満開のキミと、咲きかけのボク
おなまえ
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朝起きて、準備をして、レストランへ行く。
ボク達の毎日はいつもそこから始まる。
ただ最近は…その前に別の日課ができてしまったけれど。
「狛枝くーん!!!」
ダダダダダ…という轟音と共に、やけに明るいトーンでボクの名前を呼ぶ声。
これを聞くと、今日も朝が来たんだなー…なんて、のんきに考えてしまうボクは相当毒されてきているのかもしれない。
「おはよう、みょうじさん」
「おはよう!好きです!!」
にこやかに挨拶をすれば、その返事と何故か告白が付いてくる。
聞き間違いかな?とか、これが彼女流の朝の挨拶なのかも…とか、最初はそんな風に思っていたけれど、どうもこの告白付属の挨拶はボクに対してだけらしい。
「あは、ありがとう。希望に満ちた超高校級の才能を持つみょうじさんに告白されるなんて…ボクは……幸せものだな………」
始まって数回の内は心からこの言葉が言えたものだ。
今となってはもはや作業。毎朝の日課の一部となっている。
若干人とは違う感性を持っているらしいボクにだって、毎日毎日こんな長ったらしい台詞を心を込めて言い続けることはできない。
希望は素晴らしいものだ。超高校級の才能は希望の光に満ち溢れた尊ぶべきもの。…と思っていたんだけれど…桜野さんに対してはどうも最近この感覚が鈍りかけている気がしなくもない。
いや、もちろんみょうじさんの才能自体は素晴らしい希望そのものだ。
問題は、彼女の才能と、彼女自身の人格とをボク自身分けて考え始めてしまっていること。
ボクに構っている間のみょうじさんは、才能を発揮できていないわけだから…仕方がないのかもしれないけれど。
「困ったね…」
ボクはただ、希望が輝くための手伝いがしたいんだ。でも、ボクがいることによってみょうじさんの才能は輝けていない気がしてくる。
「どうすればいいんだ…どうすればキミを輝かせることが…うぅ…」
「なぁ、日向…狛枝のヤツどうしたんだ?とうとうおかしくなっちまったか?」
「さぁな…元々変わったやつではあったけどここ最近は…なんというか、すごいな」
左右田クンと日向クンまで悩ませてしまうなんて…本当にボクはどうしようも無いクズだね。
やっぱりここは、みょうじさんに分かってもらうしかない。
キミがキミの希望を輝かせるためには、ボクなんかに構ってる場合じゃないってことを。
そうと決まれば善は急げだ、朝食後に個室へと戻る彼女を呼び止めてキャンドラビーチに連れ出した。
「みょうじさん…ボクはキミに伝えたいことがあるんだ」
「えっ…う、うん…なんだろう?」
十中八九分かっていない様子のみょうじさんはもじもじしながら俯いている。
「ボクはね、みんなの希望の踏み台になら喜んでなりたいと思ってるんだ」
「うん、みんな知ってるよ」
「それは良かったよ。だからね、みょうじさんの素晴らしい才能が、ボクなんかにかまけているせいで輝けないなんて耐えられない」
「そんな!それは違うよ!」
彼女には珍しく大きめの声でそう言われた。
何が違うんだろうか…。ボクにはさっぱりだよ。
だけどみょうじさんは今にも斬りかかってきそうな勢いでボクに詰め寄る。
「なんで狛枝くんのせいで私が輝けないって思うの?そんなの間違いだらけだよ!狛枝くんのおかげで私は今までよりも世界がキラキラして見えるし、毎日頑張ろうって思えるし、澪田さんに最近可愛くなったって言われるし、良い事づくめだよ!……狛枝くんは、迷惑だった?私のこと」
勢い良く喋りだしたみょうじさんだけど、最後にはしゅんと落ち込みながらそう語る。
ああ、困った。そんな顔をして欲しかったわけじゃないんだけどな。
「迷惑なんかじゃないよ、ただボクは…ボクのために使っている時間が勿体ないってことを…」
「分かった!」
「分かってくれたんだね、良かったよ」
「私が才能を磨いてるところを狛枝くんが見守っててくれたらいいんじゃないかな!」
「えっ…と?」
よく分からない。
