第1章「ガチンコベイ誕生!!」
セカンドバトル。ファーストバトルはドラムのオーバーフィニッシュで1P先取。ドラムはバトル中に自身のベイから聞こえた声に確信が持てなかった。突然耳に、脳内に入ってきた龍の声。ドラムはドラゴンに問いかけるとベイは白く光り輝き、ドラムを輝きの中へと連れ込んた。
ドラムが目を開けると、目の前には自分に少し似ているドラゴンが見えた。ドラムはそのドラゴンの声を聞き、確信した。それはあの時聞いた声と全く同じだったからだ。
ドラムは自身の相棒に出逢い、その目で見れたことに喜びを感じて目をキラキラと輝かせた。
「カッケェー!オレ、ドラゴンが大好きなんだ!だから、オレのベイはメッチャカッコイイ、ガチつえぇドラゴンだって!!」
「私はもっと進化出来る。そして、私を進化させられるのはドラム――お前だ。」
「進化……ああ!約束するぜ!!お前を最高のベイにするからヨォ!」
ドラムとドラゴンの絆が結ばれた時、再び白い光に包まれ、包まれる前に居たスタジアムに戻ってきた。強くドラゴンを握りしめると気持ちがすっと楽になり、表情がキリッと変わる。
「オラからポイント取るなんて…イカしてんな……こうでなきゃ。オラのバトルはこっからだべ!」
お互いにランチャーにベイをセットし、体勢を整える。しかし、どこか違う点が1つ。ドラムの周りから青と黄色のオーラがモヤモヤと出ているのが見えた。ドラゴンと何を会話したのか、どんなことを約束したのか、それはドラムとドラゴンしか分からない。アマネも緑色のオーラがメラメラと燃えて見える。
「レディ……セット!」
「「3!2!1!ゴーー……シュート!!」」
お互いのベイが勢いよく放たれ、ファーストバトルと同じようにセンターへアシュラが向かい、外をドラゴンが回っていく感じになった。どこからでも来い、とアマネはドラムを挑発。ドラゴンがセンターへ攻撃を仕掛けた時、アシュラの12枚の刃がドラゴンの攻撃をいなすが、ドラゴンも負けじとラッシュ攻撃を仕掛ける。
「ああっ、アシュラ、あぶなーい!」
「やらせんべ。アシュラ!!」
アマネがアシュラと強い共鳴をし、ベイから緑色に燃え盛る炎を湧き出した。そこからアシュラのアバターが現れた。
「ハリケーンディフェンス!!」
アシュラのディスク――「ハリケーンディスク」がドラゴンの攻撃を完璧にいなしている。フリー回転するディスクにやられ、ドラゴンはそのまま壁に飛ばされ、壁にぶつかった衝撃でバーストさせられてしまった。
「何!?」
ドラムのリーチかと思われたが、アマネの策略により、アマネのバーストフィニッシュで試合はアマネの勝利で終わった――。町でほぼ最強と言っても過言では無いブレーダーはやはり伊達じゃない。戦いに負け、疲れきったドラムはそのまま後ろに倒れてしまった。
そして青空を見ながらふと、BCソルにいた時の事を思い出す。
その日は施設内の中庭にあるスタジアムでドラッグストアはシズクと共にベイバトルをしていた。新しく出来たエースドラゴンと彼女もバルトに影響を受けて作ったガチンコベイビリーヴサレオスが激しくぶつかり合い、火花を散らしていた。しかし、ドラゴンはあらぬ方向へと飛んでいき、そのまま場外へ。
ドラムは慌ててドラゴンを取ると、ばたりと倒れた。
『だっ、大丈夫ですの?!』
『あっ、あぁ…!シズクも怪我してないか?』
『は……?私 はいいんですのっ!貴方の方を心配してくださいまし!!』
