超高校級の相談窓口
おなまえ
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※日向視点
「日向クン、ちょっと相談があるんだ…」
「おう、どうした?」
海での採取作業中、今日の相方である狛枝に話しかけられ手を止める。
「ごめんね、作業を続けながらでいいから話を聞いてもらえないかな」
「あぁ…わかった」
そう言われたのでまた手を動かし、耳にも意識を向けつつ狛枝の言葉を待つ。
「みょうじさんのことなんだけどね。なんというか、いつもボクばかりというか…いや、気持ちを疑ってるってわけじゃないんだけど…」
その場にいないみょうじへの気遣いからか、いまいち要領を得ない狛枝の相談内容はこうだ。
飽きられているというわけではないだろうが、みょうじにばかり気持ちの余裕がある気がする。
その理由は、すぐ嫉妬したり感情を抑えられなくなる自分に比べみょうじからそれに近いものを感じたことがないから。
もしかしたら重いと思われているのではないか、更にこのままでは自分は捨てられてしまうのでは…ということだった。
恋愛に関しては自分よりは狛枝の方が経験値があるだろうに、と正直何をどうすべきか困ってしまう。
どこまで介入していいのやら…と悩みながら今日の作業時間が終了した。
「狛枝、明日俺とみょうじが同じ担当だからそれとなく聞いてみるよ」
「ありがとう、日向クン。さすがは超高校の相談窓口だね。素晴らしい希望を感じるよ」
胡散臭い面倒臭いが全面に押し出された狛枝から、よくわからない感謝のされ方をしつつその日の話は終わった。
*****
「みょうじ、その…最近どうだ?」
「最近?…うん、まぁ普通に元気だよ?」
狛枝から相談を受けた翌日、なんと切り出せばいいのか分からず若干怪しいスタートになってしまった。
「あ、いや。昨日狛枝と一緒だったんだけどな、微妙に元気がなさそうだったから」
「えっ、狛枝くんが?」
「体調が悪いわけじゃないらしいぞ。悩み事があるとかなんとか」
「…ふぅん。日向くんには、そういうこと言うんだ…」
みょうじの声のトーンが低くなったことに驚きそちら側を見ると、どことなく不機嫌そうな彼女と目があった。
「お、おい…どうしたんだ?」
「別になんでもないよ」
絶対なんでもなくないだろ…。
と思ったがそんなことは言えない。
「俺でよければ聞くぞ…?」
「………狛枝くん、そういう相談とか私にしてくれないんだよ。困ってても、無理やり聞き出さないと話してくれない」
「それは、お前に心配かけたくないからじゃないか?」
「だけど、言ってくれない方が心配になるでしょ?」
「それは…そうだな」
「はぁ…いいなぁ、日向くんは」
なるほど。
要するにみょうじは、狛枝から相談を受けた俺に嫉妬している…のか?
というより、みょうじはみょうじでそのことを気にしているらしい。
なんというかもう2人で話し合ってくれと言いたくなってきた。
「私、もしかして狛枝くんに信頼されてないのかな?あんまり愛情表現とか恥ずかしくてできないから愛想尽かされちゃったのかな?ねぇ日向くんどう思う?」
話し始めると止まらなくなったらしいみょうじはもう涙目で、こんなに取り乱す彼女を見たことがなかった俺は不覚にも少しドキっとしてしまった。
これは、絶対狛枝には言わないでおこう…。
「愛想尽かしたってことは絶対にない…と思うぞ。だから、お前はその気持ちをあいつにぶつけてみたらどうだ?」
「日向くん…そうだよね。言わなきゃ伝わらないことだってあるよね。うん、ありがとう日向くん!さすが超高校級の相談窓口だね!」
腑に落ちない肩書きが定着していることに恐怖を覚えつつ、その後も何度か弱気になるみょうじを励ましながらその日の作業が終わった。
よし、後はあいつに話を付けるだけだな。
「狛枝。ちょっといいか?」
「日向クン!もちろんだよ!」
夕食後、コテージに戻ろうとする狛枝を捕まえ俺の部屋に招き入れた。
「みょうじのことなんだけどな」
「うん」
「とりあえず、お前のことが嫌いだとか、どうでもいいと思ってるわけではなさそうだった。あいつにも色々思うところがあるみたいだったし、後はお互いちゃんと話をするのが1番なんじゃないか」
俺の言葉に狛枝は神妙な顔つきで頷いている。
「ありがとう、日向クン!ボク行ってくるよ!」
少し考えてから、納得したように狛枝の表情が軽くなった。
そしてそのままの勢いで俺の部屋から出ていく狛枝を何だか一仕事を終えたような、不思議と清々しい気持ちで見守っている俺がいた。
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