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王馬小吉②
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
前髪を整える為に出した手鏡をポーチにしまい込み、以前からずっと思っていたことを口にしてみる。
「……いつもいつもさ、王馬くんばっかりずるいよね」
「え?んーと…なんの話?」
「これ」
首筋にたった今発見した、赤く丸いアザのような箇所を指すと、王馬くんは何だそんなことか、とでも言うように鼻で笑った。
「にしし、今回は気づくの早かったね」
「えっ本当?…ってそうじゃなくて!毎回こんな見えるか見えないか微妙なところに……はぁ、私ばっかりこんな気苦労、不公平だと思わない?」
「思わなーい!だってみょうじちゃん、いっつも終わった後すぐ寝落ちしちゃうから暇なんだもん!」
王馬くんがわざとらしく大声でそう言った。
今いる場所が中庭であることを思い出し、慌てて「しー!」と音量を下げるようジェスチャーをすると、意地の悪い彼は悪びれる様子もなくただ意味深に笑う。
「んー…じゃあ、そんなに不公平だと思うならさ」
「うん」
「みょうじちゃんもやってみる?ほら、今なら初回サービスで仕返しは免除してあげる」
「い、今!?や…でも、誰か来るかも…」
「じゃあ誰か来たら初回サービス剥奪ね」
誰にも予想できないタイムリミットを設けられ、焦った私は周囲を4度見くらいして誰もいないことを確認し、さらけ出された彼の首筋に唇を押し付けた。
「………あっ」
少しして顔を上げると、王馬くんの首筋には先程まではなかった赤い印がついていた。
意外と綺麗につけられるものだなぁ、なんて感激していたのも束の間で、彼が身を起こした途端に私は自分の犯した失態を自覚する。
「……下手くそ」
「すみません…」
明らかに服で隠れない位置についてしまったそれは、一体何日経てば消えるのだろう。
呆れ顔の王馬くんが何も気にすることなく食堂へ向かおうとするものだから、慌てて引き止めて絆創膏を貼った。
全く気にする素振りを見せない彼の様子から、もしかしたらあの痕が消えるまで、毎朝彼の元へ絆創膏を貼りに行かなければならないのかもしれない…と、しでかしてしまった事の重大さをじわじわと認識し始める。
なんだか最初の思惑とは全然違うなぁと思いながら、いつもより少し上機嫌な王馬くんと食堂に向かって歩き始めた。
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前髪を整える為に出した手鏡をポーチにしまい込み、以前からずっと思っていたことを口にしてみる。
「……いつもいつもさ、王馬くんばっかりずるいよね」
「え?んーと…なんの話?」
「これ」
首筋にたった今発見した、赤く丸いアザのような箇所を指すと、王馬くんは何だそんなことか、とでも言うように鼻で笑った。
「にしし、今回は気づくの早かったね」
「えっ本当?…ってそうじゃなくて!毎回こんな見えるか見えないか微妙なところに……はぁ、私ばっかりこんな気苦労、不公平だと思わない?」
「思わなーい!だってみょうじちゃん、いっつも終わった後すぐ寝落ちしちゃうから暇なんだもん!」
王馬くんがわざとらしく大声でそう言った。
今いる場所が中庭であることを思い出し、慌てて「しー!」と音量を下げるようジェスチャーをすると、意地の悪い彼は悪びれる様子もなくただ意味深に笑う。
「んー…じゃあ、そんなに不公平だと思うならさ」
「うん」
「みょうじちゃんもやってみる?ほら、今なら初回サービスで仕返しは免除してあげる」
「い、今!?や…でも、誰か来るかも…」
「じゃあ誰か来たら初回サービス剥奪ね」
誰にも予想できないタイムリミットを設けられ、焦った私は周囲を4度見くらいして誰もいないことを確認し、さらけ出された彼の首筋に唇を押し付けた。
「………あっ」
少しして顔を上げると、王馬くんの首筋には先程まではなかった赤い印がついていた。
意外と綺麗につけられるものだなぁ、なんて感激していたのも束の間で、彼が身を起こした途端に私は自分の犯した失態を自覚する。
「……下手くそ」
「すみません…」
明らかに服で隠れない位置についてしまったそれは、一体何日経てば消えるのだろう。
呆れ顔の王馬くんが何も気にすることなく食堂へ向かおうとするものだから、慌てて引き止めて絆創膏を貼った。
全く気にする素振りを見せない彼の様子から、もしかしたらあの痕が消えるまで、毎朝彼の元へ絆創膏を貼りに行かなければならないのかもしれない…と、しでかしてしまった事の重大さをじわじわと認識し始める。
なんだか最初の思惑とは全然違うなぁと思いながら、いつもより少し上機嫌な王馬くんと食堂に向かって歩き始めた。