本編【全16話】
おなまえ
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星くんととばっちり
※星視点
※なんだかとてもポエミー
夜空ってやつはどうしてこうも全ての物に平等なんだろうな。
俺もそんな生き方が出来ていたら…いや、やめだ。そんなことを考えたってそいつはただの後悔だ。
俺に出来るのは、与えられている選択肢は。
今生きていること自体贖罪なんだからな…。
真夜中、どうにも寝付けなくなった俺は目的もなく寄宿舎を出て星を眺めていた。
俺もあんたも星だっていうのに、人に与えられるものもやってきたことも全部正反対なんだな。
「…あれ、星くん?こんな時間にどうしたの?」
不意に背後から声をかけられて、驚くことはねぇが意外な人物が来たと思った。
「みょうじか。あんたこそどうした、俺と同じタチで眠れねーのか?」
「うん、一回起きたら目が冴えてきちゃって」
「フン…そうか」
そんな会話をした後、みょうじはどういうわけか俺の隣に腰掛けて星空を眺め始めた。
「ゴン太くんが前に言ってたことだけど、ここはとっても星が綺麗だね」
「そうだな…」
「…星くん、なんだか元気がないね?」
俺としたことが、顔に出ちまってたか?
みょうじが心配そうに俺の表情を伺う素振りをする。
人に心配される機会なんざ、もうないと思ってたんだがな。
「あんたが心配する必要はねぇさ。…俺は、人にそう思ってもらえるような人間じゃない」
「ふふ、変な星くん。私が誰を心配するかどうかは、私が決めることだよー?」
「フン…あんたは変わったヤツだな。俺みてーな鼻つまみものに話しかけて、挙句に心配までしやがるとはな」
「だって、私は今ここにいる星くんしか知らないからねー。だから昔がどうだったとか、そんなことは関係ないんだよ。だから…星くんにも過去じゃなくて未来を見て見て欲しいなーって思ってるよ」
昔の俺ならただの気休めだと聞きもしなかっただろうが、なんでだろうな…素直に聞いちまいそうになる俺がいる。
確かにみょうじの言う通りかもしれねー、なんて柄にもねーな。
どうやら俺も随分丸くなっちまったみてーだ。
「フッ…そうかい。どうやら俺もまだまだみてーだな。……ところで、さっきからそこの影でこそこそしているあんたはいつになったら出てくるんだ?」
俺は咥えていたシガレットを手に取り、少し離れた岩陰を指す。
若干の間があった後に、観念したようにそいつは現れた。
「たはー!さすがは星ちゃん、いつから気づいてたの?」
「フン、どうだろうな」
「あれー、王馬くんも眠れない仲間?」
「うん、そうだよー。なーんて、嘘だけどね!喉が渇いたからジュース取りに行ってただけだよ」
「なんだー。あれ、でも何で隠れてたの?」
「それは…」
軽快に会話をしていた王馬が突然口ごもった。
そして何故か気まずそうな顔をして俺とみょうじの顔を交互に見ている。
「2人が真面目な話してるから出ていくタイミング逃しちゃって…たはー…」
「フッ、あんたがそんなことを気にするヤツだったはな。ガキに遠慮は似合わねーぜ?」
「ガキって、オレも星ちゃんと同じ高校生なんだけどなー」
「あはは、王馬くんって子どもっぽいもんねー」
「みょうじちゃんには言われたくないんだけど!?」
何やら騒がしくし始めたが、案外こういうのも悪くないもんだ。
みょうじも王馬も、こんな顔して笑うとは俺は知らなかったぜ。
まだまだ俺には知らねーことが沢山ある、そう思うとこれから知らねーことを知ってくために歩いていくのも…それはそれで悪くねーやり方かもな。
「どうやらあんたらは随分波長が合うみてーだな」
「ふふ。仲良しって言われたよ、王馬くん」
「にしし、見る目があるね!星ちゃん!」
「フッ…まぁいい、俺はもう戻るぜ。…みょうじ、ありがとな」
「どういたしましてー。おやすみなさい、星くん」
「星ちゃんおやすみー」
背中越しにヤツらの楽しげな声を聞きながら、俺は個室へと戻った。
※星視点
※なんだかとてもポエミー
夜空ってやつはどうしてこうも全ての物に平等なんだろうな。
俺もそんな生き方が出来ていたら…いや、やめだ。そんなことを考えたってそいつはただの後悔だ。
俺に出来るのは、与えられている選択肢は。
今生きていること自体贖罪なんだからな…。
真夜中、どうにも寝付けなくなった俺は目的もなく寄宿舎を出て星を眺めていた。
俺もあんたも星だっていうのに、人に与えられるものもやってきたことも全部正反対なんだな。
「…あれ、星くん?こんな時間にどうしたの?」
不意に背後から声をかけられて、驚くことはねぇが意外な人物が来たと思った。
「みょうじか。あんたこそどうした、俺と同じタチで眠れねーのか?」
「うん、一回起きたら目が冴えてきちゃって」
「フン…そうか」
そんな会話をした後、みょうじはどういうわけか俺の隣に腰掛けて星空を眺め始めた。
「ゴン太くんが前に言ってたことだけど、ここはとっても星が綺麗だね」
「そうだな…」
「…星くん、なんだか元気がないね?」
俺としたことが、顔に出ちまってたか?