才能を磨く時間を儲けることは素晴らしいと思うし、ボクにとっても心から願っていたことだ。
ただ、それをボクが見守る…?それによってなんの意味があるのだろう。
これまでの彼女の行動からして、ボクが近くにいると気が削がれて、才能云々の問題ではなくなるような気がしてしまうのだが。
「私は狛枝くんが好き。できる限り一緒にいたくて、こうして付きまとったり、コテージ前で待ち伏せしたり…とにかく接点を持ちたくて必死なの」
「そ、そう…待ち伏せの件は知らなかったな…」
「だからね、初めから狛枝くんが近くにいてくれれば、私が自分の才能に向き合う時間が増えると思わない?」
分かるような、分からないような。
彼女なりに、ボクのことを言いくるめようと必死なことだけは分かる。
その必死な姿に、何故だか背筋がゾクゾクと粟立った。
「…あはは、そうだなぁ。ボクはそうは思わないよ」
「ええっ!」
「だって、みょうじさんはボクのことが好きなんでしょ?」
「うん!大好きだよ!」
「そんなに大好きなボクが近くにいて、自分の才能磨きに集中できるの?」
「……それは…うっ、無理かも!」
正直者なみょうじさんは、その状況を頭の中でシミュレートしたらしい。
苦々しい顔で「無理かも」と告げる、その裏表のなさが可愛いとすら思えてくる。
…あれ?ボク、今彼女のことを可愛いと思った…?
「うーん、うーん…じゃあ……他になにかいい方法……」
「…でも、試してみるだけならいいよ」
「えっ?」
「みょうじさんの案。ボクも、キミの才能が輝くところが見たいから」
「えぇっ!へ、へへ…そっか。でも、才能…そうだよね、狛枝くんってそういう人だもんね…」
みょうじさんは、ぱぁっと咲かせた笑顔をすぐに曇らせてしまった。
本当は才能だけじゃない、キミ自身にも少し興味が湧いたんだって伝えたら、一体どんな顔を見せてくれるんだろう。
伝えるにはまだ早い、芽生えたばかりのこの気持ちを。
いつか伝える日が来たのなら、彼女は笑ってくれるだろうか。
…なんて、やっぱりボクは相当毒されているみたいだね。
ボク達の毎日はいつもそこから始まる。
ただ最近は…その前に別の日課ができてしまったけれど。
「狛枝くーん!!!」
ダダダダダ…という轟音と共に、やけに明るいトーンでボクの名前を呼ぶ声。
これを聞くと、今日も朝が来たんだなー…なんて、のんきに考えてしまうボクは相当毒されてきているのかもしれない。
「おはよう、みょうじさん」
「おはよう!好きです!!」
にこやかに挨拶をすれば、その返事と何故か告白が付いてくる。
聞き間違いかな?とか、これが彼女流の朝の挨拶なのかも…とか、最初はそんな風に思っていたけれど、どうもこの告白付属の挨拶はボクに対してだけらしい。
「あは、ありがとう。希望に満ちた超高校級の才能を持つみょうじさんに告白されるなんて…ボクは……幸せものだな………」
始まって数回の内は心からこの言葉が言えたものだ。
今となってはもはや作業。毎朝の日課の一部となっている。
若干人とは違う感性を持っているらしいボクにだって、毎日毎日こんな長ったらしい台詞を心を込めて言い続けることはできない。
希望は素晴らしいものだ。超高校級の才能は希望の光に満ち溢れた尊ぶべきもの。…と思っていたんだけれど…桜野さんに対してはどうも最近この感覚が鈍りかけている気がしなくもない。
いや、もちろんみょうじさんの才能自体は素晴らしい希望そのものだ。
問題は、彼女の才能と、彼女自身の人格とをボク自身分けて考え始めてしまっていること。
ボクに構っている間のみょうじさんは、才能を発揮できていないわけだから…仕方がないのかもしれないけれど。
「困ったね…」
ボクはただ、希望が輝くための手伝いがしたいんだ。でも、ボクがいることによってみょうじさんの才能は輝けていない気がしてくる。
「どうすればいいんだ…どうすればキミを輝かせることが…うぅ…」
「なぁ、日向…狛枝のヤツどうしたんだ?とうとうおかしくなっちまったか?」
「さぁな…元々変わったやつではあったけどここ最近は…なんというか、すごいな」
