本編【全16話】
おなまえ
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獄原くんととばっちり
※ゴン太視点
「あ、ゴン太くん!ちょうど良かったよー」
「みょうじさん?ゴン太に何か用事?あ、お手伝いなら何でも言ってね!ゴン太、頑張るよ!」
中庭で日課の虫さん探しをしている時、校舎の方からやってきたみょうじさんに声をかけられた。
なんだかゴン太を探してくれていたみたい。
どんなお手伝いだろうとワクワクしていると、みょうじさんは手に持っていた袋をゴン太に差し出した。
「ふふ、今日はお手伝いじゃないんだー。これ、ケーキを作った時のフルーツの切り落とし部分なんだけど…小さいし虫さんにあげるのにいいかなと思って持ってきたんだ」
「わぁ…ありがとう!きっと虫さんも喜んでくれるよ!」
渡された袋を開けると、色とりどりのフルーツの欠片が入っていてとても綺麗だった。
新鮮でみずみずしい輝きを放つそれを見ていると、一刻も早く虫さんたちに渡してあげたくてうずうずしてくる。
「良かったー。フルーツを使ったお菓子を作った時はまた持ってくるね」
「うん、ありがとう!ゴン太とっても嬉しいよ!」
「…そういえば、ゴン太くんはここで何してたの?」
「日課の虫さん探しだよ!…でも、見つけられたことはないんだけどね。あ、美味しそうなフルーツがあれば虫さんたち来てくれるかな?」
「ふふ、せっかくだからやってみよっかー」
みょうじさんはまた校舎に戻って、何枚か紙皿を取ってきてくれた。
ゴン太はその上に少しずつフルーツを置いて、虫さんが来てくれそうな場所に設置する。
ここではどんな虫さんに会えるかな。
「見つけられるといいねー」
「うん、でも…もし見つけられなくても、虫さんが美味しく食べてくれてたらゴン太はそれで嬉しいよ」
「ゴン太くんは優しいね」
「ゴン太は紳士だからね!紳士はみんなに優しくするものなんだ!」
「そうだねー、ゴン太くんはすごい紳士さんだよねー」
そう言ってみょうじさんは笑いかけてくれた。
ゴン太、ちゃんと紳士になれてたのかな?
そう思うとなんだか嬉しくなってくる。
紙皿の近くにいても虫さんが近づきにくいかも、ということでゴン太たちは食堂外のテラスに来た。
えっと、こういう時はたしか…。
ゴン太は先にテーブルに近寄り、椅子を引いてみょうじさんに座ってもらうよう促す。
少しびっくりしたような顔をしてたけど、すぐにニコニコ笑いながらそこに座ってくれた。
「ふふふ、ゴン太くんありがとう」
「どういたしまして!…でも、どうしてそんなに笑ってるの?ゴン太、何か間違えちゃったかな?」
「ごめんね、何でもないよ。映画とかドラマに出てくる紳士みたいだなーって思って」
「よかった!この前図書館で勉強したばかりなんだ!」
「さすがゴン太くん、いつも一生懸命だもんねー」
そのままお話をしながら、途中でみょうじさんが作ってくれたお菓子を食べたりもして楽しく過ごした。
少し日が落ち始めた頃、そろそろ様子を見てみようということで紙皿を置いた箇所を回ってみたけど、虫さんはどこにもいない。
「やっぱり…ここには虫さんはいないのかな…」
「でもまだあと1箇所残ってるよ!ほら、ゴン太くんあっち………あっ!」
みょうじさんが落ち込むゴン太を引っ張って紙皿を置いた最後の場所に向かう。
少し先にそのポイントが見えてきたあたりで、隣からなにかに気がついたような声が聞こえてきた。
「みょうじさん?どうしたの?」
「ゴン太くん、あれ!」
指されるがままそちらを見ると、置いてある紙皿の近くに人影がいた。
「あれ…王馬くん?」
「ふふ。虫さんには会えなかったけど、王馬くんとは会えたね」
「あはは、そうだね」
不思議そうに紙皿を見ている王馬くんを見ながら、みょうじさんにつられてゴン太も笑ってしまった。
その声に気づいた王馬くんが、これまた不思議そうにこちらに近づいてくる。
「あれ、2人とも何笑ってんの?」
「ふふふ、なんでもないよー。ね、ゴン太くん」
「そうだね、なんでもないよ王馬くん!」
「えー?それ絶対嘘じゃん!教えてよー!」
結局今日も虫さんは見つからなかったけど、なんだかとても楽しい気持ちになれた。