すると、ドラム達の前を通るデルタの姿が見えた。ドラムは彼を見つけた途端嬉しそうに走っていき、デルタに声をかけた。シズクもドラムの後ろを追いかけると、デルタの方を見た。デルタは最初は興味なさげな表情だったが、ドラムとシズクのベイを見た途端、表情が少しだけ変わったが、すぐにすん…と戻した。
『シュートもまともに打てないお前の相手をするなど、無駄な時間だ。シズクもそんな奴の相手するな。』
『もう、またそんな意地悪な事言って。ドラムと仲良くしてくださいまし。それに、私 はドラムとのバトル、嫌いじゃないですわ。』
えへへ、とはにかんで笑う眼帯の少女は、彼の中でどこかピリッと痛み、ドラムに対し強い恨みを持ってしまう。コイツのせいでシズクは――。
ドラムはいつか、デルタと戦う為に毎日特訓を欠かさない。ベイとの絆も忘れない。デルタと同じ舞台に立ち、戦う為には武者修行しかない。ドラムは日本にいる叔父の元で修行する事にした。
『シズクも修行するからヨォ!』
『……日本に…?』
『ああ!ベイが生まれたとこだもんな!』
『……お前がどこに行こうと関係ない。』
『だァ!!そんな事言うなよ、トモダチだろぉ?』
『友達では無い、迷惑だ。』
『相変わらず、素直じゃないですわね。』
デルタはふい、とそっぽを向いてどこかへ行ってしまった。二人はデルタの性格をよく知っているので、こういった冷たい態度を取られてもあまり気にしてはいない。
『デルタ!いつかオレと、ガチバトルしてくれよな!!』
―――ム!…………―――ラム!!
「ドラム!!」
そこでドラムはハッと目が覚めた。シズクが彼の顔を覗き込むと心配そうな顔をしていた。ドラムがシズクの顔を見ると、シズクはホッと安堵し胸を撫で下ろす。そして手を差し伸べ立ち上がらせるとドラムに組み立てていたドラゴンを渡した。
「あっ、アマネ!もう1回だ!!もう1回オレとバトルしろー!!」
「アマネはもうどこかに行ってしまいましたわよ。」
シズクがじとりとした目で言ってもドラムはアマネと再戦したくて仕方ないのか辺りを見渡す。ドラムは近くに居た中年の男性にアマネの居場所を問いかけた。
「おっちゃん!」
「うおお、な、なんだ?」
「さっきまでバトルしてた奴は!?」
「それを聞いてどうする……」
「もう1回バトルする!!」
「……負けて悔しいってか?」
「あったりまえだろ!オレは負けるために日本に来たわけじゃねぇからヨォ!なっ、シズク!!」
「え、ええ…………あれ、もしかして貴方は……」
シズクは顎に手をやり黙りこくった。しばらく考え込むと何かを思い出し、目を開いた。
それはドラムの両親からお願いを受けた時のこと。シズクはドラムの叔父について情報を貰っていた。その時に映っていた写真が今目の前にいる男性だと言うのだ。
「貴方もしかして、“虹龍タンゴ”さんではなくって?」
「どうしてオイラの名前を……あっ!」
タンゴと呼ばれた男性は懐から2枚の写真を取り出した。写真に映っている幼い頃のドラムの写真と証明写真っぽく映っているシズクの姿があった。2枚の写真とドラム達を見比べると「うおお〜!」と2人を抱きしめた。シズクの目に間違いはなく、彼はドラムの叔父「虹龍タンゴ」本人だった。
「やはりおじさまが虹龍タンゴさんでしたのね。今日から貴方のベイクラブでお世話になる縹シズクと言いますわ。」
「ああ、ドラムの両親から話は聞いている。大会には出れないけど実力のあるブレーダーだってな。着いてこい、オイラのクラブを案内するぞ。」
***
タンゴに連れられ、町外れのマンションの向かいにあるレンガ造りの家にやってきた。話に聞いていたとはいえ、ここまでオンボロの家だとは……。シズクはそう思い、タンゴの後ろを着いていき、中に入ると、1人の少女とあの時バトルしたアマネや弟のタカネの姿もあった。ドラムはアマネの存在に気づくと真っ先に彼の方へ行き、再戦を申し込んだ。
