恋バナ
おなまえ
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「おはよう、みょうじさん」
「あ、狛枝くんおはようー」
いつもより早めにレストランに行き、もしかして一番乗り?なんて思いながら中に入ると、先に来ていた狛枝に挨拶をされた。
「早いね、いつも一番にくるの?」
「んー、そういうわけじゃないんだ。今日はたまたま早く起きたからだよ」
そう言って狛枝は、納得したようにうんうんと呟いた。
最も、なまえにとってはそれがどういう意味なのか全くわからなかったが。
「ねぇねぇ狛枝くん」
「どうしたの?」
「この間ね、左右田くんに聞いたんだけど…好きな人がいるってほんと?」
他に誰もいないのを良いことに、ここぞとばかりの疑問をぶつけてみた。
狛枝は飲んでいた水を吹き出しそうになるのを堪えたせいでむせ返り、もはや涙目だ。
「だ、大丈夫?」
「…うん、なんとかね…。ところでその話、いつ聞いたの」
「えっとね…昨日左右田くんと日向くんと一緒だったんだけど…。その時に、左右田くんが最近の狛枝くんはおかしい!きっと恋だ!って」
「…びっくりするくらい信憑性のない話だね」
狛枝は呆れたようにそう言った。
「えへへ…でも気になっちゃって」
「あは、その答えが知りたいの?」
「うん!教えてくれるの?」
「いいよ、と言いたいところだけど…ボクばっかり秘密を教えるのはフェアじゃないよね」
「まぁ…そうだね」
「みょうじさんが全く同じ質問に答えてくれるなら、ボクも教えてあげるよ」
爽やかスマイルの狛枝に対し、なまえはいいよと答えられず言葉に詰まった。
というのも、なまえはかなり前から狛枝に想いを寄せていた。…いわゆる一目惚れというやつをしてしまったから。
とはいえ、相手まで聞かれているというわけでもないし…とそこまで考え、やっとの思いで声を出した。
「い、いいよ」
「あはは、みょうじさんがそんなに緊張してるの初めて見たよ」
「逆に狛枝くんはいつもその調子で羨ましいよ」
「そんなことないよ。それじゃあ、どうする?ボクから答えた方がいいのかな?」
「うーん、じゃあせーので言おっか」
だって、いないって言われてもいるって言われても、軽く凹んでしまいそうだから。
「せーのっ」
『いる』
綺麗にハモったその言葉は、なまえにほんの少しの期待と大きな不安を与えた。
「わ、ほんとだったんだ!」
悟られないよう、いつも通りを演じる。
なんでもないただの雑談をしているだけ、と自分自身に言い聞かせながら。
「あは、左右田くんの観察眼も中々のものだったんだね」
「そうだね、なんか意外。…ね、狛枝くん」
「なぁに?」
「好きな人って…この島にいる人?」
「うん、そうだよ」
狛枝は目を細めて微笑む。
まるで何かを愛でる時のようなその表情に、なまえの胸がズキンと痛んだ。
この島にいる女の子たちはみんなそれぞれ個性的でありながら、スタイルや愛嬌といった女性らしい魅力も兼ね備えた人が多いから。
こんなに普通の私なんて…と思いながらも、どうしても気になってしまい、胸の痛みを堪えながら壱花はまた口を開く。
「そ、そうなんだ!うーん…やっぱりソニアさんかな?しっかりしてる小泉さんて可能性も…」
「ふふ…多分、今キミが思い描いてる人の中にはいないと思うよ」
私の思う人じゃない。その言葉で頭の中がハテナマークでいっぱいになる。
「…えっ、じゃあまさか…日向くん!?」
「おや、そっちにいっちゃったか…」
「それでもないの!?ま、まさかこの島には18人目の高校生が…」
「いないよ…多分ね」
もはやショート寸前といった様子のなまえに、狛枝は小さく笑ってから手を伸ばした。
「そうじゃなくて。ボクが好きなのは…みょうじ なまえさん、キミなんだよ」
狛枝がぽんぽんと頭を撫でると、なまえの顔はどんどん熱を帯びていく。
「…わ、私も…狛枝くんが好き…だよ」
やっとの思いで答えられたのは、他のみんながレストランにくる少し前のことだった。
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