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君のいない空の下で テヒョン

テヒョンがカナダに旅立って、3週間。
連絡だけは取れるものの、時差やらなんやらで、なかなか話せない。
そのせいで、会えない気持ちはどんどん拗れていった。

「もう出かけるから、連絡取れなくなる」
時差13時間。
テヒョンがゆっくりできる時間に、私は慌ただしく家を出る時間になる。

『そっか、仕方ない』
あっさりそう言うテヒョンに、少し苛立ちが湧いた。

『こっち(カナダ)来てから、全然話せてないな』
「うん……それも仕方ないよ……ごめん、もう出るね……」

テヒョンが何か言いかけたのを遮るように、私は出発の合図を出した。

『あぁ。ところで、どこ行くの?』

会えないもどかしさと苛立ちが混ざって、口から出た言葉はまるで反抗みたいだった。
「デート?」

『誰と、どこに、なんで、何時から、何時まで』

間髪入れずにそう返してくるテヒョン。
その反応に心がくすぐられ、さっきまでの苛立ちが嘘のように消えていった。

「うそ、うそ、笑笑」
『は? 吐いていい嘘と、吐いちゃダメな嘘がある』

声のトーンで分かる。
今、眉間にギュッとシワを寄せて、私をまっすぐ見てるんだろうな——。

「ごめん……」
『これは罪ひとつ』
「え?どうして?」
『嘘ついたから』
「でも、ちゃんと嘘って言ったよ?」

焦る私に、テヒョンは淡々とした声で続けた。

テヒョンは、嘘が大嫌いな人。
会える距離にいないのに、こんな小さな嘘で関係を壊したくない。

『吐いていい嘘とダメな嘘があるの。だから罰ゲームね』
「何それ?罰ゲームなんて聞いてない!」

でも、少し楽しそうな声に変わったテヒョンに、ほっとする。

『今、決めた。覚悟しとけよ。俺が帰ったら、罰ゲーム執行だから』

子どもみたいなことを言い出すテヒョンが、たまらなく愛おしい。

「だから、何? 罰ゲームって!」
『帰国してからのお楽しみ。早く行けよ、時間なくなるぞ!』
「もうっ!! 行ってきます!」

電話を切って、私は足早に部屋を出た。
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