第二章 動き出す陰謀
バトルが始まった。バンのカバンを持たされたユズは両腕で抱えながらジオラマを眺めた。ふと、隣にいるアミを見ると楽しそうにジオラマを眺めていた。そんな彼女につい小さなため息をついてしまう。
──なんで彼の異変に誰も気づいていの。
そんな気持ちが彼女の気持ちを嫌な気持ちにさせる。ユズはぎゅ、とバンのカバンを抱きしめる力を強めた。
視点をジオラマに戻す。アキレスとエジプトは自身の武器でぶつかり合い、激しい戦いになっていた。アキレスが間合いを取るため軽くジャンプし後ろに下がるとアキレスの左足が少しだけ沈んだ。そしてアキレスは走り出しアキレスランスで一突き。──だが、エジプトはクイ、と足のひねりを効かせ素早く避けた。バンとアミは驚いた。
「そんな動きでエジプトが倒せるか!」
エジプトをアキレスを蹴り上げた。アキレスはそのまま砂地に倒れてしまう。アキレスのライフゲージが3分の1減少し、エジプトの攻撃力がどれほどのものか、バンは驚いたが、何よりバンは親友のカズがこんなにも素晴らしく強いLBXを持っていることに喜びを感じていた。
───彼の中ではまだ、普通のバトルだと思っているのだ。
普通にバトルを楽しみ、普通に相手のLBXを壊さないようにCCMを動かす。
エジプトは大きく振りかぶりアキレス目掛けて切りつける。アキレスは咄嗟にアキレスシールドで守るが、そのアキレスシールドは真っ二つに割れてしまう。
「アキレスの盾が!」
「これで終わりだ!」
エジプトは剣をしっかりと両手で持ちアキレスを破壊しようと切りつける。アキレスはギリギリのところで避けるのが精一杯。しかも次の攻撃までが早く全然間合いが取れない。
エジプトのトドメの一撃。その瞬間、アキレスはエジプトをタックルし無理矢理間合いを取らせた。エジプトは一瞬だけよろめいたが体制を立て直し、アキレスを見る。
「クソッ、逃がしたか。」
「ふぅ、危なかったぁ…。今度はこっちから行くぞ!」
アキレスランスを持ち直し、バトル再開。だが、エジプトの速さはアキレスよりも速く、そして強い。先程と同じくエジプトが優勢な試合展開となった。
「アキレスが押されてる!」
「どうしたんだっ、動きが鈍い!」
「バン殿、アキレスの足元を見るんですぞ」
「足元…?」
バンはアキレスの足を見た。するとアキレスの足が砂に少し埋まって居た。一方エジプトは砂に埋ることなく、しっかりと立っていた。
エジプトは砂漠のジオラマでも自由に動くことが出来る。アキレスは砂漠のジオラマに対応していないLBXな為、ただ守って後ろに下がるだけ。
エジプトは剣でアキレスを吹き飛ばすと、アキレスランスが弾き飛ばされ、アキレスは素手の状態で仰向けになって倒れた。ライフゲージが減ってしまった。
エジプトは倒れたアキレスの隙を見て一気に畳み掛ける。剣で何回も、何回も叩きつけるように切る。
ここでようやくカズの違和感に気づいた。みんなの声に気づかず、届いていないカズはただひたすらにアキレスを破壊しようとCCMを動かす。
「やれぇエジプト!アキレスをぶっ潰せ!」
馬乗り状態になり、アキレスを徹底的に剣で叩きつける。バンがCCMを操作しても反応しないのはきっと馬乗りにされているせいなのだろう。段々とゲージが減り、アキレスの胸部にヒビが入ってしまった。
アミは慌ててカズのCCMを掴んだが、カズはCCMを離さない。彼の顔はなにかに取りつかれているようにも見えた。
ユズの髪の毛の奥から見える海のような青い瞳が一瞬だけ波を打つように揺れた。
「やめてカズ!やめて!」
「カズ殿はやはりどこかおかしかったんですな…しかし、この状況、どうすれば…」
