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甘すぎるふたり スビン

夜の弘大(ホンデ)は、ネオンと音楽が混ざり合って、
少しだけ現実がぼやけて見えた。

スビンは私の隣を歩きながら、
黙ったまま、指先だけを軽く絡めてくる。
その“無言のスキンシップ”が、逆に胸をくすぐる。

「ねぇ、まだちょっと拗ねてる?」
「拗ねてないよ。」
「うそ。」
「……少しだけ。」
声が小さくて、夜風に溶けていく。

「だってさ、ヌナが他の人に笑うと、
なんか……俺だけが見てた笑顔じゃなくなる気がして。」

その言葉に、心がふわっと溶けた。
彼は真っ直ぐで、素直で、
恋に対していつも“まっすぐ100%”だ。

私は彼の手をぎゅっと握り返して、
「スビン。私が笑ってるの、ちゃんと見てるのは君だけだよ。」
と言った。

彼は少し驚いた顔をして、
ゆっくり立ち止まる。
街灯の光が、彼の睫毛にかかってきらきらと光る。

「……そういうこと言うの、ずるい。」
そう言いながら、彼は私の手を引いて、
街角の少し暗い場所に連れていく。

「じゃあ、俺だけの笑顔、もう一回見せて。」

顔を近づける距離が、ほんの少しずつ縮まっていく。
呼吸が重なりそうなところで、彼の手が私の頬を包んだ。

「ごめんね。さっき、子どもみたいだった。」
「ううん。スビンが好きすぎて、嬉しかった。」
「俺も。」

そのまま、唇が触れる。
一瞬だったけど、確かに“好き”が伝わる温度。

離れたあと、スビンは照れ隠しみたいに私の額に軽くキスして、
「……これでチャラね。」
と微笑んだ。

「チャラって、何の?」
「俺の嫉妬と、ヌナの可愛さ。どっちも帳消し。」
「全然帳消しになってないけど?」
「じゃあ、もう一回する?」

笑いながら、彼はまたそっと手を握る。
夜風よりも近い距離で、
“好き”がふたりの間を行ったり来たりしていた。
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