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第二章 動き出す陰謀

 ある日の休み。バン、アミ、カズ、ユズ、リュウ、ミカの6人はキタジマに集まっていた。
 カズは購入したLBXマガジン、通称「Lマガ」をペラペラとめくりながら何やら難しい顔をしていた。その周りでアミ、リュカ、ミカの3人は口々に話す。その内容は「カズの新しいLBXはどんなフレームのものにしようか」、という話だった。
 アミは前回カズが使っていたのが「ナイトフレーム」な為、今回は気分を変えてアミやユズが使っている「ストライダーフレーム」のものにしようか、と話す。一方ミカは郷田のようなかっこいい「ブロウラーフレーム」、リュウは重い武器を軽々持つことが出来る「パンツァーフレーム」…。どれもいいものだが、カズの顔は変わらず、首を縦に振らずじーっとLマガを眺めては「うーん」と唸る。
 そんなカズを横目にアミ達は次々におすすめのフレームを話し始める。3人がどんなに話しても反応がないカズ。

「カズ、何かいいのって思うのはないの?」
「…あっ、あの………」

 そう言ってバンの後ろから震えた声で顔を出したのはユズだった。バンの肩をしっかりと掴んでカズをじっと見る。

「や、やはり…カズ殿が前に使っていた「ナイトフレーム」の方がいいと思いますぞ…」
「なぁ、なんでお前ずっと後ろに隠れてんだ?」
「ひぃっ!」

リュウがユズに問いかけると彼女はリュウから身を隠すようにバンの後ろにまた隠れた。バンが困ったように笑えば代わりに答えた。

「多分、ユズはリュウ達のことが怖いんだと思うよ。」
「リュウは人をこわがらせるのが得意だもんね〜」
「ア、アミちゃん〜…」

 しばらくしてバン、アミ、カズ、ユズの4人が店から出る。カズの新しいLBXの話をしながら。

「やっぱりユズが言ってたように「ナイトフレーム」がいいんじゃない?」
「うーん…どれもなんかピンと来ないんだよな〜」
「あわわ…拙者の説明が下手でカズ殿に合うLBXを紹介できなかったですぞ…これはLBXオタク名乗れませんぞ…」
「いや、ユズの説明は丁寧だったしいいと思ったんだけど…ピンと来なかっただけだし、ユズは何も悪くないぞ」

 すると突然、バンを呼ぶ男性の声が聞こえた。オーカー色の髪の毛でスーツを着こなしている成人男性はじっ、とバンを見つめる。
 彼の名前は「宇崎拓也」。優秀なLBXプレイヤーであるバン達を探しにここまで来たのだと言う。彼は、見てもらいたいものがあると言ってバン達を喫茶店に連れていった。
 ──その場所は「ブルーキャッツ」。
 ミソラ商店街に佇む小さな喫茶店で、バン達は中に入ると拓也にカウンター席まで誘導された。大人しくカウンターに座るとこの店のマスターがオレンジジュースとコーヒーをそれぞれ2杯ずつバン達に差し出す。

「奢りだ。」
「あっ、ありがとうございます……えーっと……」
「この店のマスター「檜山」だ。」
「ありがとう、檜山さん。」
「いただきまーす」

 バン、アミ、カズはそれぞれ口に含むと美味しそうな笑みを浮かべる。ユズは1口コーヒーを飲むと少しだけ顔を歪めた。そして、彼女の脳内にピリリと伝わるコーヒーの味と檜山のオーラ。決してコーヒーが不味い訳では無い。香ばしい香りに子供用に甘くされたコーヒーが不味いわけが無い。だが、彼女はコーヒーを飲むだけで伝わってきたのだ。「彼の闇」を。ユズは檜山の顔とコーヒーと交互に見た。

「…あまり好みじゃなかったかな。」
「あっ、いや…そういう訳では……。コーヒーは好きですぞ。ですが……」
「………?」
「…いや、なんでもないですぞ。コーヒー、とても美味しいですぞ」

 少しだけ笑ってみせると檜山も笑った。檜山の瞳が優しく感じたユズは気のせいだと思い、コーヒーをまた1口飲んだ。
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