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第3章 「バトルジャーニー!世界チャンピオンへの挑戦!!」

 試合は1-0でブリントが1点リードしている状況。ドラムはここからどう巻き返していくのか。2ndバトルで再びブリントがポイントを取ればその時点でドラムのバトルジャーニーは終了してしまう。
 追い込まれてしまったドラムの心に焦りが見え始める。
 タカネた達も、ブリントのベイ、ドレッドバハムートの情報を見ていても、ラバーで出来ているウエイトがロックを進みづらくさせており、何も良い対策が思い浮かばない。
(バーストしないベイは無い…ドレッドバハムートも必ずバーストさせる手段が何処かにあるはずですわ……。)
【2ndバトル。】
 ドラムはなにか困った時、ドラゴンに助けを求める。するとドラゴンは必ずドラムの声に応えてくれる。ドラムの目の前が白く光り始めて、気づくと目の前にはドラゴンが彼を見つめていた。
「デルタはどうやってアイツに勝ったんだ……!」
――お前はデルタじゃない。
「えっ…。」
自分のやり方を、見つけるんんだ。
「オレの――。」
 ドラムはぎゅ、とベイを握りしめるとベースをグランから得意分野のアタックタイプ、エースに変更した。
「フッ、精々僕のアートを味わいたまえ。」
集中するんだ。
「あぁ!集中、集中、集中だーーッ!!!!」
 ドラムの世界が一気に白一色になった。スタジアムただ一点を見つめ意識を集中させる。回りが応援する声も、シズクの声も、もはや対戦相手のブリントや審判の声も聞こえない。唯一聞こえるのは愛機ドラゴンの吐息、気配、情熱だけ。
【レディ……セット!!】
「「3!2!1!ゴーー……シュート!!!」」
 両者強烈なシュートが決まった。バハムートは早速センターを取り、防御体制へ。そのあとをドラゴンは必殺技「ドラゴンシュート」を発動させ、連続攻撃を仕掛けていく。バハムートのロックが、すこし、また少しと進んでいき、レイヤーの形も徐々に円形へと姿を変えていく。
「よし!」
「そうでなければ面白くない。さぁ、描こうか!!ドレッドサークルッ!!!」
 バハムートの形が完全に円形となり、防御力が各段に上がった。そのままセンターを死守し始める。これこそドレッドバハムートの完璧で非常に美しいディフェンスだ。
「そんなもんぶち破れーッ!」
 ドラゴンは更にバハムートに向かい攻めて行くが、真円となったバハムートはドラゴンの攻撃を次々といなしていく。
 更に、ブリントはバハムートとの共鳴を更に高めさせて、彼の名を叫ぶと、ベイが紫に燃え盛り、中からバハムートのアバターが現れた。このままばはが勝つかと思われたが――!
バハムートに芯を外されているぞ!!
「ッ!」
中心を狙え!
(中心……?!)
 ドラムはふとバハムートを見た。バハムートの中心、ドラムは本能でバハムートの中心部の芯を見るとニッ、と笑ってみせた。ドラムはドラゴンと強い共鳴を高めさせると、ベイが黄色と青の炎に包まれて、中からドラゴンのアバターが現れた。ドラゴンは加速し、黄金色に光り輝き始める。
 ドラムとドラゴンの絆は最高潮。
「ガチ!ガチ!ガチンコだぁぁぁぁッッ!!!」
 金色の輝きはバハムートの中心を見事貫き、勢いよくバーストさせた。

 ――カラン…。

 2ndバトルでなんとか逆転勝利したドラム。GT3の一人に勝利したことにより、会場にいる観客達は大いに盛り上がる。
「きっまりー!!」

「今の見た?」
「あぁ!」
「ゴールドターボだよ、ゴールドターボ!本当に出せるんだ、アイツが。」
「信用してなかったのかよ!?」
「うん」
「うんじゃねーよ」

 気持ちよく、温かい。それでいて眩しいゴールドターボを無事に出せて勝てたドラムは安堵の表情を浮かべる。しかし、ドラゴンはまだまだ成長する。まだまだ共鳴し、強くなろうとしている。もっと、もっと、最高のベイにしてもっと光り輝くドラゴンにしてみせる。
「くッ……何が最高だ…っ!!?」

 その後、第2、第4ステージと勝者が決まっていく。デルタ、フミヤ、アマネと苦労することなく相手ベイをバーストさせた。
 さぁ、勝者決まったところで二回目のサイコロターン。
「行くぜッ!みんなーー!!」
「レディ……セット!」
 3、2、1、ゴーシュート!と勢いよくストリングを引くとスロットのように数字は回り始める。
 アマネは再び6を叩き出した。現在先頭で進んでいる事となる。
 そしてドラムの運命の出目は……。
「んなぁー!2だぁーー!!」
「兄ちゃんは順調に進んでいるみたいだよ。」
「まさかの二回連続6。一気に12ステージ!」
「うぇー!?ずるーーーーーッッ!!!?」
「サイコロは時の運……って言うから、今回はドラムの運が悪かっただけですわ。」
 各自、出た数字をもとに進んでいく。
 ドラムは3ステージ、無人島エリアに着くと、誰も来る気配がなく、おそらく皆前に進んでおり、ドラムが一番遅いのだろう。
 第7ステージ、ブリッジステージではなんとGT3の茜デルタと金道フミヤが遭遇していた。
「茜デルタ……強いんだって?」
「……」
「だが残念!ボクには秘策があるんだよね。」
「…始めるぞ。」
「無視ですか。」