仲間外れにされたと拗ねる王馬くんをみょうじさんと一緒に宥めながら、またこんな日が過ごせたらいいなとゴン太は思った。
※ゴン太視点
「あ、ゴン太くん!ちょうど良かったよー」
「みょうじさん?ゴン太に何か用事?あ、お手伝いなら何でも言ってね!ゴン太、頑張るよ!」
中庭で日課の虫さん探しをしている時、校舎の方からやってきたみょうじさんに声をかけられた。
なんだかゴン太を探してくれていたみたい。
どんなお手伝いだろうとワクワクしていると、みょうじさんは手に持っていた袋をゴン太に差し出した。
「ふふ、今日はお手伝いじゃないんだー。これ、ケーキを作った時のフルーツの切り落とし部分なんだけど…小さいし虫さんにあげるのにいいかなと思って持ってきたんだ」
「わぁ…ありがとう!きっと虫さんも喜んでくれるよ!」
渡された袋を開けると、色とりどりのフルーツの欠片が入っていてとても綺麗だった。
新鮮でみずみずしい輝きを放つそれを見ていると、一刻も早く虫さんたちに渡してあげたくてうずうずしてくる。
「良かったー。フルーツを使ったお菓子を作った時はまた持ってくるね」
「うん、ありがとう!ゴン太とっても嬉しいよ!」
「…そういえば、ゴン太くんはここで何してたの?」
「日課の虫さん探しだよ!…でも、見つけられたことはないんだけどね。あ、美味しそうなフルーツがあれば虫さんたち来てくれるかな?」
「ふふ、せっかくだからやってみよっかー」
みょうじさんはまた校舎に戻って、何枚か紙皿を取ってきてくれた。
ゴン太はその上に少しずつフルーツを置いて、虫さんが来てくれそうな場所に設置する。
ここではどんな虫さんに会えるかな。
「見つけられるといいねー」
「うん、でも…もし見つけられなくても、虫さんが美味しく食べてくれてたらゴン太はそれで嬉しいよ」
「ゴン太くんは優しいね」
「ゴン太は紳士だからね!紳士はみんなに優しくするものなんだ!」
「そうだねー、ゴン太くんはすごい紳士さんだよねー」
そう言ってみょうじさんは笑いかけてくれた。
ゴン太、ちゃんと紳士になれてたのかな?
そう思うとなんだか嬉しくなってくる。
紙皿の近くにいても虫さんが近づきにくいかも、ということでゴン太たちは食堂外のテラスに来た。
えっと、こういう時はたしか…。
ゴン太は先にテーブルに近寄り、椅子を引いてみょうじさんに座ってもらうよう促す。
少しびっくりしたような顔をしてたけど、すぐにニコニコ笑いながらそこに座ってくれた。
「ふふふ、ゴン太くんありがとう」
「どういたしまして!…でも、どうしてそんなに笑ってるの?ゴン太、何か間違えちゃったかな?」
「ごめんね、何でもないよ。映画とかドラマに出てくる紳士みたいだなーって思って」
「よかった!この前図書館で勉強したばかりなんだ!」
「さすがゴン太くん、いつも一生懸命だもんねー」
そのままお話をしながら、途中でみょうじさんが作ってくれたお菓子を食べたりもして楽しく過ごした。
少し日が落ち始めた頃、そろそろ様子を見てみようということで紙皿を置いた箇所を回ってみたけど、虫さんはどこにもいない。
「やっぱり…ここには虫さんはいないのかな…」
「でもまだあと1箇所残ってるよ!ほら、ゴン太くんあっち………あっ!」
みょうじさんが落ち込むゴン太を引っ張って紙皿を置いた最後の場所に向かう。
少し先にそのポイントが見えてきたあたりで、隣からなにかに気がついたような声が聞こえてきた。
「みょうじさん?どうしたの?」
「ゴン太くん、あれ!」
指されるがままそちらを見ると、置いてある紙皿の近くに人影がいた。
「あれ…王馬くん?」
「ふふ。虫さんには会えなかったけど、王馬くんとは会えたね」
「あはは、そうだね」
不思議そうに紙皿を見ている王馬くんを見ながら、みょうじさんにつられてゴン太も笑ってしまった。
その声に気づいた王馬くんが、これまた不思議そうにこちらに近づいてくる。
「あれ、2人とも何笑ってんの?」
「ふふふ、なんでもないよー。ね、ゴン太くん」
「そうだね、なんでもないよ王馬くん!」
「えー?それ絶対嘘じゃん!教えてよー!」
結局今日も虫さんは見つからなかったけど、なんだかとても楽しい気持ちになれた。
仲間外れにされたと拗ねる王馬くんをみょうじさんと一緒に宥めながら、またこんな日が過ごせたらいいなとゴン太は思った。