第1章「ガチンコベイ誕生!!」
翌日。旅の疲れからか意外と早く寝てしまったドラム達は気持ちのいい朝を迎え、タンゴが作った朝ごはんを食べていた。タンゴ特製のナイスベイブレードパンは、ふわふわでモチモチのパンを頬張るドラムの隣で小さな口でゆっくりとそれを食べる。
「よっし、これでアマネにかーーーつッッ!!」
「もう少し落ち着いて食べてくださいまし……。」
「お前も早く食べろよ〜早く食って練習すっぞ!それとも食べづらいのか?食べさせてやるよ!」
「うるさい……1人で食べれますわ!」
近寄るドラムを嫌がり、頬を手で押しのけていると外のドアが開いた。どうやらアマネ達が来たのだ。キッチンに入り、タンゴはアマネ達に軽く挨拶すると、取っ組み合いに近い行為をしていたドラム達もアマネの存在に気づくと立ち上がりアマネの所に行くと途端に顔真っ赤のコワ顔になり、早速バトルの申込み。昨日あの後疲れて倒れるほどバトルしたらしく、その結果はドラムの惨敗。ふん、ふんと息を荒くしだんだん顔が寄っていくドラムを押しのけ、呆れた顔で見るアマネ。そんな事気にせずドラムはポケットからドラゴンを取りだし、アマネに突き出す。するとタンゴが横から割って入るように口を挟む。
「待て待て、まずはランニングからだ。」
「えぇ〜っ」
「いいから行ってこい。全ては走った先にあ〜る」
「そっか!」
とは言ったもののあまり理解していないだろうドラム。颯爽とクラブを出ていき、そのままランニングへと向かった。みんなでランニングするんだよ、と、タカネがドラムの後ろを着いていき、2人ともどこかへ言ってしまった。
「あーあ、行っちゃった。」
「……。」
「いいの?放っておいて。」
「もういいですわ。タカネがついているし、彼の連絡を待ちましょう。」
ドラムは爆走で町を走りその後ろを遠くからだがタカネがついていく。すると、ドラムは大きな通りのど真ん中で止まり、耳をすませた。どうやら何か聞こえるらしい。しばらく見渡しながら聞いていると……
――カキン、カキン。
何か金属のようなものが当たっている音が聞こえる。ここら辺…いやこの世界で金属がぶつかる音と言えば「ベイブレード」だ。ドラムはその音を頼りに目の前を見ると、大きなベイクラブがそこにはそびえ立っていた。
「走った先になんかあった!」
「いやだから、そういう事じゃなくて……」
「へへっ……おはよーーーございまーーーーす!!!!」
タカネは中に入っていくドラムよりも、そこに建っているベイクラブに見覚えがあった。いや、見覚えというレベルではない。タカネはそれに恐怖すら覚えている。彼は慌ててビクトリーズへ戻って行った。
一方、ドラムは見知らぬベイクラブに入ると、そこには大勢の練習生が一斉にランチャーマシンを手に取り腕の筋トレをしている他、様々なトレーニング器具が揃っていて一目見ただけでBCソルよりも凄い設備の整った施設だと理解する。
すると、練習生は1列に並び、奥から現れる少年の登場を待っていた。
それは金髪の髪に派手な服装をした、いかにも「お金持ちのお坊ちゃん」と思わせる姿の少年はここのクラブ――「スパークデビルズ」のキャプテン、金道フミヤだ。
「やあ、おはよう。今日も元気よく練習しましょう。」
「はい!」
練習生達は返事をするとそれぞれの練習をしに戻っていく。ドラムが何が起きているのか困惑していると、フミヤが彼に声をかけた。
「やぁやぁ。君は入部希望者ですね?」
「んぁ?」
フミヤが指を回し指示を出すと後ろから高級そうな椅子を練習生が持ってきていた。フミヤの後ろに置くとフミヤはそこに座り、足を組んだ。
「スパークデビルズキャプテンの金道フミヤです。」
「すぱーくでびるず?」
「ブレイド町の優秀なブレーダーを集めた名門クラブなのですよ。」
「そうなのか!お、おれ!虹龍ドラム!よろしくなぁ……ッ!」
「ふふ、では……入部テストをさせていただきますね。」
そう言ってドラムとフミヤはスタジアムへ行き、それぞれ向かいに立った。そしてフミヤはズボンのポケットからオレンジ色のベイを取り出す。彼のガチンコベイ「ウィザードファブニル」だ。大きなラバー刃が3枚も付いている左回転のスタミナタイプのベイ。ウエイトには閃が入っている。
「うおお!超カッケェ!」
するとフミヤはファブニルをスタジアム中央へ置き、いつでもどうぞ。このファブニルを倒してみてください、とニコニコ笑顔でドラムに言う。止まったままだとすぐに倒されてしまうが、一体フミヤの作戦とは……?
