地区予選
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「この程度のことで騒ぎすぎだよ」
試合が再開した。
リョーマくんに部長が与えたタイムリミットは10分。たった10分で、リョーマくんはあの手強い美少女さんを倒さなくてはならないのだ。試合の状況を詳しく不二先輩に聞いてみると、美少女さんはキックサーブが打てるとのこと。そして美少女さんとラリーを続けているといつの間にかリョーマくんの手が痺れてしまうこと。
「なんで、手が痺れるんですかね…」
「そういえば聞いたことがあるな
ほぼ同じ上下の回転を交互に何度か受けることにより筋肉が一時的に麻痺してしまう“スポット”」
「ス、スポット…!?」
本当にその筋肉の一瞬の動きを感じ取ってプレイしているのだとしたら美少女さんは、とんでもないプレイヤーだ。ゴクリと生唾を飲み込んだ。そのままサービスゲームを落としあっという間に4-3。このままでは追いつかれてしまう。
私は祈るように手を握りしめた。がんばれ、リョーマくん…!!
「いいよなあ、同情表集めてさぁ…でも自分から言い出したことだから最後まで…」
「ねぇ…独り言中悪いんだけどさぁ。早くサーブ打ってくんない?あと3分ちょいでアンタのこと倒さなきゃなんないんだよね」
ここに来て、また挑発をするリョーマくんは、やっぱり生き生きしている。楽しそうだ。あと3分と少ししかないのに私にはリョーマくんが負けるところはなんだか想像が出来なかった。不思議と見ていてこのままリョーマくんが終わるなんて思えない。彼はそんな魅力がある。
「やーな技だよね!その上下のショット!…でも弱点2つみーっけ!」
するとリョーマくんは上回転と下回転の時に右手左手を持ち替えて返すようになった。途端スポットには陥らなくなる。これは二刀流のリョーマくんだからこそ出来た技だ。すごい。そんな攻略法があったなんて!
「…あれ?美少女さん、さっきから下回転ばっかじゃかいですか?」
「上下回転を交互に打たないとスポットにならないんですよね…」
「体の正面に来る滑る打球を上回転で返すのはまず無理だ。打たないんじゃない…打てないんだ」
すると、リョーマくんの頭上にチャンスボールが上がった。会場のざわめきと同時に桃が身を乗り出して叫んだ。
「よし 越前!青学の優勝は…お前の手で決めろー!」
リョーマくんの放ったスマッシュは地面から跳ね上がり美少女さんの顔に向かった。
「ゲームセット ヴォンバイ青学 越前!!」
青春学園都大会優勝だ