魔法使いの約束
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「ここ、何処……?」
住んでいる村から森を通り、いつものように街へ買い出しに行くはずだった。それが突如として、いつもの道がすっと消えてしまい、迷い込んだのが幾らか前のこと。右に行けども左に行けども、見えるのは深く生い茂った木々ばかり。上を見上げても、見えるのは木々の隙間から見える青空のみだ。
そうして思わず呟いた言葉だったのだけれど、『何処か別の場所に飛ばされたのではないのか』と思う程に見覚えが無い場所。
――早く買い物に行って、暗くなる前に帰りたかったのに……。
ここの森は、『暗くなれば猪が出る』という話をよく聞いていた。だからこそ、早い内に家を出たというのに。木々に囲まれていては、どうしようも出来ない。途方に暮れていれば、ふわりと香ったパイプをふかした匂い。
「大丈夫ですか?お嬢さん」
匂いと一緒に聞こえた声の方を向けば、そこに立っていたのはバーテンダーのような方だ。
――近くにバーも無いし、こんな何もない村外れまで来ることだって無いはずなのに。何でこんなところに……。
つい、訝しげな視線を向けてしまった。だが、彼は怒るでもなくにこりと笑った顔を崩さない。
「どうやら、手を貸す必要は無いようですね。それでは……」
「あ!待ってください!!」
前言撤回。怒っていた。というより、見捨てられそうだった。思わず掴んだ彼のストールを引き寄せれば、にこりとした表情は変わらないように見えるものの、空気が些か冷えた気がした。
「……何か?」
「あの、助けてもらえませんか?」
「不審なバーテンダーに頼まずとも、きっと解決出来ますよ」
――バレていた……。
『怪しい』とは思っていた。それに対して、態度を露わにしてしまったであろうことも。心配して声をかけてくれた相手に対して、そのような態度だったのだ。彼が背を向けようとしたのも当然だろう。けれど、ここで会えたのは彼だけ。となると、助けてもらえるのは今だけかもしれない。
「あんな態度を取ってしまってごめんなさい。でも、ここから出られなくて……」
「……そうでしょうね。〈大いなる厄災〉の影響で、空間が歪んでしまったようですから」
出られないことが『当たり前だ』とでも言うように、彼はパイプをふかしている。それにしても、驚いたのは――。
「これ、〈大いなる厄災〉のせいなんですか?」
「えぇ。そうですよ」
「何で、あなたは知って……」
そこまで言って、はたと気付く。〈大いなる厄災〉の影響で被害が出ることはある。外傷があれば、私でも気付いていただろう。けれど、私は気付かなかったのに彼は気付いた。それに、『空間』という認識出来ないことを彼は認知していた。
「もしかして……魔法使いさんですか?」
「えぇ。まぁ……」
少し言いにくそうに顔を伏せた彼の手を思わず取る。きっと、彼とは反対に私の表情は輝いていることだろう。
「魔法使いさん初めて見ました!!わぁ……感動だなぁ……」
村に来ることも定住することもない魔法使いさん。街に行ったとき、噂には聞いていたけれど、生きている内に会うことはきっと無いだろうとずっと思っていた。それが目の前にいるというのだから、心は昂る。
「あなたの前にいるのは、悪い魔法使いかもしれませんよ?」
「いえ、きっと良い人ですよ。じゃないと、最初に『大丈夫ですか?』なんて聞きません。あ、珍しい服装の人がいると思って、不審な目を向けてしまったのはすいません……」
そこまで伝えれば、くすくすと笑い出す。何かおかしかっただろうかと疑問符が浮かぶけれど、何がかはわからずにいた。
「……ひとまず、ここから出ましょうか」
「助けてくださるんですか?」
「『助けてください』と言ったのはあなたでしょうに」
何処か愉快そうに言っては、続いた《インヴィーベル》という彼の言葉によって甘い香りが漂った。そして気付けば、辺りはいつもの森の姿。
「ありがとうございます!!助かりました!」
「どういたしまして」
初めて見た魔法使いさん、それから魔法に心が躍る。嬉しさと心のままにぶんぶんと掴んだ手を上下させれば、苦笑を浮かべられてしまったけれど。
「あ……お礼。お礼させてください!!」
「言葉なら、今頂きましたよ」
「違います!言葉だけじゃなくて……そうだ、収穫した葡萄をお渡しします!」
「葡萄、ですか?」
言葉だけでなく、何か物を送りたかった。その中でふと思い浮かんだのが、今朝家を出る前に収穫した葡萄だ。魔法使いさんも気になってくれたのか、耳を傾けてくれている。
「あ、服装からお酒が好きなのかと思って……。葡萄ならお酒にも出来ますし」