「やってみて、面白いから。」
「え、えぇ……。ホントに、良いんだな?」
「もちろん!」
「よし、ガチやってやるからな!」
クスクス…練習生達はフミヤの実力を、ファブニルをよく知っている。だからこそドラムの自信を嘲笑うかのように見ている。
ドラムはそんな事気にせずランチャーを構えて勢いよくベイを放った。外側から内へ大きく攻めて行くと、ファブニルのラバー刃にドラゴンの刃が思い切りぶつかり、ファブニルは何故か回転し始めた。
理由はあのラバーだろう。ファブニルのラバー刃で相手からの回転を吸収し、自身の回転力とする能力を持っている。
ドラゴンは次から次へとファブニルに攻撃を仕掛け、その度にファブニルはドラゴンのパワーを吸収し、段々と回転が早くなる。いつの間にかセンターを陣取り、防御態勢になるファブニル。
ドラゴンの力強いアタックがファブニルに当たり、全てを吸収されたドラゴンはカラン…と、ファブニルの横で動きを止めてしまう。ドラムは負けて悔しいと思いきや、見たことが無いベイの能力に強く感心を受け、喜び声を上げる。
「君、筋がいいですね。スパークデビルズに入れば、強くなれるかもしれない。そおぉぉぉぉう!このボクのようにねぇえ〜〜〜〜ッッ!!?」
「へぇ〜!スゲェトコだな〜!!……うん、ここなら……」
……と、ドラムが周りを見ていると入口付近にイチカとその後ろにアマネ達がいた。タカネが知らせて慌てて駆けつけたのだろう。
「まさか、良いとかいうんじゃないんでしょうね。」
「えっ?」
「こ〜んなクラブに居ちゃダメよ。はい、帰る帰る。」
イチカが腰に手をやりジト目でドラムを見つめる。その時、フミヤはイチカ達を睨みつけ、自身のメガネをくい、と上げた。どうやらビクトリーズとスパークデビルズは何か因縁のようなものがあるようで。ニコニコの笑顔から急変、ビクトリーズを見下すように嘲笑った顔で「可哀想に」と言い放つ。
強いこそがベイブレードだと言うフミヤに対し、イチカは強いだけがベイブレードでは無い。楽しくやるのもベイブレードの醍醐味である、と反論する。
「確かに、強さを求める事も大事ですが、強さだけ求めても最終的には堕ちて自分を見失ってしまいますわ。だからこそ楽しさも大事なのでは無いのでしょうか。」
「はい出た!弱い奴の決まり文句!!そもそも強くなければ、楽しいも何も無いのに。」
フミヤの言葉にビクトリーズ面々をバカにするような笑いが飛び交う。怒りが今にも飛び出そうなイチカと、よく分かっていないドラムの前にアマネが飛び出してきた。どうやらベイバトルで黙らせるらしい。
「へぇ、君もガチンコベイにしたのか。」
「ガチンコベイじゃあお互い初めてのバトルだべな……。今日は絶対に勝つッッ。」
***
「な、なんなんだよ……。」
「金道フミヤと兄ちゃんはずっとライバルなんだ。」
「そうなのか……。」
タカネは自撮り棒にスマホをセットして電源を付けるとそのまま生配信を始める。
タカネ達はスタジアムの外で観戦し、練習生が審判を務めることになる。
「ファーストバトル!」
「一発勝負だ。返り討ちにしてあげるよ。この際、君諸共、弱小クラブを消滅させてもらおうかな。」
「むぅ……ッ。」
「ファブニル相手にどう戦うんだ〜ッ!?」
「貴方呑気ですわね。これでアマネが負けたら私 達スペインに帰るんですのよ。」
「えっ!それって」
「武者修行が終わるのよ。」
「オレたちの修行が終わる〜ッ!?うおお!アマネ、ゼッテェ勝てよなー!!」
アマネは左腕に付けているハチマキを頭に巻き、ランチャーにベイをセットした。アマネの気合い十分だ。
