恋愛ドラマ
おなまえ
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『私、先輩のことが好きです…!』
『ありがとう。オレも好きだよ』
テレビの中の男性が、相手の女性の長い髪をそっとすくうように撫でる。
そのままお互いの顔が近づいて……というところで、突然背後から声がかかった。
「はい、そこまで」
その一言と共に、再生していたドラマの映像がぴたりと止まる。
どうやら一時停止のボタンを押されてしまったらしい。
「お、おはようございます…」
「おはよう」
目を覚ました恋人、天くんがやや不機嫌そうに私が座るソファの隣へ腰を下ろした。
先に起きたからとテレビの録画整理を始めたところ、ドラマの続きが気になってつい再生してしまったのだ。
それも、目の前にいる彼が出演しているドラマを。
「ご、ごめんなさい…続きが気になってしまって…」
「別に怒ってはいないよ。でも、少し複雑な気分になるね。演技かつ仕事とはいえ、他の女性との絡みをキミに見られるのって」
心なしか『演技・仕事』のワードを強調してそう言った天くんは、テレビの画面で停止する自分自身を見て小さくため息をつく。
「うっ…すみません…」
「いいよ。ボクの仕事に興味を持ってもらえるのは嬉しいことだからね」
彼は落ち込む私を見てそう言った後、「でも、恋愛モノはボクがいない時に見てね」と付け足して微笑んだ。
「はいっ…!」
「ふふ、いい子だね」
天くんが私の髪をそっと撫でる。
その行為に、なんとなく先程見たばかりのラブシーンが重なって私の中にちょっとした疑問が生じた。
「…あの、ちょっと気になったんですけど…」
「何?」
「ああいうシーンの撮影があったりすると、一時でもお相手の女優さんのこと…好きになっちゃったりしないんですか?」
時間が止まったのかと思うような静寂。
前髪に隠れた表情を確かめようと彼に手を伸ばした時、その手をぐっと引かれて私はソファに倒れ込んだ。
「なるわけないでしょ」
次に目を開いた時には、やや、とか、少し、なんてものではない不機嫌なオーラを纏った天くんが私を見下ろすように見つめていた。
普段よりワントーン低い声からも、先程の言葉が相当気に障ったのだということが分かる。
謝罪の言葉を述べようと口を開いたが、声を発するより先に彼の唇が私のそれを塞いだ。
「んっ…ぅ…」
開いていた唇の隙間から、彼の舌がぬるりと差し込まれた。
息をつく間もなく口内の何かを探かのすように掻き回され、徐々に頭の中がぼんやりとしてくる。
もう限界、というところで一旦解放され、何かを言おうとすればまた唇を塞がれて…というのを数回繰り返した時、ぐったりとしてきた私の様子を見た天くんが、先程よりも少し顔を離してじっとこちらを見つめていた。
「ドラマの中の彼は彼、ボクはボクだよ。今からそれを教えてあげる」
「て、天く…?」
天くんが何やらリモコンを操作し、テレビから音が流れてくる。
どうやら先程まで見ていたドラマの別のシーンが再生されているようだ。
『先輩は私のどこを好きになってくれたの?』
『……そんなの、色々だよ』
『あ、照れてる。可愛い~』
『うるさいな…お前の方が、その…』
天くんがまたリモコンを操作して、再生されていたドラマがまた停止する。
「ボクだったらこんなことは言わない」
そう言って、先程離れた距離を詰めるようにずいっと顔を寄せてきた。
そのまま私の首筋に顔を埋め、時折ちゅっと音を立ててキスを落とされる。
くすぐったいが彼が覆い被さるように身を寄せているため、自分の身体をどこかへ逃がすことはできない。
「ボクはなまえの頑張り屋なところが好きだよ。一生懸命なところも、少し抜けているところも好き。笑顔も怒った顔も泣いた顔も、何をしていたってキミの全てが可愛くて仕方がない」
彼の口から紡がれる甘い言葉に、顔だけではなく全身に熱がこもるのが分かる。
きっと今の私は、身体のどこを切り取っても真っ赤な茹でダコのような色をしているに違いない。
「だけど、1番可愛いと思うのは…」
「…っ、ん…」
また首元にキスを落とされ、少し恥ずかしい声が漏れてしまい慌てて手の甲を口元に運ぶ。
息がかかり、天くんがふっ、と小さく笑ったのが分かった。
「ボクを好きだと言って、はにかむキミの顔かな」
「な、なんですか…それ」
「ほら、言ってみて」
「えぇっ…?」
少し身体を起こしてしっかりと私の目を見つめる天くん。
表情こそ優しいものの、『早く』と言わんばかりの視線に耐えきれず私はおずおずと口を開いた。
「す、好き…です」
「うん、ボクも好きだよ」
唇の先を軽く触れ合わせた後、2人ともソファに座り直す。
変なことを聞いてごめんなさい、と伝えると優しく頭を撫でてくれた。
「違ったでしょ?」
「何がですか?」
「ドラマの彼とボク」
天くんはテレビの電源を消しながら、こくこくと頷く私を見て満足気に微笑んだ。
