本編【全16話】
おなまえ
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夢野さんととばっちり
※夢野視点
ウチはマジシャンではない、魔法使いじゃ。
ほとんどの者はそうやすやすと信じてはくれぬが、今ウチの目の前にいるこやつは違う。
「夢野さんすごーい!えーっとこれは…そうだ、空間転移魔法だよね!」
「そうじゃ!みょうじはなかなか筋がいいのぅ。弟子にしてやってもよいぞ?」
「ふふふ、私にも魔法使えるようになるかなぁ」
「んあー…お主からは微力ながらマナに似た力を感じるからのぅ、磨いてみれば意外と光るかもしれんな」
みょうじは時折、魔法が見たい!とウチの元へやって来ては毎回新鮮なリアクションで喜んでくれる珍しい人間じゃ。
ただでさえ高校生くらいになると人間は可愛げがなくなっていくからのぅ、これくらい素直な者がいるとウチも魔法の使いがいがある。
こんな風に思える相手はこやつとゴン太くらいなものじゃ。
「どんな魔法なら私にも出来るかなー。ねぇ、夢野さんのおすすめは?」
「んあ?そうじゃな…透視魔法なんかが初心者向けで良いと思うぞ」
「透視かぁ。ふふ、魔法にも初心者向けってあるんだねぇ」
「もちろんじゃ。まずは失敗しても身の危険がないところから始めるのが良いな。日々の修行の積み重ねが大魔法の習得への一番の近道じゃぞ。…これは魔法以外にも言えることじゃがな」
「言われてみればそうかも…なんでも最初は基礎からだもんねー。私も頑張って魔法使えるようになるぞー」
みょうじはどこまでも純粋で、ウチにとっては観客であり弟子であり友じゃ。
なんだか和むのぅ。
こういう時間はめんどくなくて良いなー。
じゃが、いつもこういう時に限って邪魔が入るのもお約束じゃ。
「みょうじちゃん、だーれだ!」
みょうじの背後からやって来た何者かが目隠しをし、そのような声をかける。
そんな呼び方をするのは1人だけなんじゃから、ほとんど答えを言っておるようなものじゃろうに。
「えー?そんなのいくら私でも分かるよ、王馬くんでしょー?」
「ぶっぶー!ハズレだよー!」
どこがハズレなんじゃ、思いっきり当たりじゃろう。
上機嫌に嘘をつく王馬を見ながらウチは心の中でそう呟いた。
「えっ本当!?えーとえーと……んー?でもこの手の感じは王馬くんだと思うんだけど…」
みょうじはみょうじで本気で悩み始めたようじゃ。
面白いやつじゃが、いつも王馬のおもちゃにされてるのはちと不憫じゃのぅ。
本人が楽しそうじゃからそれでも良いのかもしれんが。
「にしし、嘘だよー!みょうじちゃん大正解!」
「ふふ、もー。いっぱい考えたのにー」
「いいじゃん!その調子でもっとオレのこと考えててよ!」
「王馬くんのこと?ふふ、ちゃんと考えてるのにー」
「たはー!照れちゃうなー!ま、嘘だけどね!」
…んあ?