「えぇ、そうですね」
「良かった!明日、またここに来てください。その時にお渡ししますから」
そう告げて、持っていた懐中時計を見れば既に良い時間。早く街へ行かなければ。
「それじゃ、私はこれで……。ありがとうございました!」
足早にその場を去ろうと駆け出せば、後ろから呼び止められる。
「嘘つきでいい加減な魔法使いですし、明日は来ないかもしれませんよ?」
「それでも、私は待っていますから。魔法使いさんに助けられたことが本当に嬉しかったんです!」
「そうですか……。私はシャイロックです。『魔法使いさん』ではありません」
名前を教えてくれた嬉しさに心が温かくなって、自然と声に熱が乗る。
「シャイロックさん!私はルーリエです!!また明日!!今日はありがとうございました!」
そして今度こそ、振り返らずに街に向いて走っていく。ほわほわと浮かれた気持ちをそのままに、良いことがあったと喜びに満ちながら駆けた足取りはとても軽かった。
「あ、やっぱり来てくれたんですね!」
「……やっぱり帰りましょうか」
「そんな意地悪言わないでくださいよ!」
翌日、少し不安に思いながらも葡萄の入った箱を手に森へ行く。
――彼は来てくれるかな……。
ドキドキと響く鼓動と共に、森の奥へと入ればそこにいたのは昨日と同様にパイプをふかしているシャイロックさんだった。見てわかるほどに、喜んでいたことだろう。仮に、シャイロックさんが来なくても待ち続けるつもりではいたけれど、こうして来てくれたことがとても喜ばしい。
「これ、昨日お伝えしていた葡萄です。私の一推しなんですよ!」
「この辺りの葡萄は美味しいと聞いていましたが、良い物ですね。ありがとうございます」
箱の中の葡萄を見て、そう伝えてくれた。手間隙かけて作った葡萄なのだ。そう言ってもらえて、嬉しくないわけがない。
「いえ、お礼ですから。あ、また良ければ貰ってください!時期なので、たくさん採れるんですよ」
「……では、ルーリエにはこの葡萄で作ったワインでもお渡ししましょうか」
「本当ですか⁉今から楽しみですね!」
自分の作った葡萄からワインを作ってもらえる。それだけでも舞い上がるようだったのに、再び彼と会える歓喜な心もそこにあって。きっと、魔法使いさんと会えることが嬉しいのだと、この時の私は信じていた。
あれから幾らか時を重ね、もう季節が一巡りしようとしている。何度もシャイロックさんと過ごしたけれど、彼以外の魔法使いさんを見たことがない。何時だったか、彼に聞いたことがあった。『何故いつも一人なのか』と。
「さぁ……どうしてでしょうね」
そう言う彼が、寂しそうで何かを諦めているように見えて、思わず言った。
「私が側にいるのはダメですか?」
シャイロックさんに、そんな顔をさせたくなくて。前のめりになりながら、彼の近くにいたいのだと。
「あなたはここの住人です。そして、私は魔法使い。いずれはすれ違うものですよ」
「だけど……人だとしても、側にいることは出来るはずです!」
「……ルーリエを連れては行けません」
嬉しそうな顔をしたと思えば、突き放される。『何故』という疑問は付き纏えども、きっとシャイロックさんは答えてくれないだろう。
「じゃあ……それじゃあ、こうして森に来てくれたときは、必ずシャイロックさんに会いに来ます!!それに時が経ったって、私はシャイロックさんを忘れません!約束です!!」
「……魔法使いは約束をしません」
悲しそうに首を振る彼は、何を思っていたのだろう。何を言えば、彼にそんな顔をさせずに済んだのだろう。疑問が疑問を呼び、尽きることなく浮かぶそれらを振り払うように叫んだ。
「それでも良いんです!」
驚く彼をそのままに、ゆっくりと呼吸を繰り返し、その後に小さく呟いた言葉は彼に届いたのかはわからない。けれど、それでも良かった。私が決意しただけのことだったのだから。
そして続いた時間も、もう一年が経とうとしている。重ねた時間で、彼をより知ることが出来た。仲良くなれたと思う。だからこそ、『出会った記念だ』と彼は今日、送った葡萄で作ったワインを持って来てくれると言ってくれたのだろうから。それもまた楽しみだった。
「よし」
シャイロックさんと食べようと思い、作ってみたサンドウィッチを籠に入れて家を出る。――いや、出ようとした。
「いった……」
突き飛ばされ、押し戻された家の中。尻餅をつき、よろよろと起き上がれば、そこにいたのは村の人達だった。
「何が……」
「ルーリエ、魔法使いのところに行くつもりか?」
「え?」
隣の家の人が問いかける。今まで言われたことがなかったことだ。
――どうして、今になって……?
