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王馬小吉
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「おはよう~」
挨拶とともにいつものように食堂へ入ると、「おはよう」と言いかけた皆の顔が「お」の状態で固まってしまった。
そのまま5秒くらい停止した後ぎこちなく動き始めるが、誰一人として私と目を合わせようとしない。
「あ、あれ…?私何か変なこと言った?それとも服が変?髪が変!?」
「い、言ってない!言ってないよ、大丈夫。それに、服も髪もいつも通りだし…」
「でも、そう言う最原くんも何かおかしいよね…?」
「あ…いや、これはその…な、なんでもないよ」
明らかに動揺する最原くんに詰め寄ってみるも、「大丈夫」か「なんでもない」以外の回答は得られなかった。
そんな調子で赤松さんや百田くんにも尋ねてみたが結果は変わらず。
私、無意識の内に皆に何かをやらかしてしまったんだろうか…。
そう思いながら皆の様子を伺ってみると、1人だけ他とは違う様子の人物がいた。
彼は少し離れた席から私を見て笑いを堪えている。
これは何か知っているに違いない。
そう確信した私はつかつかと彼の元へ近づいた。
「ねぇ王馬くん、絶対何かしたでしょ」
「にしし、何かってなんだろうなー。そんな曖昧な質問じゃどう答えればいいか分かんないよ!」
「ぐっ…でも、明らかに王馬くんだけ皆と反応が違うじゃん!関係ないとは思えない…!何かひどいこと言ったりしたりしたんでしょ!」
「えー、ひどいのはどっち?そんな理由でオレのこと疑っちゃうみょうじちゃんの方だよね?大体、大好きなみょうじちゃんにオレがひどいことなんてするわけないだろ!」
「わ、わー!?ちょっと、王馬くん声が大きいよ!」
気持ちが入りすぎちゃった、と舌を出して反省する素振りの見えない王馬くんにそれ以上追求する勇気もなく、そのままなし崩し的に彼の近くで朝食を食べ始めた。
相変わらず皆はこちらをあえて見ないように過ごしているように感じる。
ダメ元で王馬くんに何があったのか知っているかと尋ねてみたが、さあね?と知っているのか知らないのか判断のしづらい答えが返ってきただけだった。
「おはよう!……あれ?」
微妙な空気が流れる食堂に、ゴン太くんが少し遅れてやってきた。
私と目が合うと、ゴン太くんは慌てた様子でこちらへ駆け寄ってきて、そして…
「みょうじさん大丈夫!?それ、痛くない?虫さんに刺されちゃったのかな…絆創膏持ってこようか?」
「へっ、私?だ、大丈夫だよ…?虫刺されって何のことだろう?」
この学園には虫はいない、そういう話だったからもちろん私自身虫に刺された覚えはない。
首を傾げる私に、ゴン太くんは「でも…」と言いながら手鏡を差し出した。
どれどれと鏡を見てみると、首元、鎖骨の近くに赤黒いアザのようなものがあった。
もちろん虫刺されではない。
となると、これは…。
「なっ…ななな、何これ!王馬くん、ちょっと!?」
「ぷっ…あっははは!馬鹿でー!自力で気づいて文句言ってくるかなーと思ってたのに気づかないんだから」
つまりこれはキスマークというやつで。
そしてこれを付けた犯人はもちろん目の前で大爆笑しているこの男だ。
そばでおろおろしているゴン太くんには申し訳ないと思いつつ、私は王馬くんへの抗議を続ける。
「あ、ありえない…普通こんな目立つところにしないでしょ…!?気まずすぎる!恥ずかしすぎる!」
「何言ってんの?見えるとこにしなきゃ意味ないじゃん」
「…え?」
「自分の持ち物には名前書くでしょ?で、みょうじちゃんってオレのだよね?」
だからそういうことだよ!と王馬くんはにっこり笑う。
その笑顔にはなんだか有無を言わせない迫力があって、私はそれ以上何も言えなくなった。
