2日目
おなまえ
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2日目:午後
昼食を終えて個室に戻ってきた私は、本当の意味での自由時間を手に入れたにも関わらずそれをただ持て余していた。
午前中にもう王馬くんと過ごすノルマを達成したわけだから、今からの時間は完全にフリー。
でも誰と過ごしたいかなんて考えても、そもそも出会って間もない人ばかりの状態で思いつくはずがなかった。
どうしようかなぁと寄宿舎の前をブラブラ歩いていると、前方から最原くんがやって来た。
「みょうじさん、良かったら一緒にどうかな」
「うん、いいよ」
そのままの流れで中庭を散歩することになった。
男の子って苦手だけど、最原くんはあんまり男っぽくないからか平気かもしれない。
本人に知られるとかなり失礼なことだとは思うけど、思うだけだからどうか許して欲しい。
「そういえば、昨日は大丈夫だった?」
「大丈夫って…何が?」
「その、王馬くんと一緒だったから…」
最原くんは言いにくそうにもごもごとそう話した。
確かに初対面から王馬くんは王馬くんのままだったから、私は苦手だなぁという気持ちを隠すことなく表情に出していたと思う。
それを見て、心配してくれていたということだろうか。
じーんと胸のところに暖かい気持ちが広がる。
「大丈夫だったよ、ありがとう」
「そっか、良かった」
「すごく変な人だったけどね」
「あぁ…それは何となく想像がつくよ」
眉を下げて困ったような笑顔を浮かべた最原くんは、やっぱり本当に男の子なの?と言いたくなるくらい綺麗な顔をしていた。
「こんな可愛い子が女の子なはずがない…ってか…」
「えっと…何を言ってるの?」
「う、ううん!なんでもないの、独り言!」
最原くんは不思議そうに首を傾げていたけどそれ以上追求してくることはなかった。
うっかり口から思考が漏れるなんて、王馬くんの前でやらかしたら馬鹿にされてたな。
いや、最原くんも内心では馬鹿にしてるかもしれないけど。
うーん…やっぱそんなことないか、優しそうだし。
「っ、あはは…」
「へ?私なんか変な顔してた?」
「いや、ごめん。独り言が聞こえてきちゃって」
「うわぁ、忘れてください…!」
最原くんはくすくす笑っている。
どこから声に出していたのか分からないけど、またやってしまったと思い私は顔を赤くしながら俯いた。
「そういえば、午前中はどうしてたの?」
「あー…えっと、王馬くんといた」
「えっ…?そうなんだ、仲良くなったんだね」
「あははー…どうだろう、遊ばれてるだけじゃないかなぁ」
変に誤魔化すのもどうかと思って正直に応えると、意外だったようで驚いたような反応をされた。
断じて仲良くはないのだが、それを言ってしまうと卒業する時に影響があるかもしれないから堪えた。
まだ2日目だから仲良くなるも何も無いだろうとも思うけれど。
「最原くんは午前中何してたの?」
「僕は赤松さんといたよ」
「あぁ、最初に目を覚ました時一緒の教室にいたんだっけ?」
「うん。まだ他の人のことをよく知らない分、そういう何か繋がりがある人にどうしても足が向いちゃって」
「急に仲良くしろなんて言われても難しいもんね」
「本当にね」
聞けば最原くんもあまり異性とどうこうという経験が少ないらしい。
私と違って特別な苦手意識はないようだが、何をどうすればいいか分からない状態というのは私にも覚えがあって親近感が湧いた。
でも…物腰穏やかだし綺麗な顔だし、かなり万人受けしそうな気がする。
よく知らないのに最原くんなら大丈夫、なんて根拠もなく励ますようなことはしないけど、他メンバーに変わった人が多いから普通にしていれば引く手数多なんじゃないか?
