REBORN
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怪我をした。
「大丈夫ですか⁉」
「クフフ、何のことです?」
先のセリフからも分かるだろうが、“私が”ではない。怪我をしたのは骸。彼なのだが――。
「『何のことです?』じゃなくて!!怪我は?傷は……」
ツナからこの話を聞き、全速力で彼のいる部屋まで駆けてきたこともあり、私の息は上がっている。苦しさよりも心配の気持ちが大きく、怪我の位置を確認しようと彼の周りをくるくると回る。
「……ない?」
「えぇ。幻覚です」
いくら周りを回ろうと、怪我どころか服の汚れさえ見当たらない。疑問符を浮かべれば、腹が立つほどの良い笑顔で『幻覚だ』と言い出した。
――通りで微笑ましいような目で見てるなと思えば……。
怒りでだろう。握り締めた拳がぷるぷると震えている。『あぁ、駄目だ』と思ったときには遅かった。
「こんのバカがーっ!!」
拳を抑えきれずに、骸の腹部へ飛んでいった。
――悪かったかな。
そんな言葉がちらりと頭を過る。だが、直ぐ様その考えを吹き飛ばした。低いうめき声が聞こえたけれど、知るものか。
話を聞いてから、ここに来るまでどれだけ心配したか。怪我の具合や様子、『最悪のことがあったら』とぐるぐる考えが巡っていくほど焦っていた。
「本当に……何かあったらどうしようって……」
大丈夫だったという安堵と先程までの焦りが相まって、感情はオーバーラインを溢れている。そんな感情が涙となり、じわじわと存在を示していく。
――あぁ、駄目だ。こんなところで泣けない……。
零れ落ちるのを阻止しようと、既のところで耐える。必死に目に力を入れていれば、ぐいと引っ張られた腕。骸に引き寄せられたかと思えば、リップ音を立てて下睫毛に浮かぶ水滴にキスをする。右、左と水滴にキスをされたと思えば、水の中にいたような視界はクリアになっていた。間近で見えるオッドアイが、申し訳無さそうに伏せられる。
「瑠奈からそんなに心配されるとは思っていませんでした。すいません」
「……やだ。絶対許さないから」
まるで駄々をこねる子供のように、骸の首に腕を回す。少しでも、彼の体温で安心したくて。
「では、お姫様に許してもらえるように考えるとしましょうか」
「お姫様って……何か、サムイ。もうそんな年齢じゃないし」
「今、甘い雰囲気じゃないんですか⁉」
「気の所為じゃない?」
そう言いながらも骸から離れないでいるのは、やはり彼が好きだから。
「……無事でいてくれて、ありがとう」
聞こえないかもしれない。それでも良いと、小さく彼へと呟いた。