このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

記録

旧ページより4

2024/08/26 21:42
いかにも悪党といった風体の男たちの後ろに一人だけ浮いている感じの娘。
それは僕が先日助けたあの若い母親だった。
男たちに無理やり連れて来られたのではないことはこの前とは対照的にずるそうな笑顔を見れば一目瞭然だった。
男の一人の腕になれなれしくじゃれつき、
「ねえねえ、あたしの言った通りでしょ?早く約束の金くださいよお~」「わかったわかった、本当がめつい女だなおめえも、俺たち以上かもな。」
金を受け取った女はこれで新しいアクセサリーが買える、と踊るような足取りで去っていった。
子供のためというのは全くのでまかせだったのだ。
『--やはり人など信じるに値しないのか?--』
その声はどこか彼方から響いてくるようにも、僕の中の奥深くからの嘆きのようにも聞こえた。
→次へ

コメント

[ ログインして送信 ]

名前
コメント内容
削除用パスワード ※空欄可