みょうじが心配そうに俺の表情を伺う素振りをする。
人に心配される機会なんざ、もうないと思ってたんだがな。
「あんたが心配する必要はねぇさ。…俺は、人にそう思ってもらえるような人間じゃない」
「ふふ、変な星くん。私が誰を心配するかどうかは、私が決めることだよー?」
「フン…あんたは変わったヤツだな。俺みてーな鼻つまみものに話しかけて、挙句に心配までしやがるとはな」
「だって、私は今ここにいる星くんしか知らないからねー。だから昔がどうだったとか、そんなことは関係ないんだよ。だから…星くんにも過去じゃなくて未来を見て見て欲しいなーって思ってるよ」
昔の俺ならただの気休めだと聞きもしなかっただろうが、なんでだろうな…素直に聞いちまいそうになる俺がいる。
確かにみょうじの言う通りかもしれねー、なんて柄にもねーな。
どうやら俺も随分丸くなっちまったみてーだ。
「フッ…そうかい。どうやら俺もまだまだみてーだな。……ところで、さっきからそこの影でこそこそしているあんたはいつになったら出てくるんだ?」
俺は咥えていたシガレットを手に取り、少し離れた岩陰を指す。
若干の間があった後に、観念したようにそいつは現れた。
「たはー!さすがは星ちゃん、いつから気づいてたの?」
「フン、どうだろうな」
「あれー、王馬くんも眠れない仲間?」
「うん、そうだよー。なーんて、嘘だけどね!喉が渇いたからジュース取りに行ってただけだよ」
「なんだー。あれ、でも何で隠れてたの?」
「それは…」
軽快に会話をしていた王馬が突然口ごもった。
そして何故か気まずそうな顔をして俺とみょうじの顔を交互に見ている。
「2人が真面目な話してるから出ていくタイミング逃しちゃって…たはー…」
「フッ、あんたがそんなことを気にするヤツだったはな。ガキに遠慮は似合わねーぜ?」
「ガキって、オレも星ちゃんと同じ高校生なんだけどなー」
「あはは、王馬くんって子どもっぽいもんねー」
「みょうじちゃんには言われたくないんだけど!?」
何やら騒がしくし始めたが、案外こういうのも悪くないもんだ。
みょうじも王馬も、こんな顔して笑うとは俺は知らなかったぜ。
まだまだ俺には知らねーことが沢山ある、そう思うとこれから知らねーことを知ってくために歩いていくのも…それはそれで悪くねーやり方かもな。
「どうやらあんたらは随分波長が合うみてーだな」
「ふふ。仲良しって言われたよ、王馬くん」
「にしし、見る目があるね!星ちゃん!」
「フッ…まぁいい、俺はもう戻るぜ。…みょうじ、ありがとな」
「どういたしましてー。おやすみなさい、星くん」
「星ちゃんおやすみー」
背中越しにヤツらの楽しげな声を聞きながら、俺は個室へと戻った。