そして、練習生の合図と共にお互い声を揃えてお互い勢いよくスタジアムにベイを放った!お互いスタジアムの外側を走り、外側の方でファーストアタックが始まるかと思いきや、ギリギリの所で素通りしていく。ディフェンスタイプもスタミナタイプも、センターを取るのが定石だが、ファブニルは今回その選択を取らなかった。代わりにアシュラがセンターを取り、防御態勢。
「とらえろ!ファブニル!!」
ファブニルが勢いのままセンターにいるアシュラに激突。そのまま鍔迫り合いが始まる。
「それを待ってたべ!キープカウンター!!」
アシュラのキープドライバーが傾き、ファブニルの攻撃から抜け出し、一気にカウンター攻撃を仕掛ける。ラバーのあるレイヤーではなく、ディスク目掛けてアタックするが、ファブニルのディスク――「ラチェットディスク」は右回転相手にはフリー回転し、相手の回転力を吸収出来る力があるのだ。
「まだまだァ!アシュラァアッ!!」
アマネが彼の名を叫ぶとベイが緑の炎に包まれ、中からアシュラのアバターが現れた。
「ハリケーンディフェンス!!」
アシュラのハリケーンディスクがファブニルのレイヤーに強く当たり、そのまま押し倒していく。フリー回転しているアシュラのディスクでは、ファブニルのラバー吸収も無意味と化す。吸収することを阻止されたファブニルは何度も攻撃された後、段々と回転が弱まっていく。
「貰ったべ!!」
「くっ………なぁぁあんてね?ウィザードファブニル!!!」
フミヤが彼の名を叫ぶとベイが黄色の炎に包まれ、中からファブニルのアバターが現れた。
軸先の周りにある支えが加速力になり、ファブニルは勢いを増してアシュラに激突。アシュラはそのまま場外へ飛び出し、オーバーフィニッシュでフミヤが1P先取。
「ああ、決められちゃった。」
「そんな……。」
「ファブニルのスタミナ、めちゃくちゃスゲェ!」
「あのドライバーが持久力と回転力を維持しているんですのね……。少々厄介ですわね。」
「これでわかっただろう?ビクトリーズにいる価値なんてこれっぽぉぉおちも無いってね。」
観戦していた練習生がビクトリーズに対し笑いながら貶したり、罵倒したり、明らかに自分達を下に見ている雰囲気を感じ取ったドラムは口先を尖らせ、じっと練習生を見ていた。
再びニコニコ笑顔になったフミヤに勧誘を申し込まれたドラムだが、ドラムは「ここでベイやりたくないや。」と言った。
「本当に?」
「ドラム……!」
「全く、一時期はどうなるかと思いましたわ。」
「それに、シズク1人じゃあ心配だからヨォ!シズクが行かないって言うならオレも行かない!……あっ!オレいい事思いついた!」
ドラムはポケットからドラゴンを出し、すごいベイにしてやると語りかけたあと、颯爽と自身が所属するベイクラブへ帰っていく。ドラムの後ろを他のメンバーもついて行く形でスパークデビルズから去っていく。
「わざわざフミヤさんが誘ってあげたのに……。なんだあの態度!?」
――「………面白くないな。」
「よっし、これでアマネにかーーーつッッ!!」
「もう少し落ち着いて食べてくださいまし……。」
「お前も早く食べろよ〜早く食って練習すっぞ!それとも食べづらいのか?食べさせてやるよ!」
「うるさい……1人で食べれますわ!」