エジプトはアキレスの首をつかみ、先程と同じところを叩く。
とうとう、アキレスは動かなくなり、ライフゲージが25パーセントを切った。
───すると、バンのCCMが白く光りだし、CCMが変形した。バンやアミ、ユズがこの状況がどういう状況なのか読み込めなかった。
バンのCCMの上画面が展開され、バンの目線にはモニターが表示されている。羽のように広げられた部分には「V MODE」と書かれていた。
アキレスの目掛け黄色から赤色に変わったと思えば金色に光り始め、叩きつけようとするエジプトの手を掴んだ。そしてそのまま足で蹴りつけると後ろに一回転し着地する。
赤く鋭いアキレスの視線。アキレスはそのまま走るとエジプトをタックルではじき飛ばした。エジプトの手から剣を離すと一気に畳み掛けた。素早い動きでエジプトの頭を蹴り、しまいには貫手でエジプトの首を突いた。そしてエジプトの顔面を何度も何度も殴った。カズがCCMを操作しても反応しない。一方、バンもCCMを操作しても反応しなく、この状況はアキレスが勝手に動いている、ということがわかった。
(コントロール出来ない程のものなんですぞ…?バン殿でさえも知らない機能……このLBXとCCM、気になることが多すぎますぞ…)
散々痛めつけた後、仰向けに叩きつけられたエジプト。アキレスは槍を持つと、ゆっくりとエジプトの心臓部上空へ上げ、勢いのまま突き刺した。バンの言葉とCCMは、アキレスには伝わらない。バチバチと火花が飛び、そのまま大きな爆発を起こした。アキレスは金色からいつもの色に戻った。
──エジプトは粉々に砕かれたのだった。
途端、カズは目が覚めたように大きく目を開き、そのまま倒れた。みんなカズに駆け寄った。
「カズ!」
「カズ!大丈夫か!カズ!」
ユズは脈を触り、首元に手を当てがうと安心したようにニコリと笑った。
「……大丈夫ですぞ、気を失ってるだけですぞ。少し寝かせて休ませますぞ。」
「わかったわ。」
──なんで彼の異変に誰も気づいていの。
そんな気持ちが彼女の気持ちを嫌な気持ちにさせる。ユズはぎゅ、とバンのカバンを抱きしめる力を強めた。
視点をジオラマに戻す。アキレスとエジプトは自身の武器でぶつかり合い、激しい戦いになっていた。アキレスが間合いを取るため軽くジャンプし後ろに下がるとアキレスの左足が少しだけ沈んだ。そしてアキレスは走り出しアキレスランスで一突き。──だが、エジプトはクイ、と足のひねりを効かせ素早く避けた。バンとアミは驚いた。
「そんな動きでエジプトが倒せるか!」
エジプトをアキレスを蹴り上げた。アキレスはそのまま砂地に倒れてしまう。アキレスのライフゲージが3分の1減少し、エジプトの攻撃力がどれほどのものか、バンは驚いたが、何よりバンは親友のカズがこんなにも素晴らしく強いLBXを持っていることに喜びを感じていた。
───彼の中ではまだ、普通のバトルだと思っているのだ。
普通にバトルを楽しみ、普通に相手のLBXを壊さないようにCCMを動かす。
エジプトは大きく振りかぶりアキレス目掛けて切りつける。アキレスは咄嗟にアキレスシールドで守るが、そのアキレスシールドは真っ二つに割れてしまう。
「アキレスの盾が!」
「これで終わりだ!」
エジプトは剣をしっかりと両手で持ちアキレスを破壊しようと切りつける。アキレスはギリギリのところで避けるのが精一杯。しかも次の攻撃までが早く全然間合いが取れない。
エジプトのトドメの一撃。その瞬間、アキレスはエジプトをタックルし無理矢理間合いを取らせた。エジプトは一瞬だけよろめいたが体制を立て直し、アキレスを見る。
「クソッ、逃がしたか。」
「ふぅ、危なかったぁ…。今度はこっちから行くぞ!」
