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第一章 小さなマシンとの出会い

その日の夕方。バンは不思議な彼女と別れると、1人、河川敷の歩道を歩いていた。キタジマで見たあのアーマーフレーム「アキレス」の事だ。かっこよくて綺麗で強そうなLBX…実際に自分の手元にあったら…と考えるバン。だが、バンの母親はLBXをやることを許してくれない。頭の後ろをポリポリかくと気分晴らしに草原に寝転がる。
バンがLBXという存在を知ったのは今から8年前。幼き頃のバンは父親がコアスケルトンを作っている所を眺めていた。

「とうさん、それなに?」
「これはな、「LBX」って言うんだ。」
「えるびーえっくす?」
「ああ。小さいけど勇敢に戦う、ロボットなんだ。大きな敵だって、やっつけられるんだぞ。」
「ほんと?すごい!」

バンは小さな機体「LBX」を指さした。これが欲しいと思い、ピシッと指すとバンの父親は小さく笑った。

「そうか、欲しいか。でも、これはあげられないんだ。」

そう告げられたバンは頬をリスのように膨らませ、少し拗ねてしまった。どうやら今バンの父親が作っているのは「試作品」と言って完璧なものでは無いからだ。だが、バンが大きくなる頃にはこのLBXを完成させる、と、バンの父親はLBXを見つめながら微笑んだ。その姿がバン目にしっかりと映って、そして今もバンの記憶の中にその思い出がハッキリとあった。
バンの父親はそれ以来、LBXの開発に没頭し家にあまり帰ってこなくなった。
そしてある日のこと。テレビニュースでプリズム航空PA207便が行方不明となった事件が報じられた。実はこの飛行機はバンの父親が乗っていた飛行機で、消息を絶った位置的に乗客の生存は絶望的と見なされ、そのニュースを見たバンの母親「山野真理絵」は抜け殻のように膝から崩れ落ち、ポロポロと涙を零していた。バンもそのニュースを見ていて、ニュースをただ呆然と見ていた。
真理絵はこの日からLBXは自分達の父親を奪ったものとして見るようになった。

(……でも母さん、俺、LBXをやってると父さんと繋がってる感じがするんだ。…だって、LBXを作ったのは父さんなんだから)

空を眺めながらぼんやり考えていると橋の方で彼を見ている女性の姿。しっかりと彼を見ると女性は「見つけた。」と言って彼の方へ走り出す。アタッシュケースを持っており、この中身を知る者は現時点彼女しかいない。


さて帰ろうか。と、バンは立ち上がるとアタッシュケースを持った女性に呼び止められた。彼女は彼が「山野バン」だということを確認すると彼の手を引き人目の少ない軒下に駆け込んだ。誰かも分からない、なんの状況かも分かってないバンは引かれるがまま。女性がしゃがみ、それにつられてバンもしゃがみこむ。

「ちょ、ちょっと!誰ですかあなた!」
「時間が無いの、私の話をよく聞いて」
「はぁ??」

女性はアタッシュケースをバンに見せる。そして真剣な表情で彼に告げる。

「これが、世界を救う鍵になる。」
「え…?」

すると遠くの方で声が聞こえてきた。キツネ、ピエロ、カエルのお面をつけた黒服の男女3人組。3人は何か探しているようで、女性は彼らの事を知っているのか、軒下の柱に引っ付きチラリ、と様子を伺った。

「まずい…。」
「なんなんですか?それにどうして俺の名前を…?」
「バン君、この中には人類の希望と絶望の両方が詰まっている。これは決して使い方を誤ってはならないものなの。これをあなたに託すわ、絶対誰にも渡さないで。」
「は、はぁ…」
「今は詳しい事は話せない…でもそれは、あなたが持っておくべきものなの。」
「そんな…」
「私がアイツらを惹き付けるから、その間にここから離れるのよ!」

そう言って女性は逃げるように走り出した。1人でに勝手に話され、何事かも分かってないバンは女性を追いかけようとしたが、もう女性は遠いところにいた。女性の姿を捉えた3人組は女性を追いかけ始める。3人組が去るのを確認したバンは訳が分からないまま、とりあえずアタッシュケースの取っ手をちゃんと持ち、家に持ち帰ることにした。


だが、家に帰るバンの姿を3人組の1人は見た。バンの手元にアタッシュケースがあり、そして女性が走っていったのはダミーだと。

「あれは…っ!!」
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