しかし、眼鏡姿のアマネはアシュラを掃除しながらさっきので勝負はついた、とバトルを拒否。
「何度やっても無駄だ、帰んな。」
「帰んねぇよ、オレ、このクラブのブレーダーだからヨォ!」
「オレたち、でしょう。」
「「はぁ!?」」
「本当なの、おっちゃん。」
「あぁ。虹龍ドラムと縹シズクは今日からこの“ビクトリーズ”のブレーダーだ。ナイスだろぉ?」
「そっか!楽しくなりそう!」
わくわくのタカネは自身の自己紹介とメンバーの軽い自己紹介をする。
金髪で赤色のメッシュが入ったボブ髪の女の子――彼女はイチカ。真面目でちょっぴりクールな性格。
そして草葉アマネとタカネの兄弟。ここにドラムとシズクが加わりこの5人でビクトリーズだ。
「さぁ、やろうぜアマネ!」
「………。」
「コイツは引き下がらねぇよ。もう1回やってやれよ。」
「……わかったべ。」
「ナイッッス!!」
「またギャフン!と言わせてやる。」
「?オレさっき、ギャフンとか言った?言ってないからヨォ!」
「ッッくぅ……!!」
早速ドラムはスーツケースからベイとランチャーを取りだした。そしてスタジアムに立つと意気揚々と準備する。
「ねぇ、彼って何者?それにキミも……。」
「私 達はスペインのBCソルから、武者修行の為にやってきたんですのよ。ドラムはおじさまの甥でもありますの。」
「あの蒼井バルトがいるBCソル!?」
「すげぇーじゃん!でもドラムの実力は分かるけど……シズクの目……ベイって出来るの?」
「あら、私 を見た目で判断は行けなくってよ。確かに、私 は片眼が見えてないですわ。それに伴って左眼の視力も悪いの。ですが、私 には頼れる人達がいますわ。その人達のおかげで、今は感覚を頼りに過ごせていますの。今、貴方達の事もぼんやりとしか見れませんが、そこに確かにいることは分かりますわ。」
右眼を覆っている眼帯を取り外し、彼らに見せる。右眼は酷い傷跡があり、目の焦点があっていない。彼女の瞳を見たイチカとタカネは一瞬驚きたじろいだものの、直ぐにシズクが眼帯をしてふふ、と笑った。
一方スタジアムに目線を戻すと、お互い準備万端だった。
「じゃあ、行くよ!ファーストバトル!」
ランチャーにベイをセットし、体勢を整える。
「アシュラのディフェンスが来る前にアタックをかける!さっきはやられたけど、この作戦で押し切る!」
「ドラムのあれ本当に何とかしないと……」
「あの子って天然なの?」
「ドが付くほどですわ……。」
そして、タカネの合図と共に2人は声を揃え、勢いよくスタジアムにベイを放った!アシュラがセンターを取り、その後ろをドラゴンが早速ファーストアタック。センターに居たアシュラがドラゴンのアタックでどんどん壁際まで追われている。
「そのまま押し切っちまえー!」
「そんなもの、効かないべ!キープカウンター!!」
キープドライバーが傾き、ドラゴンの攻撃を弾き飛ばし躱した。そのまま外を回り、ドラゴンへカウンター攻撃を仕掛ける。体勢を崩されたものの、ドラゴンの回転は止まることなく、再び攻撃を仕掛ける。「D」の形に旋回し、1度アシュラと激突した後、連続で攻撃を仕掛ける。しかし、アシュラも負けじとドライバーを傾けさせ回転すると、ハリケーンディスクがドラゴンのアタックをどんどんいなしていく。