近寄るドラムを嫌がり、頬を手で押しのけていると外のドアが開いた。どうやらアマネ達が来たのだ。キッチンに入り、タンゴはアマネ達に軽く挨拶すると、取っ組み合いに近い行為をしていたドラム達もアマネの存在に気づくと立ち上がりアマネの所に行くと途端に顔真っ赤のコワ顔になり、早速バトルの申込み。昨日あの後疲れて倒れるほどバトルしたらしく、その結果はドラムの惨敗。ふん、ふんと息を荒くしだんだん顔が寄っていくドラムを押しのけ、呆れた顔で見るアマネ。そんな事気にせずドラムはポケットからドラゴンを取りだし、アマネに突き出す。するとタンゴが横から割って入るように口を挟む。
「待て待て、まずはランニングからだ。」
「えぇ〜っ」
「いいから行ってこい。全ては走った先にあ〜る」
「そっか!」
とは言ったもののあまり理解していないだろうドラム。颯爽とクラブを出ていき、そのままランニングへと向かった。みんなでランニングするんだよ、と、タカネがドラムの後ろを着いていき、2人ともどこかへ言ってしまった。
「あーあ、行っちゃった。」
「……。」
「いいの?放っておいて。」
「もういいですわ。タカネがついているし、彼の連絡を待ちましょう。」
ドラムは爆走で町を走りその後ろを遠くからだがタカネがついていく。すると、ドラムは大きな通りのど真ん中で止まり、耳をすませた。どうやら何か聞こえるらしい。しばらく見渡しながら聞いていると……
――カキン、カキン。
何か金属のようなものが当たっている音が聞こえる。ここら辺…いやこの世界で金属がぶつかる音と言えば「ベイブレード」だ。ドラムはその音を頼りに目の前を見ると、大きなベイクラブがそこにはそびえ立っていた。
「走った先になんかあった!」
「いやだから、そういう事じゃなくて……」
「へへっ……おはよーーーございまーーーーす!!!!」
タカネは中に入っていくドラムよりも、そこに建っているベイクラブに見覚えがあった。いや、見覚えというレベルではない。タカネはそれに恐怖すら覚えている。彼は慌ててビクトリーズへ戻って行った。
一方、ドラムは見知らぬベイクラブに入ると、そこには大勢の練習生が一斉にランチャーマシンを手に取り腕の筋トレをしている他、様々なトレーニング器具が揃っていて一目見ただけでBCソルよりも凄い設備の整った施設だと理解する。
すると、練習生は1列に並び、奥から現れる少年の登場を待っていた。
それは金髪の髪に派手な服装をした、いかにも「お金持ちのお坊ちゃん」と思わせる姿の少年はここのクラブ――「スパークデビルズ」のキャプテン、金道フミヤだ。
「やあ、おはよう。今日も元気よく練習しましょう。」
「はい!」
練習生達は返事をするとそれぞれの練習をしに戻っていく。ドラムが何が起きているのか困惑していると、フミヤが彼に声をかけた。
「やぁやぁ。君は入部希望者ですね?」
「んぁ?」
フミヤが指を回し指示を出すと後ろから高級そうな椅子を練習生が持ってきていた。フミヤの後ろに置くとフミヤはそこに座り、足を組んだ。
「スパークデビルズキャプテンの金道フミヤです。」
「すぱーくでびるず?」
「ブレイド町の優秀なブレーダーを集めた名門クラブなのですよ。」
「そうなのか!お、おれ!虹龍ドラム!よろしくなぁ……ッ!」
「ふふ、では……入部テストをさせていただきますね。」
そう言ってドラムとフミヤはスタジアムへ行き、それぞれ向かいに立った。そしてフミヤはズボンのポケットからオレンジ色のベイを取り出す。彼のガチンコベイ「ウィザードファブニル」だ。大きなラバー刃が3枚も付いている左回転のスタミナタイプのベイ。ウエイトには閃が入っている。
「うおお!超カッケェ!」
するとフミヤはファブニルをスタジアム中央へ置き、いつでもどうぞ。このファブニルを倒してみてください、とニコニコ笑顔でドラムに言う。止まったままだとすぐに倒されてしまうが、一体フミヤの作戦とは……?
