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第二章 動き出す陰謀

「カズ殿、この後時間がありますぞ?キタジマに寄っ………も、もももう、居な、い……」
 放課後。ユズは帰る支度をしてカズをキタジマに誘おうとして隣を見た。だが、そこにはもうカズの姿はない。チャイムが鳴ってすぐ帰ったのか。ユズはしょぼんと眉をひそめた。
 カズは一日中、上の空だった。ユズが休み時間に話しかけても「あぁ」や「うん」としか話さず、会話したくないような気分だった。
これからどうしようか、と考えていると外でバンとアミの声が聞こえてきた。

「もう?」
「先にキタジマに行ったのかな…」
「うーん…あ、ユズ!」
「はひっ!?あ、ど、どうも…」
「君達、和ノ宮の友達?」

 ユズのクラスメイトの1人が不思議そうに見る。バンはニコリと笑って頷くと少年は茶化すように笑った。

「アイツと友達になるのはやめとけよ。アイツ、いつもひとりで意味わからない言葉ばかり喋るし、何考えてるか分からないだろ?俺アイツが俺の事前髪の奥から睨んでると思うと怖くてたまらないよ。」
「そんな事ないよ。ユズは優しくていい子だよ。LBXも上手いし。」
「そうよ、ユズとっても可愛いんだから」
「あ、あの…お二人とも、どうしたんですぞ…?」

 ビクビクと震えながらやってくるユズ。バン達は少年に別れを告げるとユズの腕を掴んでここから早く去りたくて走り出す。バンの顔はとても怒ってるように見えた。
 ユズがクラスで浮いているのは確かだが、ただ、浮いているからと言って悪くいうのは非常に常識として有り得ないとバン達は思った。
 アミはバン達が走っていくのを注意したが2人はそのまま下の階段に向かった。そしてふと外を見るとリュウが慌ててどこかに駆けていくのが見えた。誰かから逃げてるようでリュウはその人らの声に気づいたのかどこかへ消えた。そしてその後ろからアミのクラスメイトの少年たちがリュウを探しに走っていく。アミがその光景を見て呆れたようにため息をついたが、目的を思い出し、2人の後を追いかけた。

「あ、あのっ、離して……っ、欲しいですぞぉ…!!ば、バン殿…拙者、なにかしましたぞ…?」
「ユズはあんなこと言われて何も思わないの!?」
「は、はえぇ…?」

 ユズはポカン、と口を開けて傾げた。彼女は周りに関心が無く、何故バンが怒っているのか分からなかった。バンの腕を掴む力が少し強くなる。それに連れて口元がへの字になって眉も真ん中へ寄っていく。

「あ、のぉ…拙者、何も気にしてないので…大丈夫、ですぞ…?」
「ユズが良くてもダメなの!それに──」
「バン!ユズ!」

 バンが何か話そうとした時、アミが息を切らしながらやってきた。途端、掴んでいた力が緩くなってやがてバンの手元から離れていく。アミは2人の顔を交互に見てどうしたのか聞いたがユズが首を横に振り「なんでもないですぞ」と言ってニコリと笑う。
 その後、3人はカズを探しにキタジマに向かった。中に入ると店長と沙希しかいなく、そこにはカズの姿はなかった。

「おう、来たな」
「バトルの準備は出来てるわよ」
「カズ、来てないんだ」
「ええ、まだだけど…」
「……そっかぁ…。」

 3人はは顔を俯かせる。その様子を不思議に思った店長と沙希はバン達から事情を聞くと2人もバン達と同じような顔をする。
 バンとアミが休み時間にカズとユズの教室を行ってもいなく、ユズも授業中にカズの方をちらっと見ても上の空で何考えているか分からなかった。休み時間に声をかけようとした時にはもう居なく、授業開始ギリギリの時には帰ってくる。そんな風に一日は過ぎていった。

「やっぱり、ショックですよね。ウォーリアーの事…」
「俺がいけないんだ、俺が…」
「バン…」

 表情が暗い3人を見てニコリと笑ってみせる沙希。ずっと暗いままの3人の気持ちを晴れにする為なのかもしれない。

「気にする事ないって!」
「「えっ…?」」
「気にする事ない、とは…?」
「バンのせいじゃないよ」
「でもカズは俺の為に…」
「そんな、LBXが壊されたくらいでいじいじしてる奴、ほっときなよ。」
「でも…」
「心配するな。カズなら必ず立ち直る。」

 店長はそう言ってカチャカチャとLBXをカスタマイズていた。アミがモノ不思議そうに店長の所へ向かえばグラディエーターのコアパーツ部分の蓋をネジで締めていた。アミがどうするのか問おうとした時、ユズが店長の机に飛び込んできた。ものすごくキラキラした瞳は見えないがオーラや口元の感じでそうだろうと雰囲気で分かる。

「おおー!グラディエーターですな!!ウォーリアーをベースに装甲を強化し作られたLBXで、アーマーフレームはブロウラーフレーム!フォルムが素晴らしいと絶賛している人もいれば機体バランスを考えるとウォーリアーより劣る辺り批判する人もいますが…拙者的に、コアパーツを上手く考えて使えばかなり強いLBXだと思われますぞ!こ、これをどんな風にっ!?使用意図は!!?」
「ユズは本当にLBXに詳しいな。これはちょっとな…」
「えぇーっ?!教えて欲しいですぞ、欲しいですぞ~!」

このグラディエーターが何に使われるか分からない。バンとアミは小首を傾げたのだった。
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