本編【全16話】
おなまえ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
白銀さんととばっちり
※白銀視点
「じゃーん、どうかな?地味に頑張って作ったんだよ」
「わー!すごい!本物みたいに可愛い!」
わたしは今、超高校級のコスプレイヤーの研究教室でみょうじさんに自作の衣装のお披露目をしている。
まさかみょうじさんもわたしの大好きな魔法少女アニメのファンだったなんて…。
意外な共通点に話に花が咲いて、つい出来心でコスプレをしてみないかと提案した。
やったことがないと言っていたけど、わたしがコスプレの楽しかった話なんかを聞かせる内に興味を持ってくれたみたいで、ついに今日その完成した衣装を着てもらう日がやってきた。
「だよねだよね!久しぶりだったから細部まで張り切って作ったんだよ」
「すごいなー、これ本当に私が着ていいの?なんだか勿体ないよー」
「みょうじさんに合わせて作ってるから、むしろみょうじさん以外誰も着れないけどね」
思ったよりも反応は上々で、みょうじさんもノリノリで衣装に袖を通してくれた。
自分が作ったもので喜んでくれるのももちろんだけど、完全再現を目指して完成させたものの出来栄えが見れるこの瞬間はたまらない。
ドキドキと期待に胸をふくらませていると、着替えが終わったみょうじさんが戻ってきた。
「なんだか私じゃないみたいで不思議な感じー。ね、どうかな?」
「うーん、イイ!すごくイイよ!ついでだから何枚かポーズ決めて撮ってみようよ!」
「はーい!えっと…こんな感じかな?」
「うん、良い感じだよ。じゃあ次はちょっと上のアングルから…」
思った以上の出来栄えにテンションが上がり、勢いで撮影会を始めたわたしたち。
パシャパシャと何枚か写真を撮っていると、珍しく来客が来た。
「やっほー白銀ちゃん!あのさー、みょうじちゃん知らない?みんなに聞いても今日は見てないって……えっ、誰!?」
ただでさえ珍しい来客はその中でもさらに珍しい王馬くんだった。
そういえばよくこの2人って一緒にいたっけ。
わたしのそばに居るコスプレをしたみょうじさんをみょうじさんと認識できていない王馬くんは、彼女を見て首を傾げていた。
「王馬くーん、私だよー」
「え、その声…みょうじちゃん?」
「そうだよ!白銀さんが作ってくれたんだー。どうどう?すごいよねー」
その場でくるくると衣装を見せびらかすみょうじさんを、王馬くんはまじまじと見つめている。
まぁそうだよね、髪もウィッグだしメイクもしてるしいつものみょうじさんとは全然違うからね。
「ふふ、可愛いでしょ!」
「うん、可愛い……衣装がね!」
「わーい!白銀さん、褒められたよー」
「そうだね、良かったよ。…なんか、地味にラブコメの気配を感じた気がするけど」
「白銀さん、どうかした?」
「ううん、なんでもないよ」
リア充爆発しろ…と、古典的な叫びは心の中だけでしておいて。
その後も上機嫌なみょうじさんを何枚か写真に撮って、撮影会は終了した。
王馬くんはじっとその様子を見学してたけど、興味があるのはコスプレなのかそれとも…。なんて。
「楽しかった!白銀さん、今日はありがとう」
「こちらこそだよ。またやりたくなったらいつでも言ってね」
「はーい!それじゃあ私着替えてくるねー」
みょうじさんが部屋の隅に衝立を置いて作った簡易的な更衣室へ入っていった。
「王馬くんはどうだった?コスプレに興味出てきた?」
「んー?にしし、どうかなー?」
「もう、その割には地味に真剣に見学してたよね」
「たはー!痛いところつかれちゃったなー!まぁでも、想像してたよりはつまらなくないかもって思ったよ!」
「えっと…絶妙に分かりにくいなぁ」
相変わらず掴みどころのない王馬くんと話していると、着替えが終わったみょうじさんが戻ってきた。
王馬くんはいつもの姿に戻った彼女をじっと見つめている。
「ただいまー……王馬くん?私の顔なにか付いてる?」
「うん、付いてる!」
「えぇっ、どこどこ?」
「あー、惜しい!そこじゃないなー」
「右か左かくらい教えてよー!」
ここかあそこかと、何も付いていない顔を指して大騒ぎする王馬くんとみょうじさん。
なんか、2人の世界って感じだよね。
