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おなまえ
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九条天
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「それ、寒くない?」
収録終わりの九条さんと偶然出会って挨拶をした時、私の首元を指して彼がそう言った。
「大丈夫ですよ!ほら、触ってみると結構暖かい素材なんです」
最近買ったばかりのVネックのセーターはそれなりの暖かさで着心地も悪くない。
私が袖の部分の生地を九条さんに差し出すと、ふーん、と言いながら表面をさらりと撫でた。
「…あ、もう行かないと。じゃあまた」
「はい、お疲れ様です」
「終わったら連絡するから」
去り際にこそっと顔を寄せて囁いた後、彼の唇が軽く頬に触れる。
なんでもないように歩いていく九条さんの背中を、私は先程の感触の残る頬を抑えながらぼーっと見送っていた。
*****
「……」
「あの…?」
『終わった。今から向かう』と短いメッセージが来てから15分後、九条さんが私の家にやって来た。
お疲れ様ですとお互いを労いつつ部屋に通してお茶を出して、隣同士に座ったのが2分くらい前のこと。
先程から九条さんはじーっと私の顔?首?…肩?確かなことは分からないが、その辺を見つめている。
何か気に触ることを言っただろうかと思い返してみるも、家に来た頃は普通だったしそれから大した会話はしていなかった気がする。
首を傾げながら九条さんを見つめ返すと、彼がやっと重い口を開いた。
「やっぱり、開きすぎじゃない?」
「何がですか?」
「それ」
そう言って九条さんが私の首元を指す。
確かに首元が詰まった服と比べると幾分か解放的になってはいるが、私としては常識的な範囲に感じる。
それに、ちゃんと下に服も着ているし…露出度が高すぎるということはないはずなのだが。
と、そう思っていることを彼に伝えると、綺麗な顔の眉間に深いシワができた。
「ええっ…そ、そんなにダメですか…」
「ダメじゃない。よく似合っているし、とても可愛いよ。だから…」
九条さんがそっと私の頬に手を伸ばす。
触れられたところからじわりと熱が広がった。
「ボクの前だけにして欲しい」
体ごとぐっと引き寄せられ、唇が触れ合った。
彼の舌が唇をなぞり、こそばゆさから口を開くと、待っていましたと言わんばかりにぬるりとしたものが口内へと侵入してくる。
唾液の絡まる音と互いの吐息が部屋に響く。
ひとしきりそうした後、口の端、顎、首筋と順番にキスをされ、くすぐったさと恥ずかしさで身を捩ろうとしたが手首と腰をしっかりホールドされているせいでびくりとも動かなかった。
鎖骨のあたりに唇が触れた時、チクリと少しだけ痛みが走る。
びくっと反応した私に気を良くしたのか、九条さんは小さく笑ってから私の身体を解放した。
「も、もう…なんで笑うんですか」
「ふふ、なまえが可愛いからかな。あとそれ、明日からは着られそうにないね?」
「えっ?」
驚いて服を確認してみるが、特に異常はない。
なんの事だろうと不思議に思っていると、九条さんから「鏡で見た方がいいよ」とのアドバイスを貰い鏡の前へ立ってみた。
「な、これっ、あの…!」
鎖骨の下あたりにくっきりと残るアザのようなものは、紛れもなくキスマークというやつだ。
他の服なら隠れる位置だとは思うが、確かにこの服だと丸見えになってしまいとても外へは着ていけそうもない。
「しばらくは我慢だね」
まるで他人事のようにそう言った九条さんは、満足気に笑っていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「それ、寒くない?」
収録終わりの九条さんと偶然出会って挨拶をした時、私の首元を指して彼がそう言った。
「大丈夫ですよ!ほら、触ってみると結構暖かい素材なんです」
最近買ったばかりのVネックのセーターはそれなりの暖かさで着心地も悪くない。
私が袖の部分の生地を九条さんに差し出すと、ふーん、と言いながら表面をさらりと撫でた。
「…あ、もう行かないと。じゃあまた」
「はい、お疲れ様です」
「終わったら連絡するから」
去り際にこそっと顔を寄せて囁いた後、彼の唇が軽く頬に触れる。
なんでもないように歩いていく九条さんの背中を、私は先程の感触の残る頬を抑えながらぼーっと見送っていた。
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「……」
「あの…?」
『終わった。今から向かう』と短いメッセージが来てから15分後、九条さんが私の家にやって来た。
お疲れ様ですとお互いを労いつつ部屋に通してお茶を出して、隣同士に座ったのが2分くらい前のこと。
先程から九条さんはじーっと私の顔?首?…肩?確かなことは分からないが、その辺を見つめている。
何か気に触ることを言っただろうかと思い返してみるも、家に来た頃は普通だったしそれから大した会話はしていなかった気がする。
首を傾げながら九条さんを見つめ返すと、彼がやっと重い口を開いた。
「やっぱり、開きすぎじゃない?」
「何がですか?」
「それ」
そう言って九条さんが私の首元を指す。
確かに首元が詰まった服と比べると幾分か解放的になってはいるが、私としては常識的な範囲に感じる。
それに、ちゃんと下に服も着ているし…露出度が高すぎるということはないはずなのだが。
と、そう思っていることを彼に伝えると、綺麗な顔の眉間に深いシワができた。
「ええっ…そ、そんなにダメですか…」
「ダメじゃない。よく似合っているし、とても可愛いよ。だから…」
九条さんがそっと私の頬に手を伸ばす。
触れられたところからじわりと熱が広がった。
「ボクの前だけにして欲しい」
体ごとぐっと引き寄せられ、唇が触れ合った。
彼の舌が唇をなぞり、こそばゆさから口を開くと、待っていましたと言わんばかりにぬるりとしたものが口内へと侵入してくる。
唾液の絡まる音と互いの吐息が部屋に響く。
ひとしきりそうした後、口の端、顎、首筋と順番にキスをされ、くすぐったさと恥ずかしさで身を捩ろうとしたが手首と腰をしっかりホールドされているせいでびくりとも動かなかった。
鎖骨のあたりに唇が触れた時、チクリと少しだけ痛みが走る。
びくっと反応した私に気を良くしたのか、九条さんは小さく笑ってから私の身体を解放した。
「も、もう…なんで笑うんですか」
「ふふ、なまえが可愛いからかな。あとそれ、明日からは着られそうにないね?」
「えっ?」
驚いて服を確認してみるが、特に異常はない。
なんの事だろうと不思議に思っていると、九条さんから「鏡で見た方がいいよ」とのアドバイスを貰い鏡の前へ立ってみた。
「な、これっ、あの…!」
鎖骨の下あたりにくっきりと残るアザのようなものは、紛れもなくキスマークというやつだ。
他の服なら隠れる位置だとは思うが、確かにこの服だと丸見えになってしまいとても外へは着ていけそうもない。
「しばらくは我慢だね」
まるで他人事のようにそう言った九条さんは、満足気に笑っていた。
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