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第二章 動き出す陰謀

 次の日。ユズは一人学校に向かって歩いていた。ひとつ、ため息を零しながら。昨日色々と起こりすぎてあまり寝付けなかったのである。
 もうこれ以上変な事は起きないで欲しい、と頭の中で願いながら歩いていると後ろの方から彼女を呼ぶ声が聞こえた。彼女が振り返るとそこにはアミの姿があった。
 彼女は手を軽く振りながらユズに挨拶をする。

「おはようユズ」
「わ、わわ、お、おはよう…ござい、ますぞ……」

 下を向いてモジモジと恥ずかしそうに小さな声で挨拶をするとアミは少し不思議に首を傾げた。アミがその事を質問するとユズは少し躊躇ったが、ゆっくりとポツポツ話し始める。

「あ、あの…お、お友達に……挨拶するの…初めてで……どうやって挨拶しようか分ならなくなっちゃいましてな…」
「そうなんだ…あっ、教室まで一緒にどう?」
「は、はわ…!ぜ、是非とも!!」

 そう言って2人は歩き出す。昨日あったことを話しながら。
 真っ先にそしてユズはアミにバンと家が向かいだと言うことを。アミはそれを聞いて目を見開いた。何故向かいなのに昨日まで互いに何も知らなかったのか。だが、嬉しそうに話すユズの顔を見たらそんなことはどうでもよくなって。アミは嬉しそうに話すユズを見て微笑ましく思っていると後ろから大声でだれかから呼ばれた。振り返るとバンが走ってアミ達の所へやってきた。ユズは咄嗟にアミの後ろに隠れた。

「バン、どうしたの?いつもは遅刻ギリギリなのに」
「まあ、たまにはね。ユズもおはよう!」
「あっ、お、おはようございますぞ…!バン殿…!」
「…なんで隠れてるの?」
「うっ…そ、それよりいつもは遅刻ギリギリとお聞きしましたが、何故本日はお早いのですぞ?」
「そんなの決まってるじゃない、“アキレス効果”よ」

 アミはアキレスが入ってるであろうバンのカバンに目をやる。アミが言うには「アキレスが気になって寝てられなかった」との事。そう言って歩き出す。その後ろでユズがアミの後を追う。
 アミの考えは合っていたようでバンは驚いた表情を見せてアミについて行く。
 アミはクノイチを買ってもらった時も今のバンと同じような気持ちだったらしい。

「ユズもスワンを買ってもらった時早くバトルしたくて仕方なかっただろ?」
「えっ、あの……えーっと……せ、拙者は、LBX買ってもらっても…遊ぶ相手とかいなかったから…いつも1人で……」
「じゃあこれから俺達と沢山バトルしていこうよ!昨日のバトルだってとても良かったし!」
「それじゃあ、放課後は早速キタジマでバトルね!」
「ああ!カズも誘って……」
「「あっ……」」

 2人の表情が突然暗くなる。
 カズは昨日、郷田とのバトルでウォーリアーを壊されて落ち込んでいるのだ。帰り際に見たカズの悲しそうな顔をよく覚えている3人は俯く。
 バンとアミはカズとユズとは別のクラスの為、休み時間にしか彼に会うことは出来ない。ユズは同じクラスでしかも隣の席。彼の事を1番近くで見れる。2人はユズに授業中にカズの様子を見て欲しいと頼むと彼女は真剣な表情になり頷いた。
 そしてバン達がミソラ二中に着き、3階に上がると3人はそれぞれ自分の教室に入っていく。
 バンとアミが教室に入るとなにやら教室が盛り上がっていて騒がしかった。盛り上げている張本人、リュウがバン達の存在に気づくと挨拶をする。
 リュウはバン達に新しいLBXを見せびらかした。名前は「ブルド改」。ブルドが改良され進化したLBX。

「新しいの買ったんだ!」
「…またブルド?ホントリュウってブルド好きだよね」
「ブルドは重い武器だって難なく扱えるからな!」
「でもすごいよなぁ、リュウ。“あのハカイオーを1人で倒すなんて”!」

 同じクラスの少年が放った言葉に耳を疑う2人。昨日、郷田を倒したのは間違いなくバン達。リュウはゴウダ三人衆によってブルドを壊されて逃げたはずだ。
 それを知らないクラスメイトはリュウを褒める。ぎく、と肩を震わせリュウはバン達を見ると案の定リュウの事をジト目で睨んでいた。バンは腕を組み、アミは腰に手を当てている。

「あ、ちょっとこれには、色々事情があって…」
「バンとアミも見たんだろ?リュウが郷田のハカイオーを倒すとこ!」

手を合わせて「どうにか話を合わせてくれ」と頼み込む動作をするリュウに仕方なくバンはは話を合わせた。少しぎこちなくだがバンは「見た」と答えアミに話を振ると、アミは大きなため息をついて頷いた。そしてリュウにキツい視線を送る。
 クラスメイト達はさらにリュウを褒め称える。その光景を遠目から見ているミカは腕を組みロッカーにもたれ掛かりポツリと呟いた。

「………ウソばっか。」

 クラスメイトの1人はリュウにお願いがあると頼みこんできた。どうやら郷田にLBXを奪われたらしく、取り返してきて欲しいとの。…正確には四天王のゴウダ三人衆なのだが。
 純粋な瞳で頼んでくる少年に目をそらすが、アミが釘を刺すように放った。

「大丈夫よ、リュウに任せておけば必ず取り返してくれるから。ね、リュウ?」
「えっ」
「なんたって1人でハカイオーをやっつけたんだから」
「う、あ、あ、アミちゃ~ん!」
「リュウさんお願いします!」
「え、う、うん…まあ、そのうちにな!」

リュウ達が話している時、教室に先生が入ってきて、HRが始まった。
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