アシュラは1度外へ駆けていき、キープドライバーを傾けさせ、カウンター攻撃を仕掛け、ドラゴンも外へ行き、壁にディスクがぶつかりバウンド攻撃を仕掛ける。その時、ドラゴンが黄色に光ったように見えた。それを見逃さなかったタンゴとオーラを感じ取ったシズク。
2つのベイが勢いよくぶつかり、閃光が飛び散り、風も舞う。
結果はドラゴンがアシュラを押し切り、そのままバーストへ持ってこさせた。ドラムのバーストフィニッシュ勝ちである。
「きっまりー!!」
「アマネが……負けた……!?」
「まぁ、ドラムにしてはなかなかですわね。」
「くぅ…………う、うぅ…………イカすべ……!!」
ドラムが目を開けると、目の前には自分に少し似ているドラゴンが見えた。ドラムはそのドラゴンの声を聞き、確信した。それはあの時聞いた声と全く同じだったからだ。
ドラムは自身の相棒に出逢い、その目で見れたことに喜びを感じて目をキラキラと輝かせた。
「カッケェー!オレ、ドラゴンが大好きなんだ!だから、オレのベイはメッチャカッコイイ、ガチつえぇドラゴンだって!!」
「私はもっと進化出来る。そして、私を進化させられるのはドラム――お前だ。」
「進化……ああ!約束するぜ!!お前を最高のベイにするからヨォ!」
ドラムとドラゴンの絆が結ばれた時、再び白い光に包まれ、包まれる前に居たスタジアムに戻ってきた。強くドラゴンを握りしめると気持ちがすっと楽になり、表情がキリッと変わる。
「オラからポイント取るなんて…イカしてんな……こうでなきゃ。オラのバトルはこっからだべ!」
お互いにランチャーにベイをセットし、体勢を整える。しかし、どこか違う点が1つ。ドラムの周りから青と黄色のオーラがモヤモヤと出ているのが見えた。ドラゴンと何を会話したのか、どんなことを約束したのか、それはドラムとドラゴンしか分からない。アマネも緑色のオーラがメラメラと燃えて見える。
「レディ……セット!」
「「3!2!1!ゴーー……シュート!!」」
お互いのベイが勢いよく放たれ、ファーストバトルと同じようにセンターへアシュラが向かい、外をドラゴンが回っていく感じになった。どこからでも来い、とアマネはドラムを挑発。ドラゴンがセンターへ攻撃を仕掛けた時、アシュラの12枚の刃がドラゴンの攻撃をいなすが、ドラゴンも負けじとラッシュ攻撃を仕掛ける。
「ああっ、アシュラ、あぶなーい!」
「やらせんべ。アシュラ!!」
アマネがアシュラと強い共鳴をし、ベイから緑色に燃え盛る炎を湧き出した。そこからアシュラのアバターが現れた。
「ハリケーンディフェンス!!」
アシュラのディスク――「ハリケーンディスク」がドラゴンの攻撃を完璧にいなしている。フリー回転するディスクにやられ、ドラゴンはそのまま壁に飛ばされ、壁にぶつかった衝撃でバーストさせられてしまった。
「何!?」
ドラムのリーチかと思われたが、アマネの策略により、アマネのバーストフィニッシュで試合はアマネの勝利で終わった――。町でほぼ最強と言っても過言では無いブレーダーはやはり伊達じゃない。戦いに負け、疲れきったドラムはそのまま後ろに倒れてしまった。
そして青空を見ながらふと、BCソルにいた時の事を思い出す。
その日は施設内の中庭にあるスタジアムでドラッグストアはシズクと共にベイバトルをしていた。新しく出来たエースドラゴンと彼女もバルトに影響を受けて作ったガチンコベイビリーヴサレオスが激しくぶつかり合い、火花を散らしていた。しかし、ドラゴンはあらぬ方向へと飛んでいき、そのまま場外へ。
ドラムは慌ててドラゴンを取ると、ばたりと倒れた。
『だっ、大丈夫ですの?!』
『あっ、あぁ…!シズクも怪我してないか?』
『は……?
