不器用な柳蓮二
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「…寝れなかった」
あれから、雅治が帰ってから。
ひたすらに考えた。柳のことをどう思っているのか。柳とどうなりたいのか。柳に何をしてほしいのか。だけれどひとつも答えは出ないまま太陽が顔を出してしまった。そして全く寝れていないまま朝練に参加した。
考えて考えて考えて結論は出なかったのだけれど、疑問は出た。柳は、私のことをどう思っているのだろうか。今度はそれが気になって仕方なかった。
私たちは、仲が悪くて、喧嘩ばかりで、ずっとそうしてきたのに。苦手な男のはずなのに。
「…わけわかんない」
とりあえず今は考えることをやめて早く教室に行こう。着替え終わり鞄を持った。これだけ早く準備したのだ。柳はいないだろう。そう安心しきって私は更衣室のドアを開けた。
がしかし、柳はそんな私の浅はかな考えを軽く読んでいたのだろう。腕を組み仁王立ちをしていた。
「なんでいるわけ…」
「こうでもしないと、お前は俺を避けるだろう」
「うっ」
バレていた。そりゃ、テニス部の参謀だものバレないわけもないか。私は罪悪感から目を合わせることが出来ずに床を見つめた。柳はそんな私を見つめてため息をついた。そして突然歩みをとめ、私に向き直り私の肩を掴んだ。
うっすらと開かれた柳の瞳と目が合って途端に顔に熱が集まるのがわかった。柳の顔が直視できない。そんな私の姿を見て、柳は一瞬驚いた顔をして、唾液を飲み込み口を開いた。その瞬間
「柳くん。ちょっといいかな」
柳の後方から可愛らしい声が聞こえてきた。その声の発信源は隣のクラスの女の子…そして昨日柳に告白していた女の子だった。恐らく、柳は高身長だから、私のことは見えていなかったのだろう。私の姿を見つけてあっ、と驚いた顔をしていた。
こうして告白した次の日も話しかけに来るって言うことは、返事はまだなのか、それとも…OKしたということなのか。
その場所に居られなくて私は全速力で走り逃げた。柳とあの子の関係が、わからない。