好きを自覚していない話と、自覚する話
おなまえ
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自覚する王馬小吉
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※夢主死ネタ注意
才囚学園、コロシアイ、学級裁判。
こんなことになって初めて、人間が死んだらただの冷たい肉の塊になるってことを実感した。
血が通っていないと、触れた時の感触すらまるで違うものになっていて。
漠然と、死ぬってこういうことなんだ…と。
天海ちゃんが死んだ時、心の中でそんなことを思っていた。
続々と人数が減っていく生活の中では、コロシアイなんて起きるわけがない…なんて、本当にただの理想論だった。
ちょっと背中を押されただけで、人は簡単に人を殺してしまう生き物だったみたい。
何もかも気に入らなかった。
つまらないにも程があると思った。
この世界のことを調べて少しでも前へ進もうと日々を過ごしていても、数日経てば勝手に誰かが誰かを殺してる。
新しい情報が増えては計画の練り直し。
そんな毎日だったから、オレは知らないうちに人の死に慣れたと思い込んでいたのかもしれない。
「また死体が発見されたって…!」
そう、次は誰だったの?
「大変、みょうじさんが…」
え?
身体に力が入らなくなり、膝が小刻みに震えた。
聞こえてきたそれはよく知る名前だったはずなのに、自分の記憶の中の人物像とそれが上手く結びつかない。
「みょうじちゃん」
だらんと垂れ下がった四肢から滴る赤い血液が、ぽたぽたと床に落ち、染みを広げている。
捜査とか現場保存とかそんな言葉は頭に浮かばなくて、気がついたら彼女の白い頬に触れていた。
ぶにぶにした冷たい無機物。
それが、初めて彼女に触れた時に抱いたオレの感想だった。
…どうして今になってこんなことを思い出したんだろう。
プレス機の中に入って、あとはもう余生と言うには短すぎる数秒間を生きるだけの命。
死に際の際の際に、思い出すのがみょうじちゃんに触れた時のこと…って。
他になかったの?と、自分自身に呆れて出した人生最後の掠れ声は、きっと誰にも聞こえていない。
今更気がついたって何もかも遅かった。
本当は血の通った彼女の頬に触れてみたかった。
…でも、そんなの時間を巻き戻す技術でもない限り不可能だと分かっていたから。
せめて、彼女が命を散らすきっかけとなったこのコロシアイを自分の手で終わらせることができたなら…。それが餞になるかな…なんて、柄にもないことを思ったんだ。
それじゃ…あとはよろしく、百田ちゃん。
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※夢主死ネタ注意
才囚学園、コロシアイ、学級裁判。
こんなことになって初めて、人間が死んだらただの冷たい肉の塊になるってことを実感した。
血が通っていないと、触れた時の感触すらまるで違うものになっていて。
漠然と、死ぬってこういうことなんだ…と。
天海ちゃんが死んだ時、心の中でそんなことを思っていた。
続々と人数が減っていく生活の中では、コロシアイなんて起きるわけがない…なんて、本当にただの理想論だった。
ちょっと背中を押されただけで、人は簡単に人を殺してしまう生き物だったみたい。
何もかも気に入らなかった。
つまらないにも程があると思った。
この世界のことを調べて少しでも前へ進もうと日々を過ごしていても、数日経てば勝手に誰かが誰かを殺してる。
新しい情報が増えては計画の練り直し。
そんな毎日だったから、オレは知らないうちに人の死に慣れたと思い込んでいたのかもしれない。
「また死体が発見されたって…!」
そう、次は誰だったの?
「大変、みょうじさんが…」
え?
身体に力が入らなくなり、膝が小刻みに震えた。
聞こえてきたそれはよく知る名前だったはずなのに、自分の記憶の中の人物像とそれが上手く結びつかない。
「みょうじちゃん」
だらんと垂れ下がった四肢から滴る赤い血液が、ぽたぽたと床に落ち、染みを広げている。
捜査とか現場保存とかそんな言葉は頭に浮かばなくて、気がついたら彼女の白い頬に触れていた。
ぶにぶにした冷たい無機物。
それが、初めて彼女に触れた時に抱いたオレの感想だった。
…どうして今になってこんなことを思い出したんだろう。
プレス機の中に入って、あとはもう余生と言うには短すぎる数秒間を生きるだけの命。
死に際の際の際に、思い出すのがみょうじちゃんに触れた時のこと…って。
他になかったの?と、自分自身に呆れて出した人生最後の掠れ声は、きっと誰にも聞こえていない。
今更気がついたって何もかも遅かった。
本当は血の通った彼女の頬に触れてみたかった。
…でも、そんなの時間を巻き戻す技術でもない限り不可能だと分かっていたから。
せめて、彼女が命を散らすきっかけとなったこのコロシアイを自分の手で終わらせることができたなら…。それが餞になるかな…なんて、柄にもないことを思ったんだ。
それじゃ…あとはよろしく、百田ちゃん。