第一章 小さなマシンとの出会い
「やばい、Lマガ売れきれちゃう!急がないと!」
そう言って書店へ走るはこの物語の主人公である「山野バン」。いつも通っている「キタジマ模型店」で友達の川村アミと青島カズヤとLBXバトルする予定なのだが、今日発売される週刊LBXマガジン、通称「Lマガ」を買いにバンは走っていた。
バンが書店に向かうとまだLBXマガジンは売り切れておらず、彼は安心して胸をなでおろした。Lマガを手に取ろうとすると誰かと手が接触する。急いで手を引いてバンが見上げるとそこには驚いた様子で見ている少女がいた。オレンジ色の前髪で目元が隠れていて、黒い服を着た身長の小さい不思議な少女___。
「あ、あの……どうぞ…」
「あ、うん。ありがとう」
バンがLマガを手にした後、彼女も手にしそのまま読み始めた。彼女が見ているページは新発売のアーマーフレームや最近人気の出ているプレイヤーではなく、少しマニアックなコアパーツのページを眺めては口元が緩み、ブツブツと喋り始めた。耳を済ませ、それを聞くと小さい女の子とは思えない難しい言葉が聞こえ、思わず後ずさりする。
彼女の奇妙な行動に困惑していたバンはアミやカズとの約束を思い出し急いでLマガを購入し、書店を後にした。
そしてバンはその後キタジマ模型店にやってきた。店に入った途端バンは一言謝ると「さあ、やろうぜ!」と言うバトルの申し込みをした。
先にやってきていたアミに軽く叱られカズが何をしていたか問うとバンは事情を説明した。話せばカズは今日がLマガの発売日だったことを忘れていたらしく、頭を抱えた。
すると店の裏から店主の奥さんである北島沙希がバン達の元へやってきた。その後ろから店長がやってきてバンは彼らに挨拶をした。
挨拶をかわすとバンは店長が手に持っている箱を目にする。店長が3人を呼び寄せるとその箱を3人に見せた。
「見ろ、今日入荷した新型だ」
「“アキレス”…」
パッケージには白いアーマーフレームで赤いマント、青色の盾、綺麗な槍…かっこよくて綺麗なLBXが描かれていた。
カズが箱を開けると白いアーマーフレームが3人の目に入る。
どうやらアーマーフレームのみのパッケージでコアスケルトンが入っていないものだった。
アーマーフレームだけだと使えるものも使えない。それに、これを発売させたのはタイニーオービット社(TO社)だ。
バンは今日発売されたLマガを読み返すと「アキレス」と呼ばれるLBXはどこにも載ってなかった。
店長もそれについて同じことを思っていて、彼曰く、問屋から新製品だと言って送られてきたらしくどのカタログにも載ってなかったのだ。
「つまり超レア物ってこと!?すげーっ!ほしー!!」
バンは拳を上げて喜ぶとカズにジト目でツッコまれた。それにバンは何も言えず、うっ、と言わんばかりの反応を見せる。
「ムリムリ、どうせお前のお財布事情なんかじゃ買えないし、母ちゃんもLBXやるの、許してくれないだろ?」
カズの言葉に大きなため息をついた。バンの母親は彼がLBXをやることを許してくれない。その理由はカズとアミには分からない、だがバンは分かっていた。…でもそれだけでLBXを諦めるわけにはいかない。
バンは左手をグッと握りしめ、「近いうちに必ず手に入れてやる!」と固く決意した。
カズはそんな彼に適当な言葉を返す。
「それじゃあ気を取り直して!やるか!」
「おう!」
そう言ってバンとカズはDキューブの前に立つ。
強化ダンボールと呼ばれるフィールドの中でLBXを設置することで外に危険が及ばず安全に戦うことが出来る。
「ルールはスタンダードレギュレーションね」
「フィニッシュは破壊無しだな」
「了解!バン、今日の勝負は俺が頂くぜ!」
「へっ、こっちだって負けないさ!行くぞ、バトル開始だ!」
しばらくバンとカズが戦い、バンが最後の一突きをすると、カズのLBX「ウォーリアー」が青白く光り、ブレイクオーバーしてしまう。
この試合はバンの勝利に終わった。バンは左手をあげるとカズは大人しく自身のCCMの操作を閉じた。
「ホント、全く~…借り物のLBXのクセに相変わらず強ぇな…」
「そりゃあ俺が貸しているマシンはチューニングも最高だからな」
「そうそう」
「酷いなぁ~、マシンの性能だけで勝ったみたいに。ちゃんと作戦を立てて戦ってるんだからさ~…」
「だったら、早く自分のマシンを手に入れるんだな」
「だよね~」
「うぅ、それを言われると……」
バトルを堪能した3人はキタジマ模型店でお開きとなり、バンはアミとカズと別れた。そしてバンも帰ろうとした時、足早にキタジマ模型店に入って行く女の子が彼の横を通り過ぎた。
バンは彼女に見覚えがある。そう、バンが本屋で出会った女の子だった。
彼女は部屋に入るなり、店長と話をする。バンは見られないようにコソコソとその光景を見ていた。
