このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第二章 動き出す陰謀

 早速パレード会場へ拓也の車で向かい、人気のない路地裏に停めた。そして拓也は自身のパソコンを開き、最終確認と予定を行う。
 財前総理はエクセレントビルの地下から姿を現し、ゆっくりと大通りを進み、最終的にアルファビルでパレードを終える。もちろん、その道には狙撃ポイントとなりうるビル、その他建物には警官が配置されていて、暗殺者が入る隙はない。また、総理の乗った車以外にも、至る所にSP…総理のボディーガードが配備されている。

「でも、暗殺者はLBXを使うんでしょ?」

 アミが問いかけると拓也は別の画像をバン達に見せる。そこにはワイルドフレーム型のLBXが映し出された。そのLBXの名前は「アサシン」。狙撃タイプのLBXだ。拓也達はこのLBX一点に絞って探索をする。

「けど、こんな広い場所でどうすれば?」
「射程距離とストリートへの角度から、敵の動きをコンピューターで予測し、特定でき次第連絡する。それまで、各ポイントで探してくれ」
「わかった。やるしかないか!」
「ああ!」

 4人は車のドアを開けてそれぞれのポイントに向かった。スタート地点にアミ、中央地点にバン。そして終了地点にはそれぞれカズとユズ。カズとユズは同じところではなく、別々となって配置に着いた。
 それぞれポイントに着くと、LBXとCCMを取りだし、偵察を始める。
 しばらく時間が経った頃。それぞれのポイントでの変化はなし。

〈敵の動きの予測は?〉
「まだだ。あと5分でパレードが始まってしまう…!」
〈探す方法が間違っているのでは?もう少し絞って探すしかありませんぞ〉
〈でも、どうやって…〉
〈そ、それは…ま、まず暗殺者から狙いそうな狙撃ポイントを考えて…〉

 みんなが話している中、カズはポツリと愚痴をこぼした。任されているとはいえ、自分達は平凡な中学生。こんな事を任されるなんて思ってもなかった。確かに貰ったハンターは精度が良く、使う度カズの手に馴染んでいく。だが、精度が良くてもちゃんと的に当たらなくては意味が無い。カズはハンターを手にすると調整を始めた。
 LBX達が映し出している光景は拓也の所に届いていて、カズの視点が暗くなったのを不思議に思い、問いかけるとカズは「カスタマイズだ」と言って調整する手を止めなかった。

〈今はアサシンを見つけることが先決だ。ハンターの高性能照準機能を使って探してくれ!〉
「照準のズレを調節しないと、使えないだろ。」
〈……はぁ。これだから子供は。……あのメッセージ……本当に信じていいのか?〉

 もうすぐパレードが始まる。だが、アサシンも暗殺者も姿どころか行動すら起こさない。いつまで待って見てるだけじゃあ何も始まらない。アサシンはもう狙撃の準備をしているかもしれない。

「アミ、そっちは?」
〈まだ見つからない。〉
「ユズの方は?」
〈全然見つかりませんぞ〉
「ねえ3人共、ひとついい?」
〈俺は今、取り込み中だ!〉
〈どうしたの、バン〉
「“俺達が敵の立場”だったらどうする?」

 バンの一言にアミとユズは考え込んだ。もし、自分達が敵の立場だったら。狙撃ポイントになりやすいところは警備が厳しくパス。だったら、警備がいない所を狙撃ポイントにするはずだ。

〈あっ、パレードに面した所の奥にあるビルとか?〉
〈ここら辺はビルが乱立している。そこからの狙撃は出来るはずがない。〉
〈そこら辺もきっとマークしているかもしれませんぞ〉
「そうだけど…でも暗殺者はそういう「思い込み」を利用しているのかも。」
〈例えば、どうやって?〉
「うーん……弾を壁に跳ね返らせて当てるとか」
跳弾ちょうだんか。それは角度的に無理だ。〉
〈もし違う人に当たったらそれこそ大事件ですぞ〉

 バンは眉間に皺を寄せ唸りながら空を見る。するとバンはある建物を見つけて目を見開いた。
───もしかして。

〈ねえ!ビルを貫通して狙撃するのかも!〉
〈ビルを貫通…?〉
「そんな事は無理だと言っているだろう!」


「拓也さん、貫通させるのがガラスだけだったら可能でしょ?」
〈ガラスだけ?〉
「うん、今、目の前にそういうビルがある」
〈ちょっと待ってくださいですぞ…〉

 ユズは自分のパソコンを開き、早速周辺のビルを調べ始めた。そしてひとつのガラス張りのビルに目をつけた。拓也も同じように調べ始め、そのビルを目にすると手が止まった。

〈うん、可能ですぞ!ビルで弾を跳ね返すのでは無く、ガラスを通しての狙撃なら!〉
「でしょ?」
〈ですが、そのビルは総理が真正面に来ないと狙えないものですな。拙者、すぐにそちらに向かいますぞ!〉
〈アミ、カズ!バンと合流してくれ!〉

 拓也の言葉を聞き、アミはCCMを閉じてバンの所に向かった。カズも向かうかと思いきや、ようやくカスタマイズが終わったところで、拓也の声に気づくと今度は「試し打ちがしたい」と言い始めた。拓也は少しイライラした声色で「暇はない」と言い放つとカズは少し不服そうに口を尖らせて、バンの所に向かった。
10/13ページ
スキ