その後も他愛ない話をして過ごした。
特別盛り上がるようなことはなかったけど、かと言って退屈なわけでもなく穏やかな時間だった。午前中とは大違いだ。
夕食後にカジノで出会った時、手を振ったら笑顔で振り返して貰えるくらいには仲良くなることができた。
「カジノのゲームって難しい…」
「ふふ、私は今日結構勝ったよ!ほら」
「わ、すごい。赤松さん才能あるんじゃない?」
モノリスに挑戦していると、同じゲームを遊んでいた赤松さんと自然と会話が始まった。
デートチケット3枚分くらいのコインしか持っていない私に対し、赤松さんの手持ちは数え切れないくらいの量になっている。
どうも同じゲームを始める前にスロットで当てたらしい。
「こんなにあるから何かと交換しようかなー」
「そういえばデートチケット以外に何があるのか、ちゃんと見たことなかったかも」
「私も。でもガチャガチャより結構良さげなものがあるらしいよ。見に行こっか」
赤松さんと2人で交換所に行き、カウンターに貼ってあるリストを眺める。
景品の名前の横に説明書きがあるけれど、結局のところどんなものなのか分からないのが大半だった。
「こんなに種類あったんだ」
「あ!これちょっと欲しいかも!」
赤松さんが指したのはハイエンドヘッドホン。
コイン2000枚…今の私には絶対無理だ。
「むむ…ちょっと足りない」
「今何枚持ってるの?」
「1500枚くらい」
「あー、惜しいのかどうなのか微妙なラインだね」
赤松さんはもう少しだけゲームして稼ごうかなぁと迷っていたけど、結局今日は諦めることにしたらしい。
2000枚ってやっぱり高い方なのかな、と思ってリストを見れば、文字通り桁が違う景品があることに気がつく。
「うわ、何これ。コイン10000枚だって」
「愛の鍵…?なんか説明書きもよく分からないし、なんでこんなに高いんだろうね」
見本イラストを見てもただの鍵にしか思えない。
本当になんでこんなに飛び抜けて高いんだろう。
そう思っていると、どこからともなくモノクマがやって来て意味深なことを言い始めた。
「うぷぷ…その鍵はね、ある場所に入ることができる鍵なんだ」
「ある場所?」
「それがどこなのかは交換してからのお楽しみ。でも面白い体験が出来ることは間違いないよ!…次の日には忘れちゃうけどね」
「え、全然意味が分からないよ」
続きは自分の目で確かめよう!エクストリーム!
と言ってやけにテンションの高いモノクマはどこかへ行ってしまった。
自分の目で確かめろなんて、あんな怪しさ満点の言葉につられて交換する人なんているんだろうか。
そう思いながら赤松さんを見ると、意外とそういう謎めいたことに弱いみたいで興味津々な反応をしていた。
「聞いた?面白い体験だって。えー、でも10000枚かぁ」
「赤松さん興味あるんだね」
「ちょっと怖い気もするけど、気になるが勝っちゃうかも」
「…私は怖いが勝つなぁ」
赤松さんって結構、好奇心旺盛なところあるんだなぁ。
一通りリストを見終わった後、どうやってコインを10000枚貯めるかという作戦を一緒に考えながら寄宿舎へと戻った。
昼食を終えて個室に戻ってきた私は、本当の意味での自由時間を手に入れたにも関わらずそれをただ持て余していた。
午前中にもう王馬くんと過ごすノルマを達成したわけだから、今からの時間は完全にフリー。
でも誰と過ごしたいかなんて考えても、そもそも出会って間もない人ばかりの状態で思いつくはずがなかった。
どうしようかなぁと寄宿舎の前をブラブラ歩いていると、前方から最原くんがやって来た。
「みょうじさん、良かったら一緒にどうかな」
「うん、いいよ」
そのままの流れで中庭を散歩することになった。
男の子って苦手だけど、最原くんはあんまり男っぽくないからか平気かもしれない。
本人に知られるとかなり失礼なことだとは思うけど、思うだけだからどうか許して欲しい。
「そういえば、昨日は大丈夫だった?」
「大丈夫って…何が?」
「その、王馬くんと一緒だったから…」
最原くんは言いにくそうにもごもごとそう話した。
確かに初対面から王馬くんは王馬くんのままだったから、私は苦手だなぁという気持ちを隠すことなく表情に出していたと思う。
それを見て、心配してくれていたということだろうか。
じーんと胸のところに暖かい気持ちが広がる。
「大丈夫だったよ、ありがとう」
「そっか、良かった」
「すごく変な人だったけどね」
「あぁ…それは何となく想像がつくよ」
眉を下げて困ったような笑顔を浮かべた最原くんは、やっぱり本当に男の子なの?と言いたくなるくらい綺麗な顔をしていた。
「こんな可愛い子が女の子なはずがない…ってか…」
「えっと…何を言ってるの?」
「う、ううん!なんでもないの、独り言!」
最原くんは不思議そうに首を傾げていたけどそれ以上追求してくることはなかった。
うっかり口から思考が漏れるなんて、王馬くんの前でやらかしたら馬鹿にされてたな。