「まさか、村の者が魔法使いと関わっていたなんて……」
「こんなところにまで魔法使いが来るとは……」
「何も知らない女の子を狙うだなんてな」
「騙すのが魔法使いのやり口だからさ」
好き勝手に吐かれる暴言や中傷。自らに向けられたものでないとはいえ、共に過ごした人が悪く言われている。心を深く刺されたようだ。じくじくと痛んで、苦しくなる。それを止めたくて、違うんだと否定したくて、立ち上がり詰め寄った。
「魔法使いさんだとか関係ない!どうしてそんなこと言うの⁉シャイロックさんは私を助けてくれたし、これまでだってシャイロックさんとは過ごしてきた!!良くしてきてくれた人よ⁉なのに、何で……!」
涙を零さないよう耐えれば言葉が詰まる。
――どうしてわかってくれないの?
その気持ちだけが、ぐるぐると私の中を回っていく。『魔法使いだから』と一歩引いたところはあるけれど、あんなにも良い人に酷い言葉を向けてほしくなかった。『少しでも気持ちをわかってほしい』と思って吐いた言葉も、冷ややかな視線で村の人達は言うのだ。
「そうは言っても魔法使いだろう?」
「庇う必要が何処にある」
私がどれだけ言葉を連ねようと、村の人達には届かないのか。ドンと再び押し戻され、家の中へよろけながら崩れ落ちる。胸を覆い尽くす程の絶望にも似た暗い靄を感じながら、ぽそりと呟く。
「なら、どうして今まで魔法使いさんの話が村で出なかったの……?否定的じゃないからじゃないの……?」
街で聞いていたからこそ、彼等の存在は知っていたけれど、シャイロックさんと会う以前に、これまで一度も村で魔法使いさんの話を聞いたことは無かった。これ程までに厭悪しているのに、だ。知っていれば、少なからずシャイロックさんと近くで会うことは控えただろう。
「奴等はここに近寄ることが無いからさ」
「小さな何も無い村だからね」
「せっかく穏やかに過ごしていたのに、あの魔法使いのせいで台無しだ!!」
「話題に出すことすらしたくなかったのに、いい迷惑だわ」
「人を騙す魔法使いに価値なんかあるものか!」
話すのを躊躇う程に、嫌っていた。そんな事実が、抉るかのように私の心を傷付けていく。そして、更に追い打ちをかけるかのように、一人の女性が私と目線を合わせる為にしゃがみ込む。
「ルーリエも魔法使いに騙されたのよ。可哀想に……」
「可哀想なんかじゃ……」
「さぁ、あんな魔法使いは追い返しましょう」
私の手を取り、彼女が握らせたのは怪しく輝くナイフ。いやに煌めいていて恐ろしくて、ナイフを落としそうになるけれど、それが許されるわけもなく。更に強く、握る形になってしまった。
「大丈夫だ。ナイフを翳して『ここには来るな』と言えばいい」
「傷付けたって魔法が使えるんだもの。どうとでもなるわ」
「そうだ!やってしまえ!!」
生まれてから過ごして来た村で、ずっと優しい人達だと思っていた。
――大好きな、人達だったのに……。
次々と紡がれる心無い言葉が鋭く尖り、胸に刺さって抜けない。耐えていた涙がぽろりと零れ落ちる。人と違うと言うだけで、こんなにも人が変わるものなのかと心で嘆くも何も言えず。ナイフを持ったまま、『待ち合わせだろう』と見送られた。煌めき、輝いたナイフが私の心と裏腹に迷いがない程に綺麗で、更に気分を沈ませた。
「遅かったですね」
「ちょっと、色々あって……」
予定の時刻より遅れてしまった待ち合わせ。シャイロックさんと視線を合わせることが出来ず、すっと逸らせば目に入ったのは自らが持っている籠の中。作ったサンドウィッチは、ぐちゃぐちゃになってしまって置いてきた。代わりに入っている、鋭いナイフがそこでキラリと存在を放つだけ。『いつ使うのだ』と出番を待ち侘びられているようだ。
「……ルーリエもですか」
「え……?」
眉尻を下げながら、シャイロックさんがこちらを見据える。聞き返せば、指差されたのは持っている籠。
「中に、入っているんでしょう?」
「あ……何で……」
「……さぁ、何故でしょう」
そう言ったシャイロックさんの笑顔は、辛いものだった。そっとナイフを取り、震える手で構える。
「魔法使いさんは騙す人だからって。お前は、騙されたんだって……」
「……えぇ、そうですね」
頷く彼に、言ってしまいそうになる。『どうしてそんな嘘を言うの』と。けれど違う。彼にそう言わせてしまっているのは、ナイフを握った私自身だ。
『やってしまえ』と村の人は言った。『追い返せ』と村の人は言った。『私達を騙す存在だ』と、言った。だけれど、私の中に満ちている記憶は、シャイロックさんと過ごした優しいものばかり。溢れてきた涙は、彼との思い出の数だ。
