からかい上手な歳下彼氏 ヨンジュン
ソウルの夜は、ガラス越しの街灯まで少しロマンチックに見える。
仕事帰りに寄ったヨンジュンの部屋は、柔らかい香水と彼のシャンプーの匂いが混ざっていた。
「ヌナ、また遅かったでしょ」
低く落ち着いた声。ソファにもたれてスマホをいじりながら、視線だけこちらに向ける。
「仕方ないでしょ。会議長引いたんだから」
そう言ってバッグを置いた瞬間、彼は立ち上がり、ふっと距離を詰めてきた。
「……でも、メッセージ返さないのは、ちょっと冷たくない?」
顔が近い。その距離、20センチ。
胸の鼓動が、まるでマイクを通して響いてるみたいにうるさい。
「忙しかったの。ヨンジュン、子どもみたいなこと言わないの」
「子ども?俺、もう二十歳超えてるんだけど」
その瞬間、ヨンジュンの唇の端が少しだけ上がった。
完全に“狩る側”の笑い方。
彼女の方が年上なのに、こういうとき、主導権はいつも彼が握る。
「ヌナが僕をからかうから、仕返ししたくなるんだよ」
「……どこが?」
「今だって、“ヌナ”って呼ばれるたびにドキドキしてるでしょ」
否定できなかった。
あの声でヌナと呼ばれるだけで、心臓が小さく跳ねる。
ほんの少しの沈黙を置いて、彼が続けた。
「ねぇ、ヌナ」
囁くように、耳元で。
「俺のこと、ほんとに好き?」
ずるい。そんな言い方。
視線を逸らした瞬間、顎を指で持ち上げられる。
その仕草のひとつひとつが、甘くて、危険で。
「ちゃんと、こっち見て答えて」
「……好き、よ」
「うん」
満足げに微笑んだ彼が、ゆっくりと額を合わせてくる。
「俺も。ヌナの全部、好き」
そのままの体勢でしばらく動けなかった。
夜の静けさの中、外の喧騒が遠くでぼやける。
ソウルの街は眠らないけど、二人だけの時間は確かに止まっていた。
仕事帰りに寄ったヨンジュンの部屋は、柔らかい香水と彼のシャンプーの匂いが混ざっていた。
「ヌナ、また遅かったでしょ」
低く落ち着いた声。ソファにもたれてスマホをいじりながら、視線だけこちらに向ける。
「仕方ないでしょ。会議長引いたんだから」
そう言ってバッグを置いた瞬間、彼は立ち上がり、ふっと距離を詰めてきた。
「……でも、メッセージ返さないのは、ちょっと冷たくない?」
顔が近い。その距離、20センチ。
胸の鼓動が、まるでマイクを通して響いてるみたいにうるさい。
「忙しかったの。ヨンジュン、子どもみたいなこと言わないの」
「子ども?俺、もう二十歳超えてるんだけど」
その瞬間、ヨンジュンの唇の端が少しだけ上がった。
完全に“狩る側”の笑い方。
彼女の方が年上なのに、こういうとき、主導権はいつも彼が握る。
「ヌナが僕をからかうから、仕返ししたくなるんだよ」
「……どこが?」
「今だって、“ヌナ”って呼ばれるたびにドキドキしてるでしょ」
否定できなかった。
あの声でヌナと呼ばれるだけで、心臓が小さく跳ねる。
ほんの少しの沈黙を置いて、彼が続けた。
「ねぇ、ヌナ」
囁くように、耳元で。
「俺のこと、ほんとに好き?」
ずるい。そんな言い方。
視線を逸らした瞬間、顎を指で持ち上げられる。
その仕草のひとつひとつが、甘くて、危険で。
「ちゃんと、こっち見て答えて」
「……好き、よ」
「うん」
満足げに微笑んだ彼が、ゆっくりと額を合わせてくる。
「俺も。ヌナの全部、好き」
そのままの体勢でしばらく動けなかった。
夜の静けさの中、外の喧騒が遠くでぼやける。
ソウルの街は眠らないけど、二人だけの時間は確かに止まっていた。
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