良しとしている以上、
隊長が歩く規律と言っても過言ではない。
しかしどこの隊であろうと、席官なら兎も角
平隊員が夜、女を連れ込むということは褒められたことではない。
通常ならば、そう咎められるだろう。
特に六番隊隊長なら名門貴族の跡取りには相応しい行動ではないと言い放つことだろう。
武礼は特別であった。
それは主席だからでも
名門貴族の出だからでもなかった。
連れ込んだ相手が
姉だったからである。
1
夜の六番隊隊舎の庭で、弟に寄り添いながら皆の話を真剣に聞いている。
死覇装でも女性専用の桃色の救護着でもなく、寝間着に薄手の羽織物姿。
湯上りの蒸気が消えた後も、体から漂うほのかな香りを纏っていた。
勿論そんな彼女の近くを陣取れたのは席官だけだったが、
どんな話にも興味を示し、まっすぐに話す相手を見つめる
さくらに皆
紳士的な態度を終始崩さなかった。
2
姉がつっと軽く瞼を擦ったのを、
武礼は見逃さなかった。
「眠くなってきた?」
さくらは
武礼に暫く目を閉じてみせた。
二人の間ではまだ眠りたくはないが眠いという表現らしい。
武礼はいつでも会えるからと囁き、
さくらを四番隊まで送り届けることにした。
「…オイ」
「なあ…」
「あ、ああ…」
二人の姿が見えなくなると、
さくらの周りを取り囲んでいた席官達は見間違いじゃないよなと目配せをした。
3
「腰巻、つけてねー」
「
武礼も褌(フンドシ)…」
「いや、アイツはどうでもいいって!」
その後も暫し、六番隊の夜が桜色に染まっていたのは言うまでもない。
武礼が隊舎に戻ってくると、前で朽木隊長に出くわした。
「こんな時間に、どうしたのだ?」
隊長はどこかへ出かけていた帰りだったのだろうか。
「…姉が遊びに来ておりまして、たった今四番隊へ送り届けた次第です」
阿散井副隊長は、姉の件を隊長には話さなかったのかと少し訝(いぶか)りながらも答えた。
4
「貴様の部屋に、来ておったのか」
部屋は教えたが、その後は
武礼への説明も兼ねて六番隊隊舎を一通り阿散井副隊長に案内してもらっていた。
「あ、いえ…話をしていたのは庭です」
「何故、庭なのだ?」
隊長の矢継ぎ早に繰り出される質問に
武礼も少したじろいだ。
「雅趣に富んだ庭だと、姉が言うものですから―――――」
朽木の唇が暫し閉ざされたままだった。
武礼は、この隊長に問いただされるのも怖いが沈黙は更に怖いと感じた。
5
「……宿舎の庭は、何と?」
あのう――まだ入隊したばかりで、自分自身宿舎の場所を把握するのがやっとの状態ですがと言いたいのを呑み込み、姉はまだ六番隊宿舎がどこにあるかも存じませんと答えた。
「では、明日にでも招くがよい」
こんな時、
武礼は何と返答するのが良いのか知るほど大人ではなかった。
しかしこれは厚意だと受け取り、遅ればせながらも謝辞を述べた。
朽木はそれを聞くと、すたすたと隊舎へ向かった。
これがこの男の満足気な態度であるとは、まだ
武礼は知る由(よし)もなかった。
→Writer's notE→→
************************************************はい、すいません。
さくら様はお風呂上がりはノーパンでございますぅ。( ̄□ ̄;)
父様の意向により、就寝時は全員ノーパン家族なのです。
朽木隊長ドリームのはずが後書きは勿論本編さえも、ずうっと設定話ですね。
そろそろ
さくら様も青筋立てていらっしゃいますか?
いえ、怒らせるつもりはなかったのです。
どうしても朽木隊長=ヒロイン誕生話になってしまうだけなんです。
次からはちゃんと
さくら様と朽木隊長が絡みますので、見捨てないで頂けると有難いです。
天宝院さくらでした。φ(..)
朽木隊長 風⋆花⋆雪⋆月