アキレスランスを持ち直し、バトル再開。だが、エジプトの速さはアキレスよりも速く、そして強い。先程と同じくエジプトが優勢な試合展開となった。
「アキレスが押されてる!」
「どうしたんだっ、動きが鈍い!」
「バン殿、アキレスの足元を見るんですぞ」
「足元…?」
バンはアキレスの足を見た。するとアキレスの足が砂に少し埋まって居た。一方エジプトは砂に埋ることなく、しっかりと立っていた。
エジプトは砂漠のジオラマでも自由に動くことが出来る。アキレスは砂漠のジオラマに対応していないLBXな為、ただ守って後ろに下がるだけ。
エジプトは剣でアキレスを吹き飛ばすと、アキレスランスが弾き飛ばされ、アキレスは素手の状態で仰向けになって倒れた。ライフゲージが減ってしまった。
エジプトは倒れたアキレスの隙を見て一気に畳み掛ける。剣で何回も、何回も叩きつけるように切る。
ここでようやくカズの違和感に気づいた。みんなの声に気づかず、届いていないカズはただひたすらにアキレスを破壊しようとCCMを動かす。
「やれぇエジプト!アキレスをぶっ潰せ!」
馬乗り状態になり、アキレスを徹底的に剣で叩きつける。バンがCCMを操作しても反応しないのはきっと馬乗りにされているせいなのだろう。段々とゲージが減り、アキレスの胸部にヒビが入ってしまった。
アミは慌ててカズのCCMを掴んだが、カズはCCMを離さない。彼の顔はなにかに取りつかれているようにも見えた。
ユズの髪の毛の奥から見える海のような青い瞳が一瞬だけ波を打つように揺れた。
「やめてカズ!やめて!」
「カズ殿はやはりどこかおかしかったんですな…しかし、この状況、どうすれば…」
エジプトはアキレスの首をつかみ、先程と同じところを叩く。
とうとう、アキレスは動かなくなり、ライフゲージが25パーセントを切った。
───すると、バンのCCMが白く光りだし、CCMが変形した。バンやアミ、ユズがこの状況がどういう状況なのか読み込めなかった。
バンのCCMの上画面が展開され、バンの目線にはモニターが表示されている。羽のように広げられた部分には「V MODE」と書かれていた。
アキレスの目掛け黄色から赤色に変わったと思えば金色に光り始め、叩きつけようとするエジプトの手を掴んだ。そしてそのまま足で蹴りつけると後ろに一回転し着地する。
赤く鋭いアキレスの視線。アキレスはそのまま走るとエジプトをタックルではじき飛ばした。エジプトの手から剣を離すと一気に畳み掛けた。素早い動きでエジプトの頭を蹴り、しまいには貫手でエジプトの首を突いた。そしてエジプトの顔面を何度も何度も殴った。カズがCCMを操作しても反応しない。一方、バンもCCMを操作しても反応しなく、この状況はアキレスが勝手に動いている、ということがわかった。
(コントロール出来ない程のものなんですぞ…?バン殿でさえも知らない機能……このLBXとCCM、気になることが多すぎますぞ…)
散々痛めつけた後、仰向けに叩きつけられたエジプト。アキレスは槍を持つと、ゆっくりとエジプトの心臓部上空へ上げ、勢いのまま突き刺した。バンの言葉とCCMは、アキレスには伝わらない。バチバチと火花が飛び、そのまま大きな爆発を起こした。アキレスは金色からいつもの色に戻った。
──エジプトは粉々に砕かれたのだった。
途端、カズは目が覚めたように大きく目を開き、そのまま倒れた。みんなカズに駆け寄った。
「カズ!」
「カズ!大丈夫か!カズ!」
ユズは脈を触り、首元に手を当てがうと安心したようにニコリと笑った。
「……大丈夫ですぞ、気を失ってるだけですぞ。少し寝かせて休ませますぞ。」
「わかったわ。」