左右田クンと日向クンまで悩ませてしまうなんて…本当にボクはどうしようも無いクズだね。
やっぱりここは、みょうじさんに分かってもらうしかない。
キミがキミの希望を輝かせるためには、ボクなんかに構ってる場合じゃないってことを。
そうと決まれば善は急げだ、朝食後に個室へと戻る彼女を呼び止めてキャンドラビーチに連れ出した。
「みょうじさん…ボクはキミに伝えたいことがあるんだ」
「えっ…う、うん…なんだろう?」
十中八九分かっていない様子のみょうじさんはもじもじしながら俯いている。
「ボクはね、みんなの希望の踏み台になら喜んでなりたいと思ってるんだ」
「うん、みんな知ってるよ」
「それは良かったよ。だからね、みょうじさんの素晴らしい才能が、ボクなんかにかまけているせいで輝けないなんて耐えられない」
「そんな!それは違うよ!」
彼女には珍しく大きめの声でそう言われた。
何が違うんだろうか…。ボクにはさっぱりだよ。
だけどみょうじさんは今にも斬りかかってきそうな勢いでボクに詰め寄る。
「なんで狛枝くんのせいで私が輝けないって思うの?そんなの間違いだらけだよ!狛枝くんのおかげで私は今までよりも世界がキラキラして見えるし、毎日頑張ろうって思えるし、澪田さんに最近可愛くなったって言われるし、良い事づくめだよ!……狛枝くんは、迷惑だった?私のこと」
勢い良く喋りだしたみょうじさんだけど、最後にはしゅんと落ち込みながらそう語る。
ああ、困った。そんな顔をして欲しかったわけじゃないんだけどな。
「迷惑なんかじゃないよ、ただボクは…ボクのために使っている時間が勿体ないってことを…」
「分かった!」
「分かってくれたんだね、良かったよ」
「私が才能を磨いてるところを狛枝くんが見守っててくれたらいいんじゃないかな!」
「えっ…と?」
よく分からない。
才能を磨く時間を儲けることは素晴らしいと思うし、ボクにとっても心から願っていたことだ。
ただ、それをボクが見守る…?それによってなんの意味があるのだろう。
これまでの彼女の行動からして、ボクが近くにいると気が削がれて、才能云々の問題ではなくなるような気がしてしまうのだが。
「私は狛枝くんが好き。できる限り一緒にいたくて、こうして付きまとったり、コテージ前で待ち伏せしたり…とにかく接点を持ちたくて必死なの」
「そ、そう…待ち伏せの件は知らなかったな…」
「だからね、初めから狛枝くんが近くにいてくれれば、私が自分の才能に向き合う時間が増えると思わない?」
分かるような、分からないような。
彼女なりに、ボクのことを言いくるめようと必死なことだけは分かる。
その必死な姿に、何故だか背筋がゾクゾクと粟立った。
「…あはは、そうだなぁ。ボクはそうは思わないよ」
「ええっ!」
「だって、みょうじさんはボクのことが好きなんでしょ?」
「うん!大好きだよ!」
「そんなに大好きなボクが近くにいて、自分の才能磨きに集中できるの?」
「……それは…うっ、無理かも!」
正直者なみょうじさんは、その状況を頭の中でシミュレートしたらしい。
苦々しい顔で「無理かも」と告げる、その裏表のなさが可愛いとすら思えてくる。
…あれ?ボク、今彼女のことを可愛いと思った…?
「うーん、うーん…じゃあ……他になにかいい方法……」
「…でも、試してみるだけならいいよ」
「えっ?」
「みょうじさんの案。ボクも、キミの才能が輝くところが見たいから」
「えぇっ!へ、へへ…そっか。でも、才能…そうだよね、狛枝くんってそういう人だもんね…」
みょうじさんは、ぱぁっと咲かせた笑顔をすぐに曇らせてしまった。
本当は才能だけじゃない、キミ自身にも少し興味が湧いたんだって伝えたら、一体どんな顔を見せてくれるんだろう。
伝えるにはまだ早い、芽生えたばかりのこの気持ちを。
いつか伝える日が来たのなら、彼女は笑ってくれるだろうか。
…なんて、やっぱりボクは相当毒されているみたいだね。
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