ひとしきり騒いでから2人が出ていった後、わたしはなんとも言えない虚無感に苛まれたのだった。
※白銀視点
「じゃーん、どうかな?地味に頑張って作ったんだよ」
「わー!すごい!本物みたいに可愛い!」
わたしは今、超高校級のコスプレイヤーの研究教室でみょうじさんに自作の衣装のお披露目をしている。
まさかみょうじさんもわたしの大好きな魔法少女アニメのファンだったなんて…。
意外な共通点に話に花が咲いて、つい出来心でコスプレをしてみないかと提案した。
やったことがないと言っていたけど、わたしがコスプレの楽しかった話なんかを聞かせる内に興味を持ってくれたみたいで、ついに今日その完成した衣装を着てもらう日がやってきた。
「だよねだよね!久しぶりだったから細部まで張り切って作ったんだよ」
「すごいなー、これ本当に私が着ていいの?なんだか勿体ないよー」
「みょうじさんに合わせて作ってるから、むしろみょうじさん以外誰も着れないけどね」
思ったよりも反応は上々で、みょうじさんもノリノリで衣装に袖を通してくれた。
自分が作ったもので喜んでくれるのももちろんだけど、完全再現を目指して完成させたものの出来栄えが見れるこの瞬間はたまらない。
ドキドキと期待に胸をふくらませていると、着替えが終わったみょうじさんが戻ってきた。
「なんだか私じゃないみたいで不思議な感じー。ね、どうかな?」
「うーん、イイ!すごくイイよ!ついでだから何枚かポーズ決めて撮ってみようよ!」
「はーい!えっと…こんな感じかな?」
「うん、良い感じだよ。じゃあ次はちょっと上のアングルから…」
思った以上の出来栄えにテンションが上がり、勢いで撮影会を始めたわたしたち。
パシャパシャと何枚か写真を撮っていると、珍しく来客が来た。
「やっほー白銀ちゃん!あのさー、みょうじちゃん知らない?みんなに聞いても今日は見てないって……えっ、誰!?」
ただでさえ珍しい来客はその中でもさらに珍しい王馬くんだった。
そういえばよくこの2人って一緒にいたっけ。
わたしのそばに居るコスプレをしたみょうじさんをみょうじさんと認識できていない王馬くんは、彼女を見て首を傾げていた。
「王馬くーん、私だよー」
「え、その声…みょうじちゃん?」
「そうだよ!白銀さんが作ってくれたんだー。どうどう?すごいよねー」
その場でくるくると衣装を見せびらかすみょうじさんを、王馬くんはまじまじと見つめている。
まぁそうだよね、髪もウィッグだしメイクもしてるしいつものみょうじさんとは全然違うからね。
「ふふ、可愛いでしょ!」
「うん、可愛い……衣装がね!」
「わーい!白銀さん、褒められたよー」
「そうだね、良かったよ。…なんか、地味にラブコメの気配を感じた気がするけど」
「白銀さん、どうかした?」
「ううん、なんでもないよ」
リア充爆発しろ…と、古典的な叫びは心の中だけでしておいて。
その後も上機嫌なみょうじさんを何枚か写真に撮って、撮影会は終了した。
王馬くんはじっとその様子を見学してたけど、興味があるのはコスプレなのかそれとも…。なんて。
「楽しかった!白銀さん、今日はありがとう」
「こちらこそだよ。またやりたくなったらいつでも言ってね」
「はーい!それじゃあ私着替えてくるねー」
みょうじさんが部屋の隅に衝立を置いて作った簡易的な更衣室へ入っていった。
「王馬くんはどうだった?コスプレに興味出てきた?」
「んー?にしし、どうかなー?」
「もう、その割には地味に真剣に見学してたよね」
「たはー!痛いところつかれちゃったなー!まぁでも、想像してたよりはつまらなくないかもって思ったよ!」
「えっと…絶妙に分かりにくいなぁ」
相変わらず掴みどころのない王馬くんと話していると、着替えが終わったみょうじさんが戻ってきた。
王馬くんはいつもの姿に戻った彼女をじっと見つめている。
「ただいまー……王馬くん?私の顔なにか付いてる?」
「うん、付いてる!」
「えぇっ、どこどこ?」
「あー、惜しい!そこじゃないなー」
「右か左かくらい教えてよー!」
ここかあそこかと、何も付いていない顔を指して大騒ぎする王馬くんとみょうじさん。
なんか、2人の世界って感じだよね。
ひとしきり騒いでから2人が出ていった後、わたしはなんとも言えない虚無感に苛まれたのだった。