「そんなわけがないのに……シャイロックさんは良い人なのに……。魔法使いさんだとか、関係ないのに……!」
『出来ない』と口をついて出た言葉。それと共に、カランと音を立ててナイフが手から滑り落ちた。近くへ来るシャイロックさんが見える。
「私、どうにかみんなを説得する……。今回は言葉が届かなかったけど、『シャイロックさんはそんな人じゃない』って言い続ければ……きっとシャイロックさんもずっと一緒に……!!」
「あなたという人は、本当に……」
頬に手を添えられ、甘く疼く胸。微笑む彼を見ているのが好きだ。それは、これからも変わらないだろう。
「かわいらしい方……。ここで、お別れです」
「……お別れ?どうして――」
「《インヴィーベル》」
彼の言葉を聞くと同時に襲い来る睡魔。遠くでキラリと光った何かも見えなくなった。
――瞼を閉じてしまえば、もう彼と会えなくなってしまう。
そんな気がして必死に耐えるけれど、重くなってくる瞼はもう意識を暗闇に誘おうとしている。
「シャ……クさ…………まだ……言って……な…………」
「あなたと、共に酒を飲んでみたかったですね」
手を包んでくれる温かく大きな手と、手の甲や手首に感じた柔らかな感触。
――まだ、シャイロックさんに言ってないことがあるのに……。
そう思いながら、彼の声を最後に意識を手放した。
「おい、ルーリエ!大丈夫か⁉」
「……ここは?」
かけられた声に浮上した意識。明るくなった視界に見えたのは、こちらを覗き込む村の人達。
「村の近くの森だ。ここで倒れてたんだ」
「それにしたって、みんな何でこんな森で倒れてるんだ?」
「ちょっと先に弓を持ってるやつもいたぞ」
「猪でも出たのか?」
起き上がれば、周囲にいる村の人達。買い出しに行く時間でもないというのに、どうして森にいたのかも覚えていない。
「あれ……?」
起き上がった手に握られたワインボトル。見覚えが無いもので、ラベルを見る為にくるりと回す。使われた葡萄が村から採れたものだということ、そして村の名前が書かれているラベル。そして、端の方に書かれた『あなたの幸せを願っています』という言葉。
「どうして、涙が……」
誰が書いてくれたのかはわからない。けれど、その文字が優しくて、何かがぽっかりと空いてしまった心の穴を埋めてくれるかのようで。文字を指でなぞっては、涙がぽたり、ぽたりと零れ落ちる。
「おい、大丈夫か?」
「どこか痛むの?」
「違うんです。何故かは、わからないけど……涙が……」
このワインが“何か”はわからない。だとしても、きっと大切な“何か”なはずだから。
「私、これから家で採れた葡萄をワインにしたいです。それで、色んな人にこの味を知ってもらえると良いなって」
抱き締めたワインボトルを抱き締め、決意する。これから、私がやりたいことを。
「良いわね!手伝うわよ」
「力仕事なら俺も協力するよ」
「みんなでやってみようぜ」
「ありがとうございます!」
帰ったらワインの栓を開けてみよう。きっと、芳醇な香りがすることだろう。どうやって作られたのか、何がきっかけだったのかはわからないけれど、優しい味がするのだろうと何処かで理解していた。
「きっと……良いワインを作るよ」
誰に向けて言った言葉ではないけれど、応援してくれるかのように風がふわりと通り過ぎた。
調査をしに向かう途中、眼下にある小さな村を見つけた。
「シャイロック?あの村知ってるんですか?」
あまりにも見入っていたのだろうか。箒の後ろに乗る賢者様に尋ねられ、過去に思いを馳せる。少しの間、足繁く通った森に囲まれ、爛漫な笑顔で笑う彼女がいた村。記憶に残る、甘く芳しく、そしてほろ苦さのあるそれは――。
「えぇ。酒の美味しいところですよ」
美酒のようなそれは、もう味わうこともないだろう。あの方は、私を覚えていないのだから。
「へぇ……行ってみたいですね!」
「いつか、機会があれば」
嬉しそうな賢者様には悪いけれど、そのような日が来ることがないことは、誰よりもわかっている。
――長い生涯の内の、ある一幕に過ぎないというのに。
そうは思っていても、時々フッと頭を過っていくのは、いつしか彼女が言った言葉だ。
「良いことがあったところなんですか?」
「何故です?」
「とても優しそうな顔をしてますよ」
そんなにも、顔に出るほどだっただろうか。思い出としては一瞬で、最後の後味は到底良いものではなかったけれど、束の間の酔いに浸れた。忘れられない、快楽のような一時。
「さぁ、どうでしょうか」
その言葉を最後に、村から目を逸らし青空の先へと飛んでいった。
「……魔法使いは約束をしません」
「それでも良いんです!
……私が、守りたい約束ですから」