「店長殿、沙希殿!こんにちはですぞ!」
「いらっしゃい“ユズ”」
「ユズ、お前が欲しがっていたCPU「ゾディアックLG:I」が手に入ったぞ」
「本当ですぞ!?拙者のLBXのATを2パーセントアップさせて操作をより良くするスグレモノ!先週のLマガに載ってて欲しかったんですぞ~、あ!ちなみにラピスラズリLG-IIは入荷されましたぞ?」
「ああ、入荷されてる。買うか?」
「もちろんですとも!」
俗に言う“オタク口調”で喋る彼女は店の裏に行った店長を沙希さんと待っていた。彼女の口から出る言葉はやはり中学生とは思えないLBX工学や科学技術の話ばかりだった。
バンはこの目でしっかりと彼女を見た。
そしてコアパーツを持って来て、ユズに見せると彼女はより一層目を輝かせた、ように見えた。
「あ、そうだ。ユズに見せたいものがあるんだ」
「なんですぞ?」
「このアーマーフレームなんだが…」
「おお!白き騎士のLBXって感じがしますな!名前は…「アキレス」……。うーん、このLBX、Lマガに載ってないものですな…タイニーオービット社製……」
「ユズも知らないのか…。」
「そうですな…でもとてもかっこよくて素晴らしいですな!欲しいところではありますが、拙者のLBXはストライダーフレームで合いませぬな…あっ。クレジット支払いますぞ!」
クレジットを払い、丁寧に手に持てばお礼を言ってキタジマ模型店を出た。
「ふんふん~、今日はいい買い物をしました……ぞっ!!?」
と、ユズは躓いて階段近くで転び、その勢いで手から離れたコアパーツが宙を舞った。
「危ないっ!」
バンはコアパーツを片手で拾い、もう片方の手でユズがケガしないように支えた。一瞬なんの事か分からなかったユズは理解した時、頭のてっぺんから湯気が出そうな勢いで顔を赤くした。
ただ、人を助けただけなのに。なんでだろう。
そんな思いで彼はユズを立たせると「どうぞ」と言ってコアパーツを渡した。
ユズはそれを受け取って中身を確認すると嬉しそうにそし安堵の笑みを浮かべた。
「ありがとうございますぞ、どなたか存じ上げませんが」
「あ、うん、俺は……」
「あーっ!!もう晩御飯の時間でしたな!早く作らないと妹が!!失礼しましたぞ!えーっと、どなたか分かりませんがー!!」
ユズはコアパーツをリュックに仕舞って大きく手を振るとバンの前から去っていった。
「…名前、言ってないけど良かったのかなぁ…?」
そう言って書店へ走るはこの物語の主人公である「山野バン」。いつも通っている「キタジマ模型店」で友達の川村アミと青島カズヤとLBXバトルする予定なのだが、今日発売される週刊LBXマガジン、通称「Lマガ」を買いにバンは走っていた。
バンが書店に向かうとまだLBXマガジンは売り切れておらず、彼は安心して胸をなでおろした。Lマガを手に取ろうとすると誰かと手が接触する。急いで手を引いてバンが見上げるとそこには驚いた様子で見ている少女がいた。オレンジ色の前髪で目元が隠れていて、黒い服を着た身長の小さい不思議な少女___。
「あ、あの……どうぞ…」
「あ、うん。ありがとう」
バンがLマガを手にした後、彼女も手にしそのまま読み始めた。彼女が見ているページは新発売のアーマーフレームや最近人気の出ているプレイヤーではなく、少しマニアックなコアパーツのページを眺めては口元が緩み、ブツブツと喋り始めた。耳を済ませ、それを聞くと小さい女の子とは思えない難しい言葉が聞こえ、思わず後ずさりする。
彼女の奇妙な行動に困惑していたバンはアミやカズとの約束を思い出し急いでLマガを購入し、書店を後にした。
そしてバンはその後キタジマ模型店にやってきた。店に入った途端バンは一言謝ると「さあ、やろうぜ!」と言うバトルの申し込みをした。
先にやってきていたアミに軽く叱られカズが何をしていたか問うとバンは事情を説明した。話せばカズは今日がLマガの発売日だったことを忘れていたらしく、頭を抱えた。
すると店の裏から店主の奥さんである北島沙希がバン達の元へやってきた。その後ろから店長がやってきてバンは彼らに挨拶をした。
挨拶をかわすとバンは店長が手に持っている箱を目にする。店長が3人を呼び寄せるとその箱を3人に見せた。
「見ろ、今日入荷した新型だ」
「“アキレス”…」
パッケージには白いアーマーフレームで赤いマント、青色の盾、綺麗な槍…かっこよくて綺麗なLBXが描かれていた。
カズが箱を開けると白いアーマーフレームが3人の目に入る。
どうやらアーマーフレームのみのパッケージでコアスケルトンが入っていないものだった。
アーマーフレームだけだと使えるものも使えない。それに、これを発売させたのはタイニーオービット社(TO社)だ。
バンは今日発売されたLマガを読み返すと「アキレス」と呼ばれるLBXはどこにも載ってなかった。
店長もそれについて同じことを思っていて、彼曰く、問屋から新製品だと言って送られてきたらしくどのカタログにも載ってなかったのだ。
「つまり超レア物ってこと!?すげーっ!ほしー!!」
バンは拳を上げて喜ぶとカズにジト目でツッコまれた。それにバンは何も言えず、うっ、と言わんばかりの反応を見せる。
「ムリムリ、どうせお前のお財布事情なんかじゃ買えないし、母ちゃんもLBXやるの、許してくれないだろ?」
カズの言葉に大きなため息をついた。バンの母親は彼がLBXをやることを許してくれない。その理由はカズとアミには分からない、だがバンは分かっていた。…でもそれだけでLBXを諦めるわけにはいかない。
バンは左手をグッと握りしめ、「近いうちに必ず手に入れてやる!」と固く決意した。
カズはそんな彼に適当な言葉を返す。
「それじゃあ気を取り直して!やるか!」
「おう!」
そう言ってバンとカズはDキューブの前に立つ。
強化ダンボールと呼ばれるフィールドの中でLBXを設置することで外に危険が及ばず安全に戦うことが出来る。
「ルールはスタンダードレギュレーションね」
「フィニッシュは破壊無しだな」
「了解!バン、今日の勝負は俺が頂くぜ!」
「へっ、こっちだって負けないさ!行くぞ、バトル開始だ!」
しばらくバンとカズが戦い、バンが最後の一突きをすると、カズのLBX「ウォーリアー」が青白く光り、ブレイクオーバーしてしまう。
この試合はバンの勝利に終わった。バンは左手をあげるとカズは大人しく自身のCCMの操作を閉じた。
「ホント、全く~…借り物のLBXのクセに相変わらず強ぇな…」
「そりゃあ俺が貸しているマシンはチューニングも最高だからな」
「そうそう」
「酷いなぁ~、マシンの性能だけで勝ったみたいに。ちゃんと作戦を立てて戦ってるんだからさ~…」
「だったら、早く自分のマシンを手に入れるんだな」
「だよね~」
「うぅ、それを言われると……」
バトルを堪能した3人はキタジマ模型店でお開きとなり、バンはアミとカズと別れた。そしてバンも帰ろうとした時、足早にキタジマ模型店に入って行く女の子が彼の横を通り過ぎた。
バンは彼女に見覚えがある。そう、バンが本屋で出会った女の子だった。
彼女は部屋に入るなり、店長と話をする。バンは見られないようにコソコソとその光景を見ていた。
「店長殿、沙希殿!こんにちはですぞ!」
「いらっしゃい“ユズ”」
「ユズ、お前が欲しがっていたCPU「ゾディアックLG:I」が手に入ったぞ」
「本当ですぞ!?拙者のLBXのATを2パーセントアップさせて操作をより良くするスグレモノ!先週のLマガに載ってて欲しかったんですぞ~、あ!ちなみにラピスラズリLG-IIは入荷されましたぞ?」
「ああ、入荷されてる。買うか?」
「もちろんですとも!」
俗に言う“オタク口調”で喋る彼女は店の裏に行った店長を沙希さんと待っていた。彼女の口から出る言葉はやはり中学生とは思えないLBX工学や科学技術の話ばかりだった。
バンはこの目でしっかりと彼女を見た。
そしてコアパーツを持って来て、ユズに見せると彼女はより一層目を輝かせた、ように見えた。
「あ、そうだ。ユズに見せたいものがあるんだ」
「なんですぞ?」
「このアーマーフレームなんだが…」
「おお!白き騎士のLBXって感じがしますな!名前は…「アキレス」……。うーん、このLBX、Lマガに載ってないものですな…タイニーオービット社製……」
「ユズも知らないのか…。」
「そうですな…でもとてもかっこよくて素晴らしいですな!欲しいところではありますが、拙者のLBXはストライダーフレームで合いませぬな…あっ。クレジット支払いますぞ!」
クレジットを払い、丁寧に手に持てばお礼を言ってキタジマ模型店を出た。
「ふんふん~、今日はいい買い物をしました……ぞっ!!?」
と、ユズは躓いて階段近くで転び、その勢いで手から離れたコアパーツが宙を舞った。
「危ないっ!」
バンはコアパーツを片手で拾い、もう片方の手でユズがケガしないように支えた。一瞬なんの事か分からなかったユズは理解した時、頭のてっぺんから湯気が出そうな勢いで顔を赤くした。
ただ、人を助けただけなのに。なんでだろう。
そんな思いで彼はユズを立たせると「どうぞ」と言ってコアパーツを渡した。
ユズはそれを受け取って中身を確認すると嬉しそうにそし安堵の笑みを浮かべた。
「ありがとうございますぞ、どなたか存じ上げませんが」
「あ、うん、俺は……」
「あーっ!!もう晩御飯の時間でしたな!早く作らないと妹が!!失礼しましたぞ!えーっと、どなたか分かりませんがー!!」
ユズはコアパーツをリュックに仕舞って大きく手を振るとバンの前から去っていった。
「…名前、言ってないけど良かったのかなぁ…?」
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