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第3章 「バトルジャーニー!世界チャンピオンへの挑戦!!」

 ある日のビクトリーズはいつもと少し違う。タンゴがドラムやアマネのために修行の旅を提案した。これから色々な国に赴き、そこにいる強豪ブレーダーと戦い強くなろう、という計画だ。
 なんとタンゴは今まで大切にしていた骨董品の数々を質屋に売って旅費にしたのだ。
「あの汚い壺が無くなってる!」
「汚い!!?」
「泣きながら売っていましたわね……。」
「あの壺、そんな価値があるんだ……。」
 一方ドラムとアマネは世界を相手に戦えると期待に胸を膨らませていた。
 しかし、タンゴの本当の気持ちは、ドラムとアマネの白熱した数々のバトルに、彼のハートに火を点けたのだ。2人の諦めない心が、光を失わなかったあの瞳が、タンゴをワクワクさせた。
 それをもっと近くで感じていたいタンゴはこのような計画を考えたのだ。
 まず、ドラム達が挑戦するブレーダーはGT3の一角「ポット・ホープ」だ。
 早速飛行機に乗りポットがいる雲海がよく似合う山奥に向かった。空港を出て、手配したレンタルカーに乗り、しばらく揺れたあと、これ以上車では行けない場所まで来ると、車を降りて更に高いところ目指し進んでいく。遥か高い場所にはポットの住まう道場が見える。
「ええ〜ッ、あんなところまで登るの〜!?」
「天空の城は精神統一で己を鍛え上げる道場だ。」
「何だ、ベイブレードの道場じゃないのか〜。」
「あぁ。ポットは天空の城のナンバーワンで“神の子”と呼ばれてるべ。」
 神の子、ポットは並外れた集中力を持っており、人から流れている“気”を視る事ができる、という才能の持ち主だ。
 それにに加え、彼が出場した試合は全戦全勝、一度も負けたことがない実力もある。
 ドラムとアマネはそんなブレーダーと戦えるのが楽しみで仕方ない。大変な上り坂なはずなのに足取りは軽く、どんどんイチカ達との距離が離れていく。

――一方、天空の城。
 ニヒヒ、と笑いながら道場を中を逃げ回る少年。その遠くから「ポット様〜!」と怒りを含んだ男の叫び声が響く。男の顔は墨汁で汚れており、彼がいたずらを仕掛けたのは明らかだ。
 そう、この笑って逃げている少年こそ神の子、ポット・ホープだ。
「へっ、捕まるか……ん?」
 ポットは雲海の下にそびえ立つ木々の気が揺れたのを感じた。それはこの天空の城に誰かがやってくる合図であり、ポットはなにか思いついた表情をするとすぐに小悪魔のように笑うと、どこかへ行ってしまった。
 再び視点をドラム達に戻そう。彼らは急斜面のある坂を登っていた。天空の城までまだ半分もある。
 まだまだ体力が残っているドラムとアマネは先頭を歩き、その後ろをイチカがシズクの手を繋いで登っている。またその後ろを完全に疲れ切っているタンゴとタンゴを支えながら歩いているタカネ。
「頑張っていきましょう?シズクも足元気をつけてね。」
「イチカのエスコートのお陰で安全に進めていますわ。ありがとう。」
 そんなビクトリーズを木陰から覗き込んでいるポット。どうやら入門者だと思っているらしく、ポットは早速いたずらを仕掛けに行く。
 ドラム達は分かれ道のある看板までやってきた。先導しているドラムとアマネは右に曲手進んで行くが、後ろをついて行っているイチカは地図を見ながら険しい顔をしていた。ここに来て道を外したのか、と思ったその時。

 ――ドォン!