「やってみて、面白いから。」
「え、えぇ……。ホントに、良いんだな?」
「もちろん!」
「よし、ガチやってやるからな!」
クスクス…練習生達はフミヤの実力を、ファブニルをよく知っている。だからこそドラムの自信を嘲笑うかのように見ている。
ドラムはそんな事気にせずランチャーを構えて勢いよくベイを放った。外側から内へ大きく攻めて行くと、ファブニルのラバー刃にドラゴンの刃が思い切りぶつかり、ファブニルは何故か回転し始めた。
理由はあのラバーだろう。ファブニルのラバー刃で相手からの回転を吸収し、自身の回転力とする能力を持っている。
ドラゴンは次から次へとファブニルに攻撃を仕掛け、その度にファブニルはドラゴンのパワーを吸収し、段々と回転が早くなる。いつの間にかセンターを陣取り、防御態勢になるファブニル。
ドラゴンの力強いアタックがファブニルに当たり、全てを吸収されたドラゴンはカラン…と、ファブニルの横で動きを止めてしまう。ドラムは負けて悔しいと思いきや、見たことが無いベイの能力に強く感心を受け、喜び声を上げる。
「君、筋がいいですね。スパークデビルズに入れば、強くなれるかもしれない。そおぉぉぉぉう!このボクのようにねぇえ〜〜〜〜ッッ!!?」
「へぇ〜!スゲェトコだな〜!!……うん、ここなら……」
……と、ドラムが周りを見ていると入口付近にイチカとその後ろにアマネ達がいた。タカネが知らせて慌てて駆けつけたのだろう。
「まさか、良いとかいうんじゃないんでしょうね。」
「えっ?」
「こ〜んなクラブに居ちゃダメよ。はい、帰る帰る。」
イチカが腰に手をやりジト目でドラムを見つめる。その時、フミヤはイチカ達を睨みつけ、自身のメガネをくい、と上げた。どうやらビクトリーズとスパークデビルズは何か因縁のようなものがあるようで。ニコニコの笑顔から急変、ビクトリーズを見下すように嘲笑った顔で「可哀想に」と言い放つ。
強いこそがベイブレードだと言うフミヤに対し、イチカは強いだけがベイブレードでは無い。楽しくやるのもベイブレードの醍醐味である、と反論する。
「確かに、強さを求める事も大事ですが、強さだけ求めても最終的には堕ちて自分を見失ってしまいますわ。だからこそ楽しさも大事なのでは無いのでしょうか。」
「はい出た!弱い奴の決まり文句!!そもそも強くなければ、楽しいも何も無いのに。」
フミヤの言葉にビクトリーズ面々をバカにするような笑いが飛び交う。怒りが今にも飛び出そうなイチカと、よく分かっていないドラムの前にアマネが飛び出してきた。どうやらベイバトルで黙らせるらしい。
「へぇ、君もガチンコベイにしたのか。」
「ガチンコベイじゃあお互い初めてのバトルだべな……。今日は絶対に勝つッッ。」
***
「な、なんなんだよ……。」
「金道フミヤと兄ちゃんはずっとライバルなんだ。」
「そうなのか……。」
タカネは自撮り棒にスマホをセットして電源を付けるとそのまま生配信を始める。
タカネ達はスタジアムの外で観戦し、練習生が審判を務めることになる。
「ファーストバトル!」
「一発勝負だ。返り討ちにしてあげるよ。この際、君諸共、弱小クラブを消滅させてもらおうかな。」
「むぅ……ッ。」
「ファブニル相手にどう戦うんだ〜ッ!?」
「貴方呑気ですわね。これでアマネが負けたら
