ハイキュー
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「あぁもう……音駒戦、見てるこっちがハラハラする」
今日は、烏野対音駒戦。観戦に来ているのだが、手に汗握る戦いでずっと心臓が落ち着かない。楽に勝てる相手ではないとわかってはいるけれど。
「まぁ、そうだろうね」
「負けんなツッキー!!」
横で見ている赤葦と木兎さん。東京がよくわからなくて、ここに来るまで迷子になっていた。そこで助けてくれたのがこの二人だったのだけれど、移動中に意気投合し、赤葦とは同じ学年ということもあって一緒に見ることになった。
「黒尾さんも、蛍を煽ってるんだろうなぁって思うし」
「それは同感。月島の顔、すごいことになってるし」
「ね。……あ、忠ピンチサーバーだ」
今日観戦に来たのは、幼馴染の二人を見に来たのが大きい。蛍と忠。学年は違うけれど、蛍と家が近所なこともあって、昔からよく話していた。忠も蛍繋がりで知り合って、それからの仲だ。そんな二人を見られるなら、宮城から東京までなんのその。迷子にはなったが――。
「黒尾さんと月島、よく喋ってるね」
「本当に、仲良しだなーってえぇぇぇ!サービスエース!!忠ーっ!すごいよー!!」
見ていれば、ボールが体育館の床を強く叩く音が響いた。そして、それに気付けば嬉しさが込み上げて思わず叫んでいた。忠がずっと頑張っていたことを知っているから、なおのこと嬉しかったのかもしれない。
「あ、手振ってるよ。……と、月島中心に烏野からの視線が」
声は届いていたらしい。ひらひらと手を振ってくれた忠に全力で手を振り返す。横にいた赤葦は、何故か少し苦笑いだったが。
「もういっぽーん!」
サーブが打たれ、どんどんと繋がっていくボールに目を奪われる。
――どうなるんだろう。
落ちないボールにわくわくした気持ちもあるけれど、『決まってほしい』と強く願うのも確か。そうして見ている内に、手に弾かれたボールが床を跳ねた。
『こぉこでブロックー!!正に流れを作る一本ー!!』
流れた放送に、わっと上がる歓声。蛍が決めた一本だった。
「けーい!すごいよー!!」
「うわはは!見たか!ウチのツッキーを!!」
「月島はウチのじゃないです木兎さん」
「そうですよ!蛍は私のなんで!」
「え?」
「え?」
先程の歓声に溢れた会場は何処へやら。しんと静まった会場に、今何を言ったかと思い出すが該当しない。蛍は私の学校の所属だから、間違ったことは言っていないはずだ。
「……え?何この空気。何か変なこと言いました?」
「……いや、何も」
哀れみの籠もった視線が投げかけられるけれど、何故なのか。すっきりとしない気持ちもあるけれど、ひとまず目の前の試合を引き続き楽しむことにした。
そして、コート上では舌戦が繰り広げられていた。
「おや?ツッキー、お顔真っ赤じゃない」
「ちょっと黙ってもらえます?」
「いやー、『私の』って宣言してもらえて良かったねぇ」
「だから黙ってください。……そういう意味じゃないの、わかってるんで」
「そういう意味になる日はいつですかー?」
「もう放っといてください!」
にやにやと笑う黒尾からの、一方的なものではあったが。