「フミヤの秘策って何だべ。」
「本当にあるのかなぁ。」
「!口は悪いけど、嘘は言わないよ!お兄ちゃんは。」
「デルタ〜!応援してますわよ〜頑張ってくださいまし〜!」
 シズクが遠くにいるデルタに声をかけたところで、ドラムの大きな声が響き渡った。どうやら第3ステージからここまで走ってきたらしく、デルタとフミヤの試合を見届ける様子だ。
「終わったらちゃんと戻るんですのよ。」
「分かってるって!」

【1stバトル。】
(イチカ…兄ちゃんが一番だって事、お前にわからせてやる!)
(……俺が、全員喰らって、シズクを導く光になるんだ…。)
 デルタは右回転、バランスタイプのベノムディアボロスを突き出した。それに対しフミヤはニヤリ、と笑った。
【レディ……セット!】
「「3!2!1!ゴーー……シューート!!!」」
 両機強烈なシュートが決まった…と思いきや、フミヤはストリングをゆるくひいて、低速シュートを出した。通常のベイなら低速シュートは望ましくないが、ファブニルが持つ特性、相手の回転力を奪う能力によって、低速でも相手から奪うことによってスピードを得ることが出来る。
 それは案の定フミヤの読み通りディアボロスのアタックはファブニルの力になり徐々に回転力を付けていく。だがしかし依然として低速なのには変わりない。
(これでいい。)

「パワー吸収狙い!?」
「いや、低速バースト狙いだ!!」
「左回転の低速ベイと、右回転の高速ベイがぶつかった時、遅い方はロックが閉まるのに対し、速い方はロックが一方的に外れバーストしてしまいますわ。フミヤがそれを狙っているのなら、この試合はランチャーを引いた時点で決まったも当然ですわ。でも……。」
「でも?」
「それを逆手に取られてたら……分からないかもしれませんわ。」
 ファブニルのカウンターが見事に決まり、ディアボロスがバーストしたかに思えたが……

――「デュアルファントム。」

 よく見れば、ベイが2つに分裂し、バレットと本体が並行して走り始める。低速バーストの強みを逆手に取り、ディアボロスの強みでもある分身攻撃に切り替えることが出来た。
 バレットがまず先にファブニルのラバーに攻撃を仕掛け、ファブニルはバレットのパワーをどんどん奪っていく。
「ちがう、ファブニル!吸収するんじゃない!!」
 ファブニルの回転力が最高速度に到達した時、ディアボロスの本体が加速してバレットを挟むように攻撃すれば、勢いが一直線にファブニルに伝わり、ファブニルはそのままバーストされてしまった。
 フミヤには、デルタが人の魂さえも食らう悪魔に視えた。
 ファブニルが水面に落ちた時、フミヤの意識が現実に戻される。バーストされたファブニルはどこに行ったのか。辺りを見渡してもどこにもない。ふと、水面に落ちたのではないかと下を見たがどこにもない。すると、スルリとサングラスが綺麗に落ちていく。それを拾おうと手を伸ばしても掴むことは出来ず、ポチャン。サングラスが落ちる音が耳に入る。
 フミヤはとてつもない喪失感に襲われている。言葉にも出来ない、ただ、なにかポッカリと空いたような。そんな気がして。
「ファブ…ニル……。」
 フミヤがファブニルを手にし始めたのは、一年前のこと。フミヤもイチカもスパークデビルズに在籍していた頃、2人はテレビで孤高の天才と呼ばれているフリー・デラホーヤの試合を見ていた。
 外周をラバーで覆われ相手からの攻撃を自分のものとし、スタミナタイプの中でも屈指の強さを誇るファブニルに強い憧れを抱いた。
 そうして、強くなっていったのに……ファブニルの使い手として情け――
「おにいちゃーーん!!」
 愛しの声が聞こえる。
「ファブニルは無事よ!!」
 イチカだ。
 わざわざ濡らしてまで愛機を探してくれたのだ。
「イチカ……。」
「おーーーい!!ファブニルはちゃんと拾ったからヨォ!!」
「全く…世話のかかるやつだべ!」
「サングラスも傷無し、ですわ!」
 ビクトリーズ全員がファブニルを探してくれたこと、嬉しいかと思われたが、鼻水となみだを垂らしながら一言。




「余計なことすんな!!ボクはッ、たのんでなああああああああああい!!!!!!」
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