『ありがとう。オレも好きだよ』
テレビの中の男性が、相手の女性の長い髪をそっとすくうように撫でる。
そのままお互いの顔が近づいて……というところで、突然背後から声がかかった。
「はい、そこまで」
その一言と共に、再生していたドラマの映像がぴたりと止まる。
どうやら一時停止のボタンを押されてしまったらしい。
「お、おはようございます…」
「おはよう」
目を覚ました恋人、天くんがやや不機嫌そうに私が座るソファの隣へ腰を下ろした。
先に起きたからとテレビの録画整理を始めたところ、ドラマの続きが気になってつい再生してしまったのだ。
それも、目の前にいる彼が出演しているドラマを。
「ご、ごめんなさい…続きが気になってしまって…」
「別に怒ってはいないよ。でも、少し複雑な気分になるね。演技かつ仕事とはいえ、他の女性との絡みをキミに見られるのって」
心なしか『演技・仕事』のワードを強調してそう言った天くんは、テレビの画面で停止する自分自身を見て小さくため息をつく。
「うっ…すみません…」
「いいよ。ボクの仕事に興味を持ってもらえるのは嬉しいことだからね」
彼は落ち込む私を見てそう言った後、「でも、恋愛モノはボクがいない時に見てね」と付け足して微笑んだ。
「はいっ…!」
「ふふ、いい子だね」
天くんが私の髪をそっと撫でる。
その行為に、なんとなく先程見たばかりのラブシーンが重なって私の中にちょっとした疑問が生じた。
「…あの、ちょっと気になったんですけど…」
「何?」
「ああいうシーンの撮影があったりすると、一時でもお相手の女優さんのこと…好きになっちゃったりしないんですか?」
時間が止まったのかと思うような静寂。
前髪に隠れた表情を確かめようと彼に手を伸ばした時、その手をぐっと引かれて私はソファに倒れ込んだ。
「なるわけないでしょ」
次に目を開いた時には、やや、とか、少し、なんてものではない不機嫌なオーラを纏った天くんが私を見下ろすように見つめていた。
普段よりワントーン低い声からも、先程の言葉が相当気に障ったのだということが分かる。
謝罪の言葉を述べようと口を開いたが、声を発するより先に彼の唇が私のそれを塞いだ。
「んっ…ぅ…」
開いていた唇の隙間から、彼の舌がぬるりと差し込まれた。
息をつく間もなく口内の何かを探かのすように掻き回され、徐々に頭の中がぼんやりとしてくる。
もう限界、というところで一旦解放され、何かを言おうとすればまた唇を塞がれて…というのを数回繰り返した時、ぐったりとしてきた私の様子を見た天くんが、先程よりも少し顔を離してじっとこちらを見つめていた。
「ドラマの中の彼は彼、ボクはボクだよ。今からそれを教えてあげる」
「て、天く…?」
天くんが何やらリモコンを操作し、テレビから音が流れてくる。
どうやら先程まで見ていたドラマの別のシーンが再生されているようだ。
『先輩は私のどこを好きになってくれたの?』
『……そんなの、色々だよ』
『あ、照れてる。可愛い~』
『うるさいな…お前の方が、その…』
天くんがまたリモコンを操作して、再生されていたドラマがまた停止する。
「ボクだったらこんなことは言わない」
そう言って、先程離れた距離を詰めるようにずいっと顔を寄せてきた。
そのまま私の首筋に顔を埋め、時折ちゅっと音を立ててキスを落とされる。
くすぐったいが彼が覆い被さるように身を寄せているため、自分の身体をどこかへ逃がすことはできない。
「ボクはなまえの頑張り屋なところが好きだよ。一生懸命なところも、少し抜けているところも好き。笑顔も怒った顔も泣いた顔も、何をしていたってキミの全てが可愛くて仕方がない」
彼の口から紡がれる甘い言葉に、顔だけではなく全身に熱がこもるのが分かる。
きっと今の私は、身体のどこを切り取っても真っ赤な茹でダコのような色をしているに違いない。
「だけど、1番可愛いと思うのは…」
「…っ、ん…」
また首元にキスを落とされ、少し恥ずかしい声が漏れてしまい慌てて手の甲を口元に運ぶ。
息がかかり、天くんがふっ、と小さく笑ったのが分かった。
「ボクを好きだと言って、はにかむキミの顔かな」
「な、なんですか…それ」
「ほら、言ってみて」
「えぇっ…?」
少し身体を起こしてしっかりと私の目を見つめる天くん。
表情こそ優しいものの、『早く』と言わんばかりの視線に耐えきれず私はおずおずと口を開いた。
「す、好き…です」
「うん、ボクも好きだよ」
唇の先を軽く触れ合わせた後、2人ともソファに座り直す。
変なことを聞いてごめんなさい、と伝えると優しく頭を撫でてくれた。
「違ったでしょ?」
「何がですか?」
「ドラマの彼とボク」
天くんはテレビの電源を消しながら、こくこくと頷く私を見て満足気に微笑んだ。
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