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「おはよう~」
挨拶とともにいつものように食堂へ入ると、「おはよう」と言いかけた皆の顔が「お」の状態で固まってしまった。
そのまま5秒くらい停止した後ぎこちなく動き始めるが、誰一人として私と目を合わせようとしない。
「あ、あれ…?私何か変なこと言った?それとも服が変?髪が変!?」
「い、言ってない!言ってないよ、大丈夫。それに、服も髪もいつも通りだし…」
「でも、そう言う最原くんも何かおかしいよね…?」
「あ…いや、これはその…な、なんでもないよ」
明らかに動揺する最原くんに詰め寄ってみるも、「大丈夫」か「なんでもない」以外の回答は得られなかった。
そんな調子で赤松さんや百田くんにも尋ねてみたが結果は変わらず。
私、無意識の内に皆に何かをやらかしてしまったんだろうか…。
そう思いながら皆の様子を伺ってみると、1人だけ他とは違う様子の人物がいた。
彼は少し離れた席から私を見て笑いを堪えている。
これは何か知っているに違いない。
そう確信した私はつかつかと彼の元へ近づいた。
「ねぇ王馬くん、絶対何かしたでしょ」
「にしし、何かってなんだろうなー。そんな曖昧な質問じゃどう答えればいいか分かんないよ!」
「ぐっ…でも、明らかに王馬くんだけ皆と反応が違うじゃん!関係ないとは思えない…!何かひどいこと言ったりしたりしたんでしょ!」
「えー、ひどいのはどっち?そんな理由でオレのこと疑っちゃうみょうじちゃんの方だよね?大体、大好きなみょうじちゃんにオレがひどいことなんてするわけないだろ!」
「わ、わー!?ちょっと、王馬くん声が大きいよ!」
気持ちが入りすぎちゃった、と舌を出して反省する素振りの見えない王馬くんにそれ以上追求する勇気もなく、そのままなし崩し的に彼の近くで朝食を食べ始めた。
相変わらず皆はこちらをあえて見ないように過ごしているように感じる。
ダメ元で王馬くんに何があったのか知っているかと尋ねてみたが、さあね?と知っているのか知らないのか判断のしづらい答えが返ってきただけだった。
「おはよう!……あれ?」
微妙な空気が流れる食堂に、ゴン太くんが少し遅れてやってきた。
私と目が合うと、ゴン太くんは慌てた様子でこちらへ駆け寄ってきて、そして…
「みょうじさん大丈夫!?それ、痛くない?虫さんに刺されちゃったのかな…絆創膏持ってこようか?」
「へっ、私?だ、大丈夫だよ…?虫刺されって何のことだろう?」
この学園には虫はいない、そういう話だったからもちろん私自身虫に刺された覚えはない。
首を傾げる私に、ゴン太くんは「でも…」と言いながら手鏡を差し出した。
どれどれと鏡を見てみると、首元、鎖骨の近くに赤黒いアザのようなものがあった。
もちろん虫刺されではない。
となると、これは…。
「なっ…ななな、何これ!王馬くん、ちょっと!?」
「ぷっ…あっははは!馬鹿でー!自力で気づいて文句言ってくるかなーと思ってたのに気づかないんだから」
つまりこれはキスマークというやつで。
そしてこれを付けた犯人はもちろん目の前で大爆笑しているこの男だ。
そばでおろおろしているゴン太くんには申し訳ないと思いつつ、私は王馬くんへの抗議を続ける。
「あ、ありえない…普通こんな目立つところにしないでしょ…!?気まずすぎる!恥ずかしすぎる!」
「何言ってんの?見えるとこにしなきゃ意味ないじゃん」
「…え?」
「自分の持ち物には名前書くでしょ?で、みょうじちゃんってオレのだよね?」
だからそういうことだよ!と王馬くんはにっこり笑う。
その笑顔にはなんだか有無を言わせない迫力があって、私はそれ以上何も言えなくなった。
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