 ドラム、アマネの悲鳴と共に何かが崩れ落ちる音がした。その方に目を向けると2人はその場から一瞬にして姿が消えていた。
 だがよく見ると、何故か2人はだれが作ったか分からない落とし穴に落ちており、皆何が起きたか理解が出来ていない。
「なんでこんなとこに落とし穴が!?」
「誰が仕掛けたんですの…こんな幼稚ないたずら……。」
「たーーーーッハッハッハッハッ!!!ひっっかかったひっかかった!!!!」
 木の上から馬鹿にするような笑い声で見てくる少年――ポットは自分の仕掛けた罠に見事引っかかったことに大喜びだった。
 ドラムは笑うポットにむ、と怒りをあらわにしていたが、同じく罠にかかったアマネはポットの姿を見ると目を見開かせた。
 彼らが会いたがっていた人物に会えたからだ。
「オレのこと知ってんの?」」
「おう!お前とバトルしに来たんだからな!さぁ、オレのドラゴンと勝負だ!!」
「ベイブレード……へぇ、ガチンコベイか。」
 じとり、と見つめていたものの、弱い奴とは戦わないと対戦拒否。そのまま別れの挨拶をしてどこかへ行こうとする。
 ドラムはポットを追いかけようと穴を避けて走り出したものの、穴の隣にも落とし穴が仕掛けており、ドラムは起き上がって一息ついているアマネを引っ張り再び穴の中へ。
「アハハハハハ!!またひっかかってやんの!!アハハハハハ!!!」
「神の子、ねぇ。」
「だいぶイメージと違うけど……。」
「人は見かけによらず、ですわね。」
 涙が出てしまうほどたくさん笑ったポットは、手を後ろに組み、オレも忙しいの、と歩き出す。先程までいたずらをしていたほど楽しそうにしていた彼から発せられる言葉か?と思ってしまうが、神の子だからと理由付け出来てしまうのも、彼の存在がどれほどのものかと言うのが分かるだろう。
「……でも?せっかく?来たんだしぃ〜、どおおおしてもって言うならぁ〜〜〜?やってやるかなぁ〜〜〜〜〜〜〜。」
「本当か!?」
「でも条件がある。オレが勝ったら、オレの言う事何でも聞け。」
「……なんだそれ」
「いいべ!」
「ふん、じゃーーー決まりッ!」
 ポットはアマネを指さし、ポットVSアマネの対決が決まった。

「お前ら、オレが先だろーーー!?」




***

 山を登り、城の近くにある小さなスタジアムに向かうと、早速ポットとアマネは向かい合わせに立つ。勝負は一度きり。この試合に勝てばアマネはGT3の仲間入りを果たす……かも?
 ポットがポケットから取り出した愛機「ヘブンペガサス」。円形で遠心力の高い刃のあるベース、ヘブン。重さを分散させたウエイト、閃。チップはペガサスのスタミナタイプ。しかし、アマネにとって不足はない。ハチマキをしっかりと巻いて気合を入れる。アマネの周りから緑色の“気”が溢れているのをが視えたポットはニタリと笑いランチャーを構える。
「GT3のバトル、しっかり見ておけ。」
「分かってる!」
「レディ……セット!」
「「3!2!1!ゴーー……シュート!!!」」
 お互い強烈なシュートが決まった。ペガサスは早速センターへ向かい、防御態勢。遠心力もあってか、ペガサスの回転力はアシュラよりも速い。
 アシュラはドライバーを上手く使い、ペガサスを攻め立てていく。だが、アシュラの攻撃は全く効いてないと言っているようにいなしていく。そしてこの安定感。フリー回転するメタルガードが備わっているロウドライバーこの安定感を生み出しているのだ。
 このままではスタミナ切れで負けてしまうと判断すると、加速させて更に攻撃を仕掛けていく。アシュラの攻撃もあって、だんだんペガサスのロックが進んでいく。このまま押し切れば、バーストさせることができる。
 しかし、ペガサスのレイヤーから小さなウイングが飛び出してきた。再び衝突すると、更にロックが進み、ウイングがはっきり見えてくる。
「次でバーストだべ!」
 アシュラが彼の名を叫ぶと、ベイが緑の炎に包まれて、中からアシュラのアバターが現れた。勢いに乗せて必殺技「キープカウンター」を発動させた。
 だが、ポットも彼の名を叫ぶと、エメラルド色の炎に包まれて、中からペガサスのアバターが現れた。
「ロックリバース!」
 アシュラの攻撃が決まりペガサスのバースト負け可と思いきや、ペガサスは物怖じしない動きを見せた。確実にアシュラの攻撃が決まったと思ったのに。
「残念でしたー。」
「なんでバーストしないんだ……。」
「ロックが回復していますわ。」
「ダメージ回復システムか……!」
 ヘブンペガサスはロックが進むとカウンター刃が飛び出し、今まで進んだロックが全て回復される能力がある。つまり、ウイングとロック部分は連動している、ということになる。攻撃が駄目なら、とキアを入れ直した矢先、アシュラはスタミナ切れで倒れてしまい、スピンフィニッシュ。試合結果はGT3の完勝。もう少し手応えのある戦いができるかと思ったポットは肩を落とした。
「これがGT3も実力……!」
「次はオレとだ!!」
 続いて前に出たのはドラム。お得意のコワ顔でポットを睨みつけ近づくと怖ポットは怖い顔が突然近づいてきて嫌そうな顔をして引き離す。
「ち、ちかいよー?」
「エースドラゴンで勝負だ!」
「誰がお前とやると言った?それより、約束だ。」
「……?」
「オレの言う事なんでも聞くんだよなぁ〜〜?」
「兄ちゃんに何させる気だ!」
「ついてきな。」
 ポットに言われ、渋々ついていくドラム達。ポットが告げた彼の願いとは――?
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