「えっ!それって」
「武者修行が終わるのよ。」
「オレたちの修行が終わる〜ッ!?うおお!アマネ、ゼッテェ勝てよなー!!」
アマネは左腕に付けているハチマキを頭に巻き、ランチャーにベイをセットした。アマネの気合い十分だ。
そして、練習生の合図と共にお互い声を揃えてお互い勢いよくスタジアムにベイを放った!お互いスタジアムの外側を走り、外側の方でファーストアタックが始まるかと思いきや、ギリギリの所で素通りしていく。ディフェンスタイプもスタミナタイプも、センターを取るのが定石だが、ファブニルは今回その選択を取らなかった。代わりにアシュラがセンターを取り、防御態勢。
「とらえろ!ファブニル!!」
ファブニルが勢いのままセンターにいるアシュラに激突。そのまま鍔迫り合いが始まる。
「それを待ってたべ!キープカウンター!!」
アシュラのキープドライバーが傾き、ファブニルの攻撃から抜け出し、一気にカウンター攻撃を仕掛ける。ラバーのあるレイヤーではなく、ディスク目掛けてアタックするが、ファブニルのディスク――「ラチェットディスク」は右回転相手にはフリー回転し、相手の回転力を吸収出来る力があるのだ。
「まだまだァ!アシュラァアッ!!」
アマネが彼の名を叫ぶとベイが緑の炎に包まれ、中からアシュラのアバターが現れた。
「ハリケーンディフェンス!!」
アシュラのハリケーンディスクがファブニルのレイヤーに強く当たり、そのまま押し倒していく。フリー回転しているアシュラのディスクでは、ファブニルのラバー吸収も無意味と化す。吸収することを阻止されたファブニルは何度も攻撃された後、段々と回転が弱まっていく。
「貰ったべ!!」
「くっ………なぁぁあんてね?ウィザードファブニル!!!」
フミヤが彼の名を叫ぶとベイが黄色の炎に包まれ、中からファブニルのアバターが現れた。
軸先の周りにある支えが加速力になり、ファブニルは勢いを増してアシュラに激突。アシュラはそのまま場外へ飛び出し、オーバーフィニッシュでフミヤが1P先取。
「ああ、決められちゃった。」
「そんな……。」
「ファブニルのスタミナ、めちゃくちゃスゲェ!」
「あのドライバーが持久力と回転力を維持しているんですのね……。少々厄介ですわね。」
「これでわかっただろう?ビクトリーズにいる価値なんてこれっぽぉぉおちも無いってね。」
観戦していた練習生がビクトリーズに対し笑いながら貶したり、罵倒したり、明らかに自分達を下に見ている雰囲気を感じ取ったドラムは口先を尖らせ、じっと練習生を見ていた。
再びニコニコ笑顔になったフミヤに勧誘を申し込まれたドラムだが、ドラムは「ここでベイやりたくないや。」と言った。
「本当に?」
「ドラム……!」
「全く、一時期はどうなるかと思いましたわ。」
「それに、シズク1人じゃあ心配だからヨォ!シズクが行かないって言うならオレも行かない!……あっ!オレいい事思いついた!」
ドラムはポケットからドラゴンを出し、すごいベイにしてやると語りかけたあと、颯爽と自身が所属するベイクラブへ帰っていく。ドラムの後ろを他のメンバーもついて行く形でスパークデビルズから去っていく。
「わざわざフミヤさんが誘ってあげたのに……。なんだあの態度!?」
――「………面白くないな。」