すると、ドラム達の前を通るデルタの姿が見えた。ドラムは彼を見つけた途端嬉しそうに走っていき、デルタに声をかけた。シズクもドラムの後ろを追いかけると、デルタの方を見た。デルタは最初は興味なさげな表情だったが、ドラムとシズクのベイを見た途端、表情が少しだけ変わったが、すぐにすん…と戻した。
『シュートもまともに打てないお前の相手をするなど、無駄な時間だ。シズクもそんな奴の相手するな。』
『もう、またそんな意地悪な事言って。ドラムと仲良くしてくださいまし。それに、
えへへ、とはにかんで笑う眼帯の少女は、彼の中でどこかピリッと痛み、ドラムに対し強い恨みを持ってしまう。コイツのせいでシズクは――。
ドラムはいつか、デルタと戦う為に毎日特訓を欠かさない。ベイとの絆も忘れない。デルタと同じ舞台に立ち、戦う為には武者修行しかない。ドラムは日本にいる叔父の元で修行する事にした。
『シズクも修行するからヨォ!』
『……日本に…?』
『ああ!ベイが生まれたとこだもんな!』
『……お前がどこに行こうと関係ない。』
『だァ!!そんな事言うなよ、トモダチだろぉ?』
『友達では無い、迷惑だ。』
『相変わらず、素直じゃないですわね。』
デルタはふい、とそっぽを向いてどこかへ行ってしまった。二人はデルタの性格をよく知っているので、こういった冷たい態度を取られてもあまり気にしてはいない。
『デルタ!いつかオレと、ガチバトルしてくれよな!!』
―――ム!…………―――ラム!!
「ドラム!!」
そこでドラムはハッと目が覚めた。シズクが彼の顔を覗き込むと心配そうな顔をしていた。ドラムがシズクの顔を見ると、シズクはホッと安堵し胸を撫で下ろす。そして手を差し伸べ立ち上がらせるとドラムに組み立てていたドラゴンを渡した。
「あっ、アマネ!もう1回だ!!もう1回オレとバトルしろー!!」
「アマネはもうどこかに行ってしまいましたわよ。」
シズクがじとりとした目で言ってもドラムはアマネと再戦したくて仕方ないのか辺りを見渡す。ドラムは近くに居た中年の男性にアマネの居場所を問いかけた。
「おっちゃん!」
「うおお、な、なんだ?」
「さっきまでバトルしてた奴は!?」
「それを聞いてどうする……」
「もう1回バトルする!!」
「……負けて悔しいってか?」
「あったりまえだろ!オレは負けるために日本に来たわけじゃねぇからヨォ!なっ、シズク!!」
「え、ええ…………あれ、もしかして貴方は……」
シズクは顎に手をやり黙りこくった。しばらく考え込むと何かを思い出し、目を開いた。
それはドラムの両親からお願いを受けた時のこと。シズクはドラムの叔父について情報を貰っていた。その時に映っていた写真が今目の前にいる男性だと言うのだ。
「貴方もしかして、“虹龍タンゴ”さんではなくって?」
「どうしてオイラの名前を……あっ!」
タンゴと呼ばれた男性は懐から2枚の写真を取り出した。写真に映っている幼い頃のドラムの写真と証明写真っぽく映っているシズクの姿があった。2枚の写真とドラム達を見比べると「うおお〜!」と2人を抱きしめた。シズクの目に間違いはなく、彼はドラムの叔父「虹龍タンゴ」本人だった。
「やはりおじさまが虹龍タンゴさんでしたのね。今日から貴方のベイクラブでお世話になる縹シズクと言いますわ。」
「ああ、ドラムの両親から話は聞いている。大会には出れないけど実力のあるブレーダーだってな。着いてこい、オイラのクラブを案内するぞ。」
***
タンゴに連れられ、町外れのマンションの向かいにあるレンガ造りの家にやってきた。話に聞いていたとはいえ、ここまでオンボロの家だとは……。シズクはそう思い、タンゴの後ろを着いていき、中に入ると、1人の少女とあの時バトルしたアマネや弟のタカネの姿もあった。ドラムはアマネの存在に気づくと真っ先に彼の方へ行き、再戦を申し込んだ。
