都大会
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「うわあ、すごい偵察の数ですねー!ご苦労なこった!」
地区予選を制覇し、都大会へ向けてまた練習が始まった。地区予選の結果を経て、偵察にくるチームが日に日に増えている。カメラのシャッター音ビデオ音が常に聞こえていると、自意識過剰じゃないけれど、なんだか撮られている気がして気味が悪い。誰も私なんて撮ってないのだけれど。
「毎年毎年すごいなあ…やはり、手塚目当てか。それとも…」
「私目当てですかね!」
「ははは、それは無いんじゃないかな」
先程ばったり遭遇した大石先輩と共にテニスコートに向かう。先程ジャグが重くて運ぶのが面倒だななんて思っていると、たまたま通りがかった大石先輩が持ってくれた。行く途中でも偵察の方々に沢山会って熱い視線を送られた。さすが大石先輩大注目だなぁなんて思いながら横を歩いた。
そうだ。偵察。私も偵察行こうかな。
「大石先輩!私に偵察行ってほしいところとかないんですかー?」
「えぇ!?うーん…苗字は危なっかしいからなあ。」
「え…信用ない…」
大石先輩は私が偵察に向いてないから行くなと訴えた。あの優しい大石先輩にそこまで言われるのだからきっと私は恐ろしく偵察とかできないタイプなのだろう。控えめに言うとショッキングだ。確かに、データを集めたり分析したりは乾先輩の仕事だったから、私がすることと言えばドリンクを用意したりタオルを用意したり洗濯物をしたり…あれ、それだけ?
毎日重労働に感じていたけれど実は私全然仕事をしていないのではないか。今だって、大石先輩にジャグを持たせているではないか。
「大石先輩!」
「えっなに!?」
「持ちます!!!」
奪うようにジャグを持ち、ズンズンと歩き出す。ダメだ私、しっかり仕事をしなくては!!みんなはもっときついはずなのに、私は彼らに特に何もしてあげられていない。勝ってほしいと理不尽な思いをぶつけているわりには私は彼らに何もしていない。
「大石先輩!!私これから頑張ります!」
「え!?なんで?」
「何でもです!では失礼します!」
気合を入れるためにテニスコートまで走っていった。