なんじゃ今のは。何か、こう…こやつらから甘酸っぱいオーラのようなものが見えてきたような気がするが…気のせいじゃろうか。
「お、お主ら…」
「んー?夢野ちゃんいたんだ?」
「ずっとここにおったわい!それよりなんじゃ、その…お主らはそういう仲じゃったのか?」
「そういう仲…?」
「夢野ちゃん夢野ちゃん、そんな言い方じゃみょうじちゃんには伝わらないよ」
「んあー!それであれば王馬が答えれば良い話じゃろう!」
「にしし、やーだよ!夢野ちゃんみたいなちっちゃい子にはまだ早いからね!」
「ウチはお主と同い年じゃー!」
「え、え?王馬くんは分かってるの?ねぇ2人とも何の話ー?」
結局王馬にはのらりくらりと話をかわされ、真意は分からず終いじゃった。
みょうじのあの感じからすると…あれは王馬も前途多難かのぅ。
ちょっとした青春ドラマでも見たような気持ちになりながら、その日ウチは今後の展開を勝手に予想しながら眠りについた。
※夢野視点
ウチはマジシャンではない、魔法使いじゃ。
ほとんどの者はそうやすやすと信じてはくれぬが、今ウチの目の前にいるこやつは違う。
「夢野さんすごーい!えーっとこれは…そうだ、空間転移魔法だよね!」
「そうじゃ!みょうじはなかなか筋がいいのぅ。弟子にしてやってもよいぞ?」
「ふふふ、私にも魔法使えるようになるかなぁ」
「んあー…お主からは微力ながらマナに似た力を感じるからのぅ、磨いてみれば意外と光るかもしれんな」
みょうじは時折、魔法が見たい!とウチの元へやって来ては毎回新鮮なリアクションで喜んでくれる珍しい人間じゃ。
ただでさえ高校生くらいになると人間は可愛げがなくなっていくからのぅ、これくらい素直な者がいるとウチも魔法の使いがいがある。
こんな風に思える相手はこやつとゴン太くらいなものじゃ。
「どんな魔法なら私にも出来るかなー。ねぇ、夢野さんのおすすめは?」
「んあ?そうじゃな…透視魔法なんかが初心者向けで良いと思うぞ」
「透視かぁ。ふふ、魔法にも初心者向けってあるんだねぇ」
「もちろんじゃ。まずは失敗しても身の危険がないところから始めるのが良いな。日々の修行の積み重ねが大魔法の習得への一番の近道じゃぞ。…これは魔法以外にも言えることじゃがな」
「言われてみればそうかも…なんでも最初は基礎からだもんねー。私も頑張って魔法使えるようになるぞー」
みょうじはどこまでも純粋で、ウチにとっては観客であり弟子であり友じゃ。
なんだか和むのぅ。
こういう時間はめんどくなくて良いなー。
じゃが、いつもこういう時に限って邪魔が入るのもお約束じゃ。
「みょうじちゃん、だーれだ!」
みょうじの背後からやって来た何者かが目隠しをし、そのような声をかける。
そんな呼び方をするのは1人だけなんじゃから、ほとんど答えを言っておるようなものじゃろうに。
「えー?そんなのいくら私でも分かるよ、王馬くんでしょー?」
「ぶっぶー!ハズレだよー!」
どこがハズレなんじゃ、思いっきり当たりじゃろう。
上機嫌に嘘をつく王馬を見ながらウチは心の中でそう呟いた。
「えっ本当!?えーとえーと……んー?でもこの手の感じは王馬くんだと思うんだけど…」
みょうじはみょうじで本気で悩み始めたようじゃ。
面白いやつじゃが、いつも王馬のおもちゃにされてるのはちと不憫じゃのぅ。
本人が楽しそうじゃからそれでも良いのかもしれんが。
「にしし、嘘だよー!みょうじちゃん大正解!」
「ふふ、もー。いっぱい考えたのにー」
「いいじゃん!その調子でもっとオレのこと考えててよ!」
「王馬くんのこと?ふふ、ちゃんと考えてるのにー」
「たはー!照れちゃうなー!ま、嘘だけどね!」
…んあ?
なんじゃ今のは。何か、こう…こやつらから甘酸っぱいオーラのようなものが見えてきたような気がするが…気のせいじゃろうか。
「お、お主ら…」
「んー?夢野ちゃんいたんだ?」
「ずっとここにおったわい!それよりなんじゃ、その…お主らはそういう仲じゃったのか?」
「そういう仲…?」
「夢野ちゃん夢野ちゃん、そんな言い方じゃみょうじちゃんには伝わらないよ」
「んあー!それであれば王馬が答えれば良い話じゃろう!」
「にしし、やーだよ!夢野ちゃんみたいなちっちゃい子にはまだ早いからね!」
「ウチはお主と同い年じゃー!」
「え、え?王馬くんは分かってるの?ねぇ2人とも何の話ー?」
結局王馬にはのらりくらりと話をかわされ、真意は分からず終いじゃった。
みょうじのあの感じからすると…あれは王馬も前途多難かのぅ。
ちょっとした青春ドラマでも見たような気持ちになりながら、その日ウチは今後の展開を勝手に予想しながら眠りについた。