しかし、眼鏡姿のアマネはアシュラを掃除しながらさっきので勝負はついた、とバトルを拒否。
「何度やっても無駄だ、帰んな。」
「帰んねぇよ、オレ、このクラブのブレーダーだからヨォ!」
「オレたち、でしょう。」
「「はぁ!?」」
「本当なの、おっちゃん。」
「あぁ。虹龍ドラムと縹シズクは今日からこの“ビクトリーズ”のブレーダーだ。ナイスだろぉ?」
「そっか!楽しくなりそう!」
わくわくのタカネは自身の自己紹介とメンバーの軽い自己紹介をする。
金髪で赤色のメッシュが入ったボブ髪の女の子――彼女はイチカ。真面目でちょっぴりクールな性格。
そして草葉アマネとタカネの兄弟。ここにドラムとシズクが加わりこの5人でビクトリーズだ。
「さぁ、やろうぜアマネ!」
「………。」
「コイツは引き下がらねぇよ。もう1回やってやれよ。」
「……わかったべ。」
「ナイッッス!!」
「またギャフン!と言わせてやる。」
「?オレさっき、ギャフンとか言った?言ってないからヨォ!」
「ッッくぅ……!!」
早速ドラムはスーツケースからベイとランチャーを取りだした。そしてスタジアムに立つと意気揚々と準備する。
「ねぇ、彼って何者?それにキミも……。」
「
「あの蒼井バルトがいるBCソル!?」
「すげぇーじゃん!でもドラムの実力は分かるけど……シズクの目……ベイって出来るの?」
「あら、
右眼を覆っている眼帯を取り外し、彼らに見せる。右眼は酷い傷跡があり、目の焦点があっていない。彼女の瞳を見たイチカとタカネは一瞬驚きたじろいだものの、直ぐにシズクが眼帯をしてふふ、と笑った。
一方スタジアムに目線を戻すと、お互い準備万端だった。
「じゃあ、行くよ!ファーストバトル!」
ランチャーにベイをセットし、体勢を整える。
「アシュラのディフェンスが来る前にアタックをかける!さっきはやられたけど、この作戦で押し切る!」
「ドラムのあれ本当に何とかしないと……」
「あの子って天然なの?」
「ドが付くほどですわ……。」
そして、タカネの合図と共に2人は声を揃え、勢いよくスタジアムにベイを放った!アシュラがセンターを取り、その後ろをドラゴンが早速ファーストアタック。センターに居たアシュラがドラゴンのアタックでどんどん壁際まで追われている。
「そのまま押し切っちまえー!」
「そんなもの、効かないべ!キープカウンター!!」
キープドライバーが傾き、ドラゴンの攻撃を弾き飛ばし躱した。そのまま外を回り、ドラゴンへカウンター攻撃を仕掛ける。体勢を崩されたものの、ドラゴンの回転は止まることなく、再び攻撃を仕掛ける。「D」の形に旋回し、1度アシュラと激突した後、連続で攻撃を仕掛ける。しかし、アシュラも負けじとドライバーを傾けさせ回転すると、ハリケーンディスクがドラゴンのアタックをどんどんいなしていく。
アシュラは1度外へ駆けていき、キープドライバーを傾けさせ、カウンター攻撃を仕掛け、ドラゴンも外へ行き、壁にディスクがぶつかりバウンド攻撃を仕掛ける。その時、ドラゴンが黄色に光ったように見えた。それを見逃さなかったタンゴとオーラを感じ取ったシズク。
2つのベイが勢いよくぶつかり、閃光が飛び散り、風も舞う。
結果はドラゴンがアシュラを押し切り、そのままバーストへ持ってこさせた。ドラムのバーストフィニッシュ勝ちである。
「きっまりー!!」
「アマネが……負けた……!?」
「まぁ、ドラムにしてはなかなかですわね。」
「くぅ…………う、うぅ…………イカすべ……!!」