いや、最原くんも内心では馬鹿にしてるかもしれないけど。
うーん…やっぱそんなことないか、優しそうだし。
「っ、あはは…」
「へ?私なんか変な顔してた?」
「いや、ごめん。独り言が聞こえてきちゃって」
「うわぁ、忘れてください…!」
最原くんはくすくす笑っている。
どこから声に出していたのか分からないけど、またやってしまったと思い私は顔を赤くしながら俯いた。
「そういえば、午前中はどうしてたの?」
「あー…えっと、王馬くんといた」
「えっ…?そうなんだ、仲良くなったんだね」
「あははー…どうだろう、遊ばれてるだけじゃないかなぁ」
変に誤魔化すのもどうかと思って正直に応えると、意外だったようで驚いたような反応をされた。
断じて仲良くはないのだが、それを言ってしまうと卒業する時に影響があるかもしれないから堪えた。
まだ2日目だから仲良くなるも何も無いだろうとも思うけれど。
「最原くんは午前中何してたの?」
「僕は赤松さんといたよ」
「あぁ、最初に目を覚ました時一緒の教室にいたんだっけ?」
「うん。まだ他の人のことをよく知らない分、そういう何か繋がりがある人にどうしても足が向いちゃって」
「急に仲良くしろなんて言われても難しいもんね」
「本当にね」
聞けば最原くんもあまり異性とどうこうという経験が少ないらしい。
私と違って特別な苦手意識はないようだが、何をどうすればいいか分からない状態というのは私にも覚えがあって親近感が湧いた。
でも…物腰穏やかだし綺麗な顔だし、かなり万人受けしそうな気がする。
よく知らないのに最原くんなら大丈夫、なんて根拠もなく励ますようなことはしないけど、他メンバーに変わった人が多いから普通にしていれば引く手数多なんじゃないか?
その後も他愛ない話をして過ごした。
特別盛り上がるようなことはなかったけど、かと言って退屈なわけでもなく穏やかな時間だった。午前中とは大違いだ。
夕食後にカジノで出会った時、手を振ったら笑顔で振り返して貰えるくらいには仲良くなることができた。
「カジノのゲームって難しい…」
「ふふ、私は今日結構勝ったよ!ほら」
「わ、すごい。赤松さん才能あるんじゃない?」
モノリスに挑戦していると、同じゲームを遊んでいた赤松さんと自然と会話が始まった。
デートチケット3枚分くらいのコインしか持っていない私に対し、赤松さんの手持ちは数え切れないくらいの量になっている。
どうも同じゲームを始める前にスロットで当てたらしい。
「こんなにあるから何かと交換しようかなー」
「そういえばデートチケット以外に何があるのか、ちゃんと見たことなかったかも」
「私も。でもガチャガチャより結構良さげなものがあるらしいよ。見に行こっか」
赤松さんと2人で交換所に行き、カウンターに貼ってあるリストを眺める。
景品の名前の横に説明書きがあるけれど、結局のところどんなものなのか分からないのが大半だった。
「こんなに種類あったんだ」
「あ!これちょっと欲しいかも!」
赤松さんが指したのはハイエンドヘッドホン。
コイン2000枚…今の私には絶対無理だ。
「むむ…ちょっと足りない」
「今何枚持ってるの?」
「1500枚くらい」
「あー、惜しいのかどうなのか微妙なラインだね」
赤松さんはもう少しだけゲームして稼ごうかなぁと迷っていたけど、結局今日は諦めることにしたらしい。
2000枚ってやっぱり高い方なのかな、と思ってリストを見れば、文字通り桁が違う景品があることに気がつく。
「うわ、何これ。コイン10000枚だって」
「愛の鍵…?なんか説明書きもよく分からないし、なんでこんなに高いんだろうね」
見本イラストを見てもただの鍵にしか思えない。
本当になんでこんなに飛び抜けて高いんだろう。
そう思っていると、どこからともなくモノクマがやって来て意味深なことを言い始めた。
「うぷぷ…その鍵はね、ある場所に入ることができる鍵なんだ」
「ある場所?」
「それがどこなのかは交換してからのお楽しみ。でも面白い体験が出来ることは間違いないよ!…次の日には忘れちゃうけどね」
「え、全然意味が分からないよ」
続きは自分の目で確かめよう!エクストリーム!
と言ってやけにテンションの高いモノクマはどこかへ行ってしまった。
自分の目で確かめろなんて、あんな怪しさ満点の言葉につられて交換する人なんているんだろうか。
そう思いながら赤松さんを見ると、意外とそういう謎めいたことに弱いみたいで興味津々な反応をしていた。
「聞いた?面白い体験だって。えー、でも10000枚かぁ」
「赤松さん興味あるんだね」
「ちょっと怖い気もするけど、気になるが勝っちゃうかも」
「…私は怖いが勝つなぁ」
赤松さんって結構、好奇心旺盛なところあるんだなぁ。
一通りリストを見終わった後、どうやってコインを10000枚貯めるかという作戦を一緒に考えながら寄宿舎へと戻った。
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