本編【全16話】
おなまえ
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茶柱さんととばっちり
※茶柱視点
はぁ…今日は夢野さんに予定があるからとお誘いを断られてしまいました。
転子はこれから何をエネルギーにして生きていけばよいのでしょう。
とぼとぼと廊下を歩いていると、前方からみょうじさんと王馬さんがやって来ました。
「あ、茶柱さんだー!」
「みょうじさん、こんにちは!今日は…王馬さんとお出かけですか?」
「うん、そうだよー。食堂でお茶するんだー」
はっきり言って心配です。
男死達のなかでもよりによって王馬さんだなんて。
純粋で綺麗なみょうじさんが汚されてしまう…そんなことを考えていると、王馬さんが転子を見ていつものようにニヤリと笑っていました。不快です。
「そうだ、茶柱さんも一緒にどう?王馬くんもいいよねー?」
「んー?オレは別にいいよ!茶柱ちゃんがオレと一緒の空間に耐えられるならだけどね!」
「うぐっ…」
みょうじさんからのお誘いはすぐにでも受け入れたいのですが…王馬さんと一緒というのは気が進みません。
きっとそんな転子の思いを見破っているのでしょう、王馬さんはまるで転子が断ることを確信しているような気がしてきます。
転子は…転子は…、みょうじさんをお守りしなくては!
「もちろんご一緒させて下さい!他でもないみょうじさんのお誘いですからね、転子には断る理由がありませんよ!」
「わーい、賑やかになるねー」
「にしし、さすがみょうじちゃん人望あるー」
王馬さんの動向に気を配りながら食堂へ到着すると、みょうじさんはお菓子を用意してくると言い退室してしまいました。
待ってください、彼と2人でなんて…!
手伝いを申し入れましたが大した重さではないからと辞退され、泣く泣く王馬さんの向かいの席に座ります。
「茶柱ちゃん、なんでそんなに不満そうなの?そんなにオレのこと嫌い?なんだか悲しくなってきちゃうなー」
「それはどうせ嘘なんでしょう?あなたのやり口は分かっています」
「たはー!バレちった!」
「大体あなたはいつもみょうじさんの周りをちょろちょろと…少しは自重して下さい!みょうじさんはあなたと違って心の綺麗な女子なんですよ!悪影響がないか心配です!」
「ひどいなー。別にオレはみょうじちゃんに何か悪いことしようだなんて企んでないのにー」
王馬さんは不満そうに唇を尖らせています。
この方はよく嘘をつくので、これもそうなのではないかという疑念が拭えません。
「あ、今オレのこと疑ってるでしょ?信じてくれないなんて酷いよ…うっ…」
「はぁ…分かりましたからその嘘泣きはやめて下さい」
「ホント?じゃあ信じてくれるの?」
「…今のところ非道なことをしていないのはみょうじさんの様子から事実のようですし、少なくともこれまでのことは信じましょう」
「わーい!茶柱ちゃんってちょろ…あ、間違えた優しいねー!」
「ぬがあああ!なんですか!前言撤回です!やはりあなたのような人は信用できません!あなたのような人がみょうじさんと仲が良いなど…転子は認められません!」
少しでも気を許しそうになった転子が馬鹿でした。
そう思ったのですが、王馬さんはそれまでの茶化した表情をやめていつになく真剣な顔をしています。
「それは困っちゃうなぁ。オレ、みょうじちゃんにはみんなから祝福される幸せを味わってもらいたいんだよね」
「はい…?」
言葉の意味が分かりません。
何故そこでみょうじさんの幸せの話になるんでしょうか?
転子が固まっていると、王馬さんはまた口を開きました。
「茶柱ちゃんはみょうじちゃんの友達でしょ?友達に反対される関係なんて、みょうじちゃんが可哀想だからね!」
「な、な、何を言って…!?」
それはつまり、王馬さんはみょうじさんと…!?
転子が王馬さんを問い詰めようとした瞬間、食堂の扉が開いてみょうじさんが入ってきました。
「おまたせー。…あれ、2人ともどうかした?」
「にしし、おかえりみょうじちゃん!なんでもないから大丈夫だよー」
「お、おかえりなさい…」
みょうじさんは不思議そうな顔をしていますが、なんでもないと言われてそれ以上は言及してきませんでした。
チラリと王馬さんを見れば、口元に人差し指を当てて転子を見て笑っています。
あんな男死の言う通りにするのは不本意ですが、みょうじさんに余計な心配をかけるのは得策ではありません。
転子は仕方なくそれに従うことにしました。
「今日はね、抹茶味のお菓子を色々用意してきたんだー」
「抹茶ですか!いいですね!ありがとうございます、みょうじさん!」
「どれも美味しそー!みょうじちゃん、食べていい?」
「うん、どうぞー」
みょうじさんのお菓子は最高に美味しくて幸せな気持ちになります。
さっきまでの緊張感も忘れてお菓子に舌鼓を打っていると、王馬さんが目の前で信じられない行動に出ました。
「はい、みょうじちゃんあーん!」
「あー……むぐ」
「美味しい?」
「うん!美味しいー」
「ななな、何やってるんですか王馬さん!!」
やっぱり、転子の目が黒いうちは王馬さんの好きにさせませんからね…!
女子の皆さんの平和は、この転子が守ります!
※茶柱視点
はぁ…今日は夢野さんに予定があるからとお誘いを断られてしまいました。
転子はこれから何をエネルギーにして生きていけばよいのでしょう。
とぼとぼと廊下を歩いていると、前方からみょうじさんと王馬さんがやって来ました。
「あ、茶柱さんだー!」
「みょうじさん、こんにちは!今日は…王馬さんとお出かけですか?」
「うん、そうだよー。食堂でお茶するんだー」
はっきり言って心配です。
男死達のなかでもよりによって王馬さんだなんて。
純粋で綺麗なみょうじさんが汚されてしまう…そんなことを考えていると、王馬さんが転子を見ていつものようにニヤリと笑っていました。不快です。
「そうだ、茶柱さんも一緒にどう?王馬くんもいいよねー?」
「んー?オレは別にいいよ!茶柱ちゃんがオレと一緒の空間に耐えられるならだけどね!」
「うぐっ…」
みょうじさんからのお誘いはすぐにでも受け入れたいのですが…王馬さんと一緒というのは気が進みません。
きっとそんな転子の思いを見破っているのでしょう、王馬さんはまるで転子が断ることを確信しているような気がしてきます。
転子は…転子は…、みょうじさんをお守りしなくては!
「もちろんご一緒させて下さい!他でもないみょうじさんのお誘いですからね、転子には断る理由がありませんよ!」
「わーい、賑やかになるねー」
「にしし、さすがみょうじちゃん人望あるー」
王馬さんの動向に気を配りながら食堂へ到着すると、みょうじさんはお菓子を用意してくると言い退室してしまいました。
待ってください、彼と2人でなんて…!
手伝いを申し入れましたが大した重さではないからと辞退され、泣く泣く王馬さんの向かいの席に座ります。
「茶柱ちゃん、なんでそんなに不満そうなの?そんなにオレのこと嫌い?なんだか悲しくなってきちゃうなー」
「それはどうせ嘘なんでしょう?あなたのやり口は分かっています」
「たはー!バレちった!」
「大体あなたはいつもみょうじさんの周りをちょろちょろと…少しは自重して下さい!みょうじさんはあなたと違って心の綺麗な女子なんですよ!悪影響がないか心配です!」
「ひどいなー。別にオレはみょうじちゃんに何か悪いことしようだなんて企んでないのにー」
王馬さんは不満そうに唇を尖らせています。
この方はよく嘘をつくので、これもそうなのではないかという疑念が拭えません。
「あ、今オレのこと疑ってるでしょ?信じてくれないなんて酷いよ…うっ…」
「はぁ…分かりましたからその嘘泣きはやめて下さい」
「ホント?じゃあ信じてくれるの?」
「…今のところ非道なことをしていないのはみょうじさんの様子から事実のようですし、少なくともこれまでのことは信じましょう」
「わーい!茶柱ちゃんってちょろ…あ、間違えた優しいねー!」
「ぬがあああ!なんですか!前言撤回です!やはりあなたのような人は信用できません!あなたのような人がみょうじさんと仲が良いなど…転子は認められません!」
少しでも気を許しそうになった転子が馬鹿でした。
そう思ったのですが、王馬さんはそれまでの茶化した表情をやめていつになく真剣な顔をしています。
「それは困っちゃうなぁ。オレ、みょうじちゃんにはみんなから祝福される幸せを味わってもらいたいんだよね」
「はい…?」
言葉の意味が分かりません。
何故そこでみょうじさんの幸せの話になるんでしょうか?
転子が固まっていると、王馬さんはまた口を開きました。
「茶柱ちゃんはみょうじちゃんの友達でしょ?友達に反対される関係なんて、みょうじちゃんが可哀想だからね!」
「な、な、何を言って…!?」
それはつまり、王馬さんはみょうじさんと…!?
転子が王馬さんを問い詰めようとした瞬間、食堂の扉が開いてみょうじさんが入ってきました。
「おまたせー。…あれ、2人ともどうかした?」
「にしし、おかえりみょうじちゃん!なんでもないから大丈夫だよー」
「お、おかえりなさい…」
みょうじさんは不思議そうな顔をしていますが、なんでもないと言われてそれ以上は言及してきませんでした。
チラリと王馬さんを見れば、口元に人差し指を当てて転子を見て笑っています。
あんな男死の言う通りにするのは不本意ですが、みょうじさんに余計な心配をかけるのは得策ではありません。
転子は仕方なくそれに従うことにしました。
「今日はね、抹茶味のお菓子を色々用意してきたんだー」
「抹茶ですか!いいですね!ありがとうございます、みょうじさん!」
「どれも美味しそー!みょうじちゃん、食べていい?」
「うん、どうぞー」
みょうじさんのお菓子は最高に美味しくて幸せな気持ちになります。
さっきまでの緊張感も忘れてお菓子に舌鼓を打っていると、王馬さんが目の前で信じられない行動に出ました。
「はい、みょうじちゃんあーん!」
「あー……むぐ」
「美味しい?」
「うん!美味しいー」
「ななな、何やってるんですか王馬さん!!」
やっぱり、転子の目が黒いうちは王馬さんの好きにさせませんからね…!
女子の皆さんの平和は、この転子が守ります!