このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

からかい上手な歳下彼氏 ヨンジュン

ヨンジュンからの連絡が減ったのは、いつからだっただろう。
「忙しいんだろうな」そう思っていたけれど、スマホの画面が光らない時間が増えるたびに、胸の奥が少しずつざらついていった。

夜、ソウルの風が冷たい。
彼の住むマンションの前で、彼女はマフラーをぎゅっと握りしめた。
今日は、久しぶりに会えるはずだった。
けれど、約束の時間を30分過ぎても、ヨンジュンは現れない。

——ピロン。
ようやく届いたメッセージ。

ごめん、練習押してる。今日は無理そう。

短いその文を何度も読み返す。
「無理そう」じゃなくて、「会いたい」の一言が欲しかった。

その夜、部屋に戻っても、彼の声が耳の奥から離れなかった。
“ヌナ、俺のことほんとに好き?”
あの夜の囁きが、やけに遠く感じる。

数日後。
偶然、彼が他の女性スタッフと笑って話している写真がSNSで拡散された。
もちろん、ただの仕事。
わかってる。でも、心が勝手に揺れる。

“あんな笑顔、私には最近見せてくれないのに。”

連絡は減り、会う時間も減った。
けれど、どれだけ不安になっても、「会いたい」と言えなかった。
彼の負担になりたくなくて。
でも、そうやって黙っているうちに、距離は少しずつ広がっていった。

──夜。
突然、スマホが震えた。
「ヨンジュン」
名前を見ただけで、涙腺が緩む。

ヌナ、今、家?

迷ったけれど、「うん」とだけ返信した。
数分後、インターホンが鳴る。
まさか、と思ってドアを開けると、息を切らしたヨンジュンが立っていた。

「練習終わって、気づいたらここに来てた」
額に汗が滲んでいる。
「このままじゃ、ヌナを失いそうで怖くて」

その言葉に、張りつめていた何かが一瞬で崩れた。

「……なんで、連絡くれなかったの」
「忙しいって言い訳した。でも、本当は、ヌナが離れてくのが怖かった」

ヨンジュンの声が震えていた。
目を合わせると、その中に映る自分が泣きそうな顔をしていた。

「俺、ヌナがいないとダメみたい」
「そんなこと言って……ずるいよ」

そう言いながらも、ヌナの手は彼の頬に触れていた。
冷たい指先を、ヨンジュンが自分の手で包み込む。
その手の温度に、もう言葉はいらなかった。

外では風が吹いていた。
けれど部屋の中は、二人の息づかいだけが静かに交錯していた。

“すれ違っても、やっぱりこの人がいい。”
彼女はそっと目を閉じ、彼の胸に